「千人太鼓」開催!届けCOP10へのメッセージ


2010年10月18日から本会議が始まったCBD・COP10は、早くも最初の1週間が終了。二週目からはいよいよ、各国の首脳級が名古屋入りし、これまで論議されてきた案件が「決議」に持ち込まれ、会議の成功が問われる正念場となります。10月24日、会議の前半に合わせて、現地で市民参加型のイベント「千人太鼓」が開催されました。

喜多郎の「千人太鼓」

名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議(CBD・COP10)のハイライトは各国の首脳が集まる会議後半です。
その直前となる10月24日、愛知県出身の世界的なアーティスト、喜多郎氏の企画によるイベント「千人太鼓」が開催されました。

COP10の会議場に隣接した会場の愛・地球博記念公園の芝生広場には、「生物の多様性を守るために自分も何かしたい!」と願う市民、約1,100名と、17の太鼓演奏グループから約240名が集いました。

これは、このイベントのために特別に制作された「うちわ太鼓」や、思い思いに持ち寄った打楽器を使って、喜多郎氏の指揮のもと、1,000人でひとつの演奏をつくりあげていく壮大なイベントです。
表現するのは、「地球の鼓動、宇宙からのメッセージ」。そして、CBD・COP10が実りある会議になってほしい、という願いです。

FSCの木材を使った「うちわ太鼓」

さらにこのイベントは、生物の多様性を守るための具体的な方法を提案するものともなっています。
一般演奏者が手にした「うちわ太鼓」の持ち手とばちには、生物多様性の保全にも配慮して生産された木材が使われているからです。

太鼓やばちに付けられた「FSC」のマークは、森を破壊しないよう、適切な森林管理が行なわれた森から切り出された木材であることを示しています。

WWFは、FSCの認証を受けた木材の利用が広がることは、世界中で起きている自然林の破壊を止める一つの方法になりうると考えています。今回の「千人太鼓」にも、FSCの普及につながるものとして、特別協力をしています。

COP10をふるわす太鼓の迫力

午後2時20分。いよいよイベントが始まりました。喜多郎氏が、北米の先住民であるデニス・バンクス氏とともに登場。会場にもうけられたやぐらに登ると、それまで芝生広場でお弁当を広げてくつろいでいた参加者が、手に手に太鼓を持って、やぐらの周辺に集まりました。

喜多郎氏のかけ声にあわせて、最初に何度かの練習が行なわれましたが、もうすでに参加者の心は演奏に向けて一つになっていたようです。

演奏はすぐに本番に突入。それから約45分間、時に強く、時に静かに、波打つようにリズムを刻む演奏がノンストップで続けられました。

太鼓の音が次第に一つに揃い、会場全体をふるわせて鳴り響く様子は、まさに無数の生物がつむぎだす地球の生命力を思わせるものとなりました。

「千人太鼓」に集った人々の多くは、関心を持ってCBD/COP10の会議のゆくえを見つめています。

前半の1週目の会議で議論が紛糾し、なかなか前に進まないと伝えられていることを心配する声も、あちこちから聞かれました。

WWFは、会議場内に入り、各国の代表に向けて、要望を届ける立場にある環境団体の一つです。千人太鼓に集った人々を始め、多くの市民の代表として、会議の後半に臨み、少しでも実りある結果を導きだせるよう、気を引き締めて活動していきます。

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FSCの認証木材を使った太鼓

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音頭をとる喜多郎さん

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会場のテンションはすぐにピークに!

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その音はCOP10を振るわせた!

「千人太鼓」に参加された方々の声をご紹介します

「COP10でボランティアをしていて、千人太鼓を知り、参加を決めました」
立道翔平さん(豊田市から)

「環境保全には普段から関心があって、インタープリター(自然解説員)として活動をしています」
竹内冴さん(豊田市から)

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「親子三世代での参加です。昨年から、COP10関連のさまざまなイベントがあって、会議場で使われる木の名札づくりや、駅から会議場までの道に花を植えるなどの活動に参加してきました。千人太鼓の開催を知ったのは地元の新聞です」
堀新一さん、好子さん、田尻雅恭代さん、芽依さん(名古屋市から)

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「喜多郎さんというアーティストを知る機会があり、作品を聞いてみて興味を持ちました。喜多郎さんと一緒に演奏できるなら、と千人太鼓への参加を決めました」嶋田庸平さん(岡崎市から)

「COP10の会議は、利権ばかりが主張されていて不満を感じています。でも、本当に生物多様性のことを考えているグループも集まっているので、横のつながりができるきっかけになってほしい」胡桃澤朝さん(瀬戸市から)

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「モンベルの会員で、会報誌「OUT WARD」で千人太鼓を知り、城者さんを誘って参加しました。COP10に関する連日の報道を見ていると、規模の大きさを実感します。地球規模で生物多様性を考えるというのは良いことだと思います」
内藤ミキ子さん、秀幸さん(名古屋市から)城者千晴さん、里奈さん(春日井市から)

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「千人太鼓にTシャツを提供しているアウトドア・メーカー「モンベル」の社員です。このイベントのためにはるばるやってきました。COP10を町ぐるみで迎えているナゴヤ・パワーはすごい!」
室橋圭太さん(新潟市から)、天野里香さん、前田みゆきさん(大阪市から)

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