MSC認証水産物の取り扱いに関心のある流通企業の方へ
2009/09/14
MSCのCoC認証とは?
MSCの漁業認証を取得した漁業からの水産物(シーフード)にMSCのラベルをつけて流通させるには、漁獲後の加工・流通過程に認証も必要になります。
これは、製品の加工・流通過程で非認証製品にMSCラベルがつくことを防ぐことにより、MSCの信頼性を確保し、MSCの漁業認証を取得した漁業からの水産物のみが確実に消費者にMSC認証製品として届くようにするためです。
そのため、水揚げ後の水産物の加工・流通過程のトレーサビリティーに関する審査が行なわれます。これをCoC(Chain of Custody)認証と言います。生産から流通、消費までを一連のつながりとして全てを認証するのです。
何がどう審査されるの?
審査のポイント
MSCのCoC認証では下記のような点が審査されます。
- 入荷したMSC認証漁獲物の量、魚種、入荷時期、納入業者、および貯蔵場所
- 出荷したMSC認証漁獲物の量
また、以下の点も重要になります。
- MSC認証漁獲物を、入荷、加工、包装、貯蔵、出荷の過程において、非MSC認証漁獲物と混ぜたり取り違えたりしないこと
- 扱った魚種、数量、およびその処理についての、完全な記録をとっていること
参考情報
日本のスーパーマーケット等で一般にみられる店内の加工については一定数の店舗についてサンプルチェックを行うという形もとることができます。CoC認証はMSCのラベルを付ける最終加工者までが対象になります。したがって、加工業者(納入業者)がMSCのラベルを最終製品に付け、小売店がその商品を販売する場合、小売店はCoC認証を取得する必要はありません。
CoC認証についての詳細はMSC日本事務所、または認証機関にお問い合わせください。
MSC日本事務所
〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町15-12 兜町MOCビル7階
電話 03-5623-2845 http://www.msc.org/jp/
プログラムディレクター 石井幸造 Kozo.Ishii@msc.org
MSCの認証のしくみ
こうして、厳しい審査をパスした製品がMSCのマークをつけて街中の店頭に並ぶことになります。消費者はこのMSCのマークを一目見ることで、それが水産資源や海洋環境に配慮した製品であることが分かり、安心して水産物を買うことができます。
どんな認証漁業があるの?
海外ではすでにアラスカのサケ漁業、ギンダラ漁業、タラ漁業、ニュージーランドのホキ漁業、メキシコ・バハカルフォルニアのロブスター漁業や南アフリカのメルルーサ漁業、アルゼンチンのホタテ(パタゴニアニシキ)漁業、スウェーデンのパイクパーチ漁業、そして、日本の京都の底曳網漁業(ズワイガニ、アカガレイ)など、世界各地で多数の漁業がMSCの漁業認証を受けています。
現在の認証の詳細については、MSC日本事務所のサイトをご覧ください。