「絶滅のおそれのある野生生物の保全につき今後講ずべき措置について(答申案)」に対する意見


2013年1月18日 意見書

環境省 自然環境局 野生生物課 宛

公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン 事務局長 樋口隆昌
〒105-0014 東京都港区芝3-1-14 日本生命赤羽橋ビル6F
TEL 03-3769-1711 FAX 03-3769-1717

はじめに

当公益法人は、予てより絶滅のおそれのある野生生物の保全について意見を述べてきた。最近では、環境省の絶滅のおそれのある野生生物の保全施策の点検に対して、1)2011年12月22日、環境省自然環境局野生生物課宛て「絶滅のおそれのある野生生物の保全施策に関する意見」、2)2012年7月13日、環境大臣宛て「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の抜本的改正に関する要望書~「種の保存法」の改正なくして、愛知目標の目標達成なし~」の意見を提出してきた。

今般、パブリックコメントに掛けられている「絶滅のおそれのある野生生物の保全につき今後講ずべき措置について(答申案)」は、二つの点検会議の報告を踏まえた結論としているが、生物多様性基本法、第十五条(野生生物の種の多様性の保全等)、および同法、附則抄、第二条(生物の多様性の保全に係る法律の施行状況の検討)およびCBD-COP10で世界の合意とされた愛知目標12の履行が確保されているとは言い難い。

以下、意見を述べる。

該当箇所:1
希少野生生物の国内流通管理に関して講ずべき必要な措置
該当箇所:2
わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

絶滅の恐れのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下、種の保存法)の目的条項の内容は、矮小化しており生物多様性基本法の要請や愛知目標の達成の為には、根本的な見直しが必要である。ついては、以下の点を追加する。

  1. 自然と共生する社会の実現に向けた、種の保存法の抜本的な改正の趣旨を示す前文を追加する。
  2. 種の保存法の目的条項に、「生物の多様性の確保」および「予防的アプローチ」の文言を入れる。
  3. 種の保存法の法律名を、「種の保全」にあらため、「生息域の維持回復」を追加する。

理由

本法律制定後も野生動植物の種の絶滅リスクが高まり続けており、さらに生物多様性保全に対する世界的動向も進展しているなかで、本法律は時代遅れで実効性の低いものと言わざるを得ない。上記項目を追加する理由は以下のとおり。

  1. 野生動植物の種の絶滅リスクが高まり続けている。
  2. 生物多様性保全に対する社会的要請が高まり、愛知目標の目標達成が求められている。
  3. 生物多様性の確保・予防的アプローチの認識が弱すぎる。
  4. 環境と経済の歴史からみると、めざすは「持続的発展が可能な社会」である。

種の保存法は、後法優先の原理から生物多様性基本法や外来生物法と比較した場合、対象範囲は、矮小化している。例えば「野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部」は、古い概念であり、生物多様性基本法の前文によれば「人類は、生物の多様性のもたらす恵沢を享受することにより生存しており、生物の多様性は人類の存続の基盤となっている。」

また、同基本法、第3条では「生物の多様性が微妙な均衡を保つことによって成り立っており、科学的に解明されていない事象が多いこと及び一度損なわれた生物の多様性を再生することが困難であること」など記述されている。多様な生物は現在と未来の人間の共通の財産であり、地球上のすべての人々が共通して取り組む課題である。なぜ種の保存が必要なのか、環境基本法基本理念第3、4、5条および生物多様性基本法前文の趣旨を盛り込む見直しが必要である。

該当箇所
「種の保存法」の国内流通を適切に規制し管理することが必要であるとの観点から、以下の措置を早期に講ずべきである。

意見内容

適切に規制し管理することが必要であるとの観点から、措置を検討するにあたり、同法にもとづいた国内取引違反事例の取締りを所管する税関(財務省)、警察(警察庁)、検察(法務省)の関係者に対して、至急ヒアリングをおこない、検挙数と起訴数の違いが生じた理由などを明らかにするべきである。

理由

答申案前文において、「絶滅のおそれのある種の現状及び保全の状況については、点検報告書に詳しい」とある。しかし、点検報告書には、種の保存法違反の検挙・処罰状況の調査は十分に行われていない。報道された事例や統計数字だけでは不十分である。

