気候変動とエネルギー問題について


普段の生活には欠かすことのできない、熱や電気などのエネルギー。しかし、今のエネルギーの多くは、石油や石炭などを大量に消費し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出することで得られています。こうしたエネルギー利用は、いつか枯渇する資源の有限性や、環境問題の面から、「持続可能」とはいえないものです。従来のエネルギー社会のあり方を見つめ直し、さまざまな課題の解決を図るために、今新たなエネルギー利用を社会が受け入れていくことが求められています。

従来型のエネルギー利用の問題

石油や石炭といった化石燃料の燃焼によって得られるエネルギーは、近代以降、利用されてきたエネルギーの主流となってきました。

特に、20世紀の後半からは、その使用料が飛躍的に拡大。世界の経済活動を大規模化させる原動力となってきました。

しかし、こうした従来型のエネルギー利用のあり方が今、社会や環境、また経済に、さまざまな問題をもたらし始めています。

その最たる例が、化石燃料の燃焼により発生する二酸化炭素(CO2)に起因した地球温暖化です。

これはすでに、世界各地で異常気象などを引き起こす、大きな原因の一つになりし、社会活動や経済に深刻な打撃を及ぼしていると考えられています。

この他にも、特に石炭の燃焼による健康被害や、熱エネルギーを得るため行なわれる森林伐採などが、一部の発展途上国では特に大きな刻な問題になっています。

また、石油や石炭、天然ガス、ウラニウムなどは、多くの場合産出国から遠く離れた国や地域に運ばれる形で利用されています。

そのために、こうしたエネルギー源となる燃料の価格が大きく変動することによって、消費国はその経済活動に大きな影響を受けており、近年は経済面でのリスクもより強く指摘されるようになりました。

こうした問題は、燃料資源を購入する余裕を持ち、電力を送る送電網のインフラが整っている、先進国を中心とした国々に限られた問題です。

こうした、大量に電気を消費する国がある反面、いまだ電力を利用できない人たちが、世界に約13億人も存在していると推定されています。

2050年には人口が90億を突破し、さらなるエネルギー需要と価格の高騰が予想される中、さまざまな問題を抱える化石燃料を利用し続けることは、社会的、環境的にも、大きなリスクを抱え込むことにつながりかねません。

問題の解決には

従来型の石炭や石油に依存したエネルギー利用に起因する問題を解決し、社会的にも衡平で安定したエネルギーを供給・利用するためには、まず不必要なエネルギーの利用を減らすことが重要です。

そのためには、効率よくエネルギーを利用する「省エネルギー」の技術改善と普及が欠かせません。

また同時に、太陽光や風力に代表される、再生可能な自然エネルギーの普及をはかることが重要です。

再生可能な自然エネルギーは、その土地に合った自然資源を活用し、電力や熱を生み出します。

資源枯渇の心配もなく、燃料輸入やその価格変動などによる影響を受けにくくなる利点があります。

課題である安定した供給が実現できれば、温暖化の原因となる温室効果ガスの発生を抑えることにもつながります。

こうした省エネと再エネの早期普及が、エネルギー問題、さらには温暖化問題の解決に大きな貢献を果たすと言えるでしょう。

省エネルギーと再生可能エネルギーの拡大に向けて

日本では省エネと再生可能エネルギーの普及は、どれくらい進んでいるのでしょうか?

日本が排出する温室効果ガスのほとんどは、石油や石炭の燃焼によって生じる二酸化炭素です。

その約7割が、エネルギーを生み出す「発電分野」と、エネルギーを大量に消費する「産業分野」からの排出によって占められています。

これらの分野については、さらなる省エネと再生可能エネルギーの普及を進めることで、二酸化炭素の排出削減により貢献できる可能性があると考えられます。

産業界の一部からは、省エネのこれ以上の普及は難しく「乾いた雑巾を絞るようなもの」と表現されることがありますがが、ものづくりにかかるエネルギーの量(製造業のエネルギー消費原単位)の推移を見ると、その効率は1990年前後から大きく改善していません。

したがって、日本の技術力を活かした改善の余地は、まだまだ残されていると言えます。

再生可能エネルギーついても同様です。

世界でみると、OECD加盟諸国で供給されている電力のうち約20%が、欧州でも約25%が、再生可能エネルギーによりまかなわれています。

一方の日本では、その半分程度の約13%に過ぎません。しかも、大型水力発電を除くと、その数字はわずか4%程度になってしまいます。

幸い、日本には豊富な自然エネルギー資源が存在しているため、再生可能エネルギーの更なる普及を実現できる可能性は、十分にあると考えられています。

WWFジャパンでは、こうした省エネと再生可能エネルギーの普及が、日本でも可能かどうかを、技術面、費用面など多方面から分析し、その実現の可能性を指摘した『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案』をまとめ、発表してきました。

日本が真に持続可能で、エネルギーを自給できる、そして、世界の温暖化防止にも貢献できる国になるために、WWFジャパンでその実現を求めています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP