イタリア国民投票による脱原発決定を歓迎!日本は?


ドイツ、スイスに続き、イタリアにおいても脱原発の方向性が決まりました。2011年6月13日午後に投票が締め切られた、原発の再開を問う国民投票の結果です。東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、世界各地で原子力推進を見直す動きが出始めています。

決断が持つ2つの画期的な意味

今回のイタリア国民の決断は、2つの意味で画期的なものです。

第一に、イタリアが、「原子力のルネサンス」を覆して、脱原発の方向性を決めたことです。

同国は1987年の国民投票によって、既に原発からの決別を決定していました。しかし近年、発電設備を増強するために再び原子力発電所の建設を検討してきました。

しかし現状は、既に発電設備能力はピーク時の必要電力を上回っていて、増強の必要性は高くないにもかかわらず、原子力推進へ傾いています。

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それと同時に、 自然エネルギーへのインセンティブも打ち切られました。このような傾向に、イタリア国民は明確な「ノー」を突きつけたのです。

第二に、この決定が「国民投票」という形で行なわれたことがあります。

イタリアの国民投票は、投票率が50%を超えないと成立せず、近年は成立しないケースが多くありました。しかし、今回、この原子力という問題については、日本の原発事故の影響もあり、多くの国民の関心事として投票が成立しました。

原子力という道を選択するのかどうかは、イタリアに限らず、その国の国民にとっての重大な決定です。その決定に、国民が明確に関与できる仕組みがあることは極めて重要なことです。

情報が公開されぬまま進められる日本の決定

一方、日本では、震災後の原子力についての基本的な方針が、国民への情報公開が不十分なプロセスの中で決められようとしています。

今回のイタリアの決定は、その中身だけでなく、国民に選択の場を与えたという形式にも、学ぶべきところが多いといえるでしょう。

先日、自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」が開催されましたが、その場で、菅首相より、今後政府主催で、開かれた意見交換の場を検討するという前向きな意思が示されました。

WWFジャパンは、イタリアの国民投票の結果を歓迎するとともに、日本においても、国民的な議論の下で、原発を段階的に廃止していく明確な方向性が打ち出され、今後のエネルギー政策が決まってゆくことを期待します。

関連情報

海外の原子力政策見直し等の状況


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