改正論議において、真に必要なのは、立件できない理由、不起訴理由、無罪理由である。

本来、種の保存法違反がどの程度検挙され、起訴され、有罪判決を受け、これと同時にどの種の野生動植物が発見・押収され、没収されているかにつき、税関、警察、検察庁にデータを照会し、これを精査し、検挙時の違反事実・動植物の種類や数と、起訴され・没収された違反事実・動植物の種類や数とを比較対照し、起訴されなかった事実・没収に至らなかった種類や数を明らかにした上、その理由を取締りの実務を担当する者からヒアリングする必要がある。

また、平成17年に動物由来感染症防止のため、厚生労働省健康局結核感染症課において、動物の輸入届出制度が制定・実施されている(感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」という。)56条の2)。これは、絶滅のおそれのある野生動物に限った制度ではないものの、いわゆる「エキゾチック・ペット」と呼ばれる野生動物は、特に危険な感染症の原因になりえるものとして届出が義務付けられており、ワシントン条約対象種のなかにも輸入届出制度対象種がある。それぞれの法令は、異なる法の目的を有し、異なる専門的知識が必要であるものの、調査・捜査すべき項目は共通する点が多い。

効果的な取り締まり・制度実施のあり方を検討するためにも、検疫や輸入届出制度・感染症対策に携わる担当者・研究者のヒアリングが必要である。

該当箇所
(1)登録票等の管理方法等の改善について

意見内容

現在の登録票の問題点は、個体と登録票の一対一対応がほとんど全く担保されていないことにある。従前の登録票の管理方法は改善すべきである。対策としては、原則として個体にICチップを付け、登録票のICデータと財団法人自然環境研究センターの登録データベースとを連動させるべきである。

個体にICチップを装着することが困難なものについては、これに代替する方法として、登録票自体に写真を添付し、成長に即して写真、体長・体重・体色等の登録情報を毎年あるいは種に応じた適当な期間ごとに更新することとする。

理由

野生動物の生体は、成長して変化する。したがって、登録票に体長や体重が記載されていても、すぐに同一性は不明瞭になる。

(例) あるペットショップで、アジアアロワナが50匹いて、登録票が30枚しかない場合、仮にペットショップの経営者が正直に自白し、「登録票とともに仕入れたものと登録票なしで仕入れたものとが混在し、どれがどれかわからない。」と供述した場合、検察官は、どの個体が、「登録票とともに譲渡されなかった」か特定不可能であり、結局、どの個体についても起訴することができなくなる。その場合、全個体につき、有罪が確定しないため、没収もできない。

すなわち、明らかな違法行為があり、所持者も違法行為が存在したことを認めていても、現行法では、現実に目の前にある不適正所持(個体と登録票とが適正に一致している状態ではない不適正な所持)を現認しても、処罰もできなければ、違法な個体の没収もできないのである。

該当箇所
(1)登録票等の管理方法等の改善について

意見内容

不適正所持自体を規制し、罰則を新設する。

前記例のように、不適正所持規制がないため、立件・起訴できない事例は少なくない。税関でも没収できず、所有権放棄に応じない場合に対応できず苦慮している。

そこで、不適正所持(適正な登録票とともに所持していないこと自体)を罰則の対象とすべきである。

理由

従来は、所有権を規制するものとして、罰則の設置に消極的であった。しかし、外来生物法において原則飼養禁止とされた主たる理由は、生態系の保全に加え、毒性のある生物がいることなども理由となっていた。同様に、絶滅のある野生動植物の多くは、密林の奥深くなど従来人間が生息していなかった地域が開発・乱獲されることにより捕獲されることが多く、未知の(致死性が高く、治療法が未解明な)感染症のリスクを有する。

このように、絶滅のおそれの野生動植物は、

①人類の財産というべき保護価値の高い絶滅危惧種等であること、
②組織的犯罪によって密猟・密輸出されたものであるおそれが高く、不適切な国内取引が国際的な組織犯罪を助長しかねないこと、
③致死性の高い動物由来感染症の感染源であるリスクがあること、

