日本の削減目標は「3%増」? 問われる温暖化対策のゆくえ


2013年10月29日、政府が現在検討中の新しい温室効果ガスの排出削減目標を、「2005年度比で3.8%削減」という案を検討しているとの報道がありました。これは、削減とはいっても、1990年比で換算すれば「3.1%の増加」となり、到底、意欲的に気候変動問題に取り組む姿勢を示す目標とはいえません。日本はこのような目標数字は撤回し、少なくとも1990年比で15%以上の国内削減目標を掲げ、国際交渉でもリーダーシップをとることが求められます。

「2050年までに排出量の半減を」その言葉はどこへ?

検討されている日本政府の削減目標の意味
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2007年、ドイツのハイリゲンダムで開催されたG8サミット(主要国首脳会議)で、地球温暖化を進める温室効果ガスの排出削減について、「2050年までに世界で少なくとも半減させること」を提案した一人の首脳がありました。

当時の安倍首相です。

しかし現在、同じ安倍首相のもとで検討されている、日本の新たな温室効果ガスの排出削減目標は、その言葉を全く反映しない、意欲に欠けたものになろうとしています。

2013年10月29日、日本経済新聞は、政府が「2005年度比3.8%減」という削減目標を検討している、という報道を行ないました。

この「2005年度比で3.8%減」という数字は、京都議定書での基準年(1990年)で換算すると、「3.1%増」という数字になり、明らかに目標の「引き下げ」となります。

またこれを、京都議定書での2008年~2012年までの日本の目標であった、「1990年比で6%減」と比べても、当然に大幅な後退となります。

地球温暖化対策自体の、著しい後退といわねばなりません。

その後の報道で、目標はまだ「調整中」と官房長官から説明があったようですが、そうであっても、このような目標では、温暖化防止をめぐる国際世論の中で、日本が大きな役割を果たすことは望めません。

COP19に向けて問われる姿勢

2013年11月11日からは、ポーランドのワルシャワで、国連気候変動枠組み条約の第19回目の締約国会議、および京都議定書の第9回会議(COP19・COP/MOP9)が開催されます。

そして、この会議に向けて、安倍首相が2013年1月に出した首相指示に基づき、政府は「2020年」に向けた、温室効果ガス排出量削減目標の見直しを議論してきました。

実際、このCOP19の会議では、地球温暖化の影響を食い止める上で、現状不足している各国の削減分を、いかに底上げしてゆくかが議論される予定です。

それを目前にして、今回「検討中」とされた、極端に水準の低い削減目標を日本が国として示すことは、それ自体が問題であるばかりでなく、他国の削減意欲に水を差し、温暖化問題の解決を阻むことにもなりかねません。

WWFジャパンは、この目標があまりにも低過ぎることに重大な懸念を表明するとともに、このような目標数字は撤回し、少なくとも1990年比で15%以上の国内削減目標を掲げること、そして、国際交渉でもリーダーシップをとるべきことを求めています。

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