【緊急声明】平成26年度税制改正に向けた自動車課税・地球温暖化対策税に関するNGOからの要望


共同声明 2013年12月6日

自民党税制調査会の皆様

現在、政府・与党は平成26年度(2014年度)税制改正に関する議論を本格化しており、12月12日に与党税制改正大綱がまとめられる予定である。自民党税制調査会(野田毅会長)は、それに向け作業を進めているが、関連業界等の要望も受け、自動車関連税の軽減・廃止を検討している他、昨年10月に施行された地球温暖化対策のための税に関し予定されている2014年の税率引上げの実施是非を議論している。

これに対し私達は、以下を要望する。

要望事項

  • 自動車車体課税は、地球温暖化対策(注1)、大気汚染対策、公害健康被害補償(注2)や国・地方自治体の財政健全化の観点から、一律の減税・廃止を行わないよう、強く要望する。もちろん、自動車車体課税の更なるグリーン化の推進は必要であるが、その際、環境負荷を基準に据え、環境負荷の小さな自動車への軽課については対象を絞り込む(注3)とともに、環境負荷の大きな自動車への重課を強化することが必要である。
  • 地球温暖化対策強化のため、地球温暖化対策のための税の2014年の税率引き上げが必須である(注4)。地球温暖対策のための税は、制度的工夫をこらすことで(注5)、低所得者に配慮しつつ、経済/雇用活性化・エネルギー安全保障強化・資産の海外流出を防ぐ効果を発揮することも期待できる(注6)。
  • CO2排出削減の価格インセンティブ効果維持・強化のため、自動車燃料への税率は維持・強化されたい。自動車燃料諸税の環境税化も一案であり、揮発油税等について、「当分の間税率」を維持し、その税収を国・地方の地球温暖化対策に優先的に充当することも検討すべきである。

賛同団体

世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

賛同者

地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)専務理事 早川光俊
環境エネルギー政策研究所(ISEP)船津寛和
国際環境NGO FoE Japan顧問 小野寺ゆうり

連絡先:特定非営利活動法人「環境・持続社会」研究センター(担当:足立治郎)
TEL:03-3556-7323、FAX:03-3556-7328、E-mail:adachi@jacses.org


補足説明

注1:自動車車体課税と地球温暖化対策との関係
自動車の車体課税が減税・廃止されれば、公共交通機関から自動車利用へのシフトを促し、CO2排出増を招く。日本における自動車関係税全体(車体課税・燃料課税)の年間税負担額は、多くのOECD諸国と比較してかなり低い(添付の図も参照)。

注2:自動車車体課税と公害健康被害補償との関係
自動車重量税の税収の一部は、汚染者負担の原則から、公害健康被害認定患者のための補償財源となっており、長期的・安定的財源が不可欠である。

注3:エコカー減税対象車の現状
現状では、エコカー減税の対象車は、新車販売台数の8割を占めている。

注4:地球温暖化対策税の課税率強化の必要性
自主行動計画は、甘い目標設定をする業界・企業に効果が乏しく、参加しない業界・企業・個人には効果がない。補助金や租税特別措置も、全ての排出源をカバーできない。地球温暖化対策税は、フリーライダーを防ぎ、他の政策ではインセンティブを与えることが難しい対象も含め、あらゆるCO2排出者に価格インセンティブ効果で削減を促すことが可能な、極めて効果的な政策である。

注5:地球温暖化対策税の制度的工夫のあり方
地球温暖化対策税・エネルギー課税の税率は、温暖化対策に資する消費行動や技術開発・普及を促すインセンティブとなりうる税率が望ましい(その際、炭素集約度や国際競争力に配慮し、別途減免措置や税収使途を工夫することもできる)。税収活用において、非効率な予算増加・使途の硬直化/既得権益化に繋がらないような税収使途の精査の仕組み確立や低所得者への配慮措置をとることも重要である。

注6:地球温暖化対策税と経済・雇用等との関係
地球温暖対策税は、制度的工夫をこらすことで、日本企業の温暖化対策技術・製品力を高め、日本の経済と雇用にプラスを与えつつ、地球規模での温暖化対策に貢献しうる。さらに、化石燃料輸入量を削減し、日本のエネルギー安全保障も強化できる。国内CO2削減が進むことで、海外の排出枠購入による日本の税金・資産の海外流出を防ぐ効果もある。

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