という観点から、所持自体の適正さが厳に求められるものであり、所持者には、適正な登録票とともに所持することを求めるのは当然であり、これに違反した場合に罰則を設けることは、不当な負担とはいえない。

該当箇所
(1)登録票等の管理方法等の改善について

意見内容

登録票の管理の改善には、動物取扱業者の登録・管理・違反に対する営業停止等の制裁を伴う規制が必須である。絶滅のおそれのある野生動植物によって営利事業を行うものには、それに伴う責任を負う。

理由

繁殖業者の登録・管理が不十分なために、「繁殖個体である」との抗弁が出た際、これに反証することが困難なために立件・起訴できない例もある。

違法行為の処罰のためには、違法行為であると正しく容易に証明できる体制が必要である。適法か違法かが曖昧なままでは、違法行為を処罰できない。

業者の登録制度を構築せずに営利目的の動物取扱業者を放置することは、動物由来感染症の防止等の国内体制整備の趣旨に反する。規制のターゲットを営利目的の事業者に絞ってメリハリのある罰則を設けるべきである。

(参考) 感染症法5条の2第2項においては、「動物取扱業者は、その輸入し、保管し、貸出しを行い、販売し、または展示する動物またはその死体が感染症を人に感染させることがないように、感染症の予防に関する知識及び技術の習得、動物またはその死体の適切な管理その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と規定している。

該当箇所
(2)罰則の強化について

意見内容

罰則強化は、適用可能で、立証が可能で、実効性があることが前提であるべきである。いくら罰則が重くても、立証できないような罰則は、実効性がないからである。

理由

警察が検挙しても、起訴ができない事例がある。それは、法律の実効性が伴わないことを示している。以下、証拠が不十分で不起訴となった例である。

  1. 入手経路の不明 登録票制度の不備のため、入手経路の特定は極めて困難であり、入手時期・場所・登録票がその当時添付されていたか否かなどの全ての要素で証明が困難で、起訴しがたい場合が多い。
  2. 種の同定の不能 (外見が種Aであっても、被告人から、「交雑種(又は繁殖個体)A’だと聞いて仕入れた」と弁解された場合、野生動植物の遺伝子データベースがない現状では、客観的な種の同定が不可能である。
    また、被告人が、「客観的には種Aかもしれないが、仕入先から交雑種(又は繁殖個体)だと聞いていたので、ワシントン条約に反する種だとは思わなかった」旨故意を否認されると、立証が相当困難である。

該当箇所
(2)罰則の強化について

意見内容

違法な武器、麻薬取引に次ぐ規模をもつ、野生生物取引ブラックマーケットを取り締まるため、健全な社会生活を著しく害する組織的な国際犯罪としての処罰を適用すること。

理由

野生動植物の違法取引は、近年、組織犯罪化しており、麻薬、武器、人身売買と並ぶ深刻な不正行為である。その規模は、世界で年間約7,800億円~1兆円であり、健全な経済活動を脅かすブラックマーケットである。例えば、海外では、違法な取引において、金、ダイヤモンドやコカインより高額の価格がつくものもある (Fighting Illicit Wildlife Trafficking, 2012, WWF International)。

野生生物の違法取引は、野生生物によって日々の糧を得たり、観光業を営んだりする生息国の地域住民の資源を奪うことになる。さらに、違法行為で利益を得る人々は、国境や経済活動を脅かしているだけでなく、次世代に受け継ぐべき自然資源を盗んでいることに他ならない。

違法取引は、自然資源を破壊し、国家の安全保障を脅かし、持続可能な社会の構築を阻害し、さらには感染症により人々の公衆衛生を脅かす。

野生生物の違法取引の処罰の弱さは、平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、犯罪による収益がこの種の犯罪を助長し、健全な経済活動に重大な悪影響を及ぼす。そのため、我が国は、国際協力として国の健全な市場を確保する責務があり、罰則を強化する必要がある。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」は任意の計画とせず、種の保存法を改正し、法定計画として位置付けるべきである。

理由

生物多様性基本法において生物多様性国家戦略を法定計画と位置付けたことと同様、「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」を種の保存法の法定計画として位置付け、計画的・具体的であり戦略的な内容とし、国が責任を持って法律に基づく施策として取り組むべきである。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する点検会議(以下、点検会議)では、上位法である環境基本法を除いた点検が行われているが、環境基本法も含めて比較検討すべきであり、今後講ずべき措置についてもその旨、記述すべきである。

理由

種の保存法が1992年に制定され、その後、1993年に環境基本法が制定されている。例えば、環境基本法には、事業者の責務が明記されているが、種の保存法では、事業者の責務がない。これは、事業者が野生生物を保全する上においても、欠陥と言わざるを得ない。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

「種の保存法の適切な運用のみならず、他法令も活用する」としているが、活用する前に他法令の抜本的な見直しが必要である。

理由

野生生物の保全の為の法制度の点検対象としている法律は、種の保存法、鳥獣保護法、自然環境保全法、自然公園法、文化財保護法、その他環境省の所管するものを中心としている。しかし、レッドデータブックに掲載された絶滅のおそれのある野生生物には、里地・里山や都市近郊などに生息・生育しているものも多く、農林水産省、国土交通省の所管する法律についても種の存続に対する影響あるいは生息生育地の保全に関する寄与という視点から点検が必要である。

生物多様性基本法の前文にある通り、「生物の多様性は、人間が行う開発等による生物種の絶滅や生態系の破壊、社会経済情勢の変化に伴う人間の活動の縮小による里山等の劣化、外来種等による生態系のかく乱等の深刻な危機に直面している」のであり、環境省の主要法案の検討では生物多様性は保全できるものではない。また、生物多様性基本法の附則2条の「生物の多様性の保全に係る法律の施行状況の検討」は、「政府は、この法律の目的を達成するため、野生生物の種の保存、森林、里山、農地、湿原、干潟、河川、湖沼等の自然環境の保全及び再生その他の生物の多様性の保全に係る法律の施行の状況について検討を加え」と記述されている通り、①この法律の目的を達成するため、②野生生物の種の保存、森林、里山、農地、湿原、干潟、河川、湖沼等の自然環境の保全及び再生、その他の生物の多様性の保全に係る、③法律の施行の状況について検討を加えなければならない。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

現在、沿岸・海洋のレッドデータブックの作成に取り組まれていると聞く。したがって、沿岸・海域における野生生物も保全の対象とする旨、今後講ずべき措置に明記すべきである。

理由

種の保存法における政令指定種は、現在のところ陸上や陸水に生息・生育する野生生物種に限定されており、沿岸・海域に生息・生育する海洋生物は、一種も指定されていない。環境省は、沿岸・海域に生息・生育する海洋生物のレッドデータブックの作成を急ぐとともに、水産庁との覚書を見直し、沿岸・海域に生息・生育する野生生物を種の保存法の政令指定種に指定すべきである。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

講ずべき必要な措置に、人材の情報を記述すべきである。絶滅のおそれのある野生生物を保全活動に従事している人員の情報を調査し、分析、活用すべきである。例えば、種の保存法第51条にある希少野生動植物種保存推進員は、全国に何名いるのかあきらかにし、実際に保全活動に従事している推進員の役割の再検討を行うべきである。

理由

種の保存や生息地の保全・回復活動には、各地域においてどの程度、人員が必要なのか判断する必要がある。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

種の指定のみならず、地域個体群も指定できる制度の検討を行うことを記述すべきである。

理由

「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いものについては、遅々として保全が進んでいない。特に、四国のツキノワグマについては、最も絶滅のおそれの高い地域個体群であり、個体群を指定して保全の取り組みを促進する必要がある。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

国民が種指定等の提案権を認める制度の検討について今後講ずべき措置に記述すべきである。

理由

「京都府絶滅のおそれのある野生生物の保全に関する条例」や「徳島県希少野生動植物の保護及び継承に関する条例」は府・県民が種指定の提案権を認める制度を持っている。京都では、府民が提案し種の指定がされたものもある。また、希少野生生物群に対して野生生物保護区を指定できる方法や滋賀県のふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例のように、希少野生生物、外来生物、野生鳥獣被害を一体化した条例とし、ビオトープネットワークによる野生動植物の生息生育環境の保全再生ネットワーク化構想を策定している県もある。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

新たに生息地の保全・回復計画を義務付ける仕組みの検討を記述すべきである。

理由

現行法には、必要があると認める時に保護増殖事業計画を策定するとなっているが、米国の種の保存法では、種指定時に原則として回復計画を策定する仕組みとなっている。種の保存、保護増殖事業、更には生息地の保全・回復事業を義務付ける仕組みが必要である。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

今後講ずべき措置として保護区の新設・拡大を検討する旨記述すべきである。

理由

点検会議の調査結果からも分かるように、絶滅のおそれのある野生生物の生息・生育地は、森林伐採や面的開発による縮小・分断、汚染や埋立て等による劣化・消失など減少の一途をたどる一方、生息地等保護区の設定は7 種9 カ所885ha(うち管理地区は385ha)に過ぎない。生物多様性条約第10 回締約国会議(以下、COP10)において採択された愛知目標は2020 年までに、目標11. 少なくとも陸域・陸水域の17%、海域・沿岸域の10%を生態学的によく連結された保護地域とし周辺の陸上景観・海域景観と統合する、目標12. 既存の絶滅危惧種の減少を防止し減少している種に対する保全状況を改善する、目標15. 劣化した生態系の少なくとも15%を含む生態系の保全と回復を図る、という目標を含んでいる。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

絶滅のおそれのある野生生物に関するデ-タを定期的かつ、継続的にとり、点検、報告する体制を整えることを今後講ずべき措置に明記すべきである。また、今回のような点検会議を5年毎等、定期的に行えるようにすべきである。

理由

生物多様性基本法、第15 条「野生生物の種の多様性の保全等」「国は、野生生物の種の多様性の保全を図るため、野生生物の生息又は生育の状況を把握し、及び評価するとともに、絶滅のおそれがあることその他の野生生物の種が置かれている状況に応じて、生息環境又は生育環境の保全、捕獲等及び譲渡し等の規制、保護及び増殖のための事業その他の必要な措置を講ずるものとする。」とされている。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

環境省地方事務所に適切な人数の国際的な見地から判断できる専門官を配置する旨、記述すべきである。

理由

当法人は「地方環境事務所の地方移管に対する要望書」を提出している。地方環境事務所は、種の保存のみならず「国際的な視野に立って、重要な国立公園などの保護区の指定と実効的な管理を行う為に、国の機関である地方環境事務所が、1)現地において国指定の国立公園など保護区を直接管理すること、および、2)広域に連携を必要とする野生生物行政を担う体制を維持することを、今後も国が責任を持って進めるべきである。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

今後講ずべき措置として、種の保全においても、民意が反映できる仕組みを構築する旨、記述すべきである。

理由

第21条「多様な主体の連携及び協働並びに自発的な活動の促進等」の2項「国は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する政策形成に民意を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、事業者、民間の団体、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し専門的な知識を有する者等の多様な主体の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの活用等を図るものとする。」とある通り、多様な主体の意見を求めるべきである。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

効果的な保全施策のあり方として、社会的、経済的条件により取組が進まない例がある。社会的、経済的条件の要因を調べて対処する記述を加えるべきである。

理由

点検会議の報告を見ると様々な開発による影響が読み取れる。愛知目標3の生物多様性に有害な奨励措置(補助金を含む)が廃止・改革されることが求められているが、無駄な公共事業により絶滅の恐れのある種に大きな影響を及ぼしている事実がある。この現状を把握する旨、記述すべきである。

該当箇所
2 わが国の絶滅のおそれのある野生生物の保全に関して講ずべき必要な措置

意見内容

希少種に関する学校教育、社会教育に関する取り組みも記述すべきである。

理由

生物多様性基本法、第24条「国民の理解の増進」において、「国は、学校教育及び社会教育における生物の多様性に関する教育の推進」が求められている。絶滅の恐れのある野生生物についても教育の視点を充実すべきである。

本件に関する問い合わせ先

草刈秀紀 03-3769-1711

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