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石垣島・平野海岸で海洋プラスチックを回収するビーチクリーンを実施

この記事のポイント
豊かな自然に恵まれた、沖縄県の石垣島。しかし、その海岸には今、世界各地でも大きな問題となっている、海洋プラスチックごみが大量に漂着し、景観と自然環境を脅かしています。南西諸島の世界自然遺産への登録も話題になる中、確かな対策が必要とされる、この漂着ごみの問題。地元では現在、地域の人たちや市民団体が中心となり、その回収に取り組んでいます。2019年3月3日と4月7日 には、石垣島の平野海岸で200名以上が参加した、ビーチクリーン(海岸清掃)の取り組みが行なわれました。

漂着する海洋ごみと市民の取り組み

沖縄県の石垣島をめざす飛行機が着陸態勢に入ると、わぁっと静かな歓声があがります。
窓の外にはエメラルドグリーンに輝く美しい海。
日本各地からの観光客は、誰もがこの美しい海を見たくて石垣島を訪れるのでしょう。
しかし、飛行機を降り立った観光客たちが向かった先の海岸には、廃棄されたプラスチックをはじめとする無数のごみが、気が遠くなるほど延々と、無数に散らばっています。
近づいてみると、波が運んできたそれは発泡スチロールやペットボトル、壊れた漁具など。
特にプラスチック製品は自然界で分解・吸収されないため、いつまでも砂浜に散在し続けることになります。

このごみをなんとかしたいと島内で海岸清掃、すなわち「ビーチクリーン」をはじめたグループがあります。地元のボランティア団体「海Loveネットワーク」です。
この団体は2003年から石垣島内にある各地の海浜でビーチクリーン活動を継続。
WWFジャパンも現在、その取り組みを一部支援しながら、協働で海岸でのごみの回収と、環境保全活動に取り組んでいます。

その海Loveネットワークが一年に一度、定期的に清掃活動を行なっているフィールドの一つに、石垣島最北端の平久保にある平野海岸があります。ここは、風向きや潮流の影響で、冬の間の漂着ごみがすべて流れ着く場所。プラスチックごみによる汚染も深刻です。

2019年も3月3日と4月7日にこの平野海岸で多くのボランティアが参加した、漂着ごみの回収を行なうビーチクリーンが開催されました。

参加者は200名以上!それでも…

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3月3日の第一回目のビーチクリーンに集まったのは、大人168名、子ども37名の、計205名のボランティアの皆さん。
それでも、非常に広い海岸なので、これだけの参加者が得られても、ごみの全ては拾いきれません。そのため、海Loveネットワークでは、あらかじめ2日間の作業日を設定してビーチクリーンの取り組みを行なっています。

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ごみの回収に乗り出すボランティアの皆さん。今回はWWFジャパンサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」からも、スタッフが2名参加しました。

参加者はスタンドバッグを持ち、そこに海岸で拾ったごみを入れていく作業を開始。
しかし、拾い始めてから5分でスタンドバッグはたちまちいっぱいになりました。
通常は、20分くらいかかるはずの時間が、5分足らずであったということは、いかにたくさんの漂着ごみが浜にあったかを物語っています。
特に目立ったのは、発泡スチロールやペットボトルなど。そのほかにも危険物とおぼしき注射器のようなものや、劣化して粉々になったプラスチック、水を含んでとても一人では運べないロープや漁網、ブイ(浮き)など、いろんな種類のごみが認められました。

この日、集められたごみの内容は、次の通りです。

燃やせるゴミ 5袋 燃えないゴミ 86袋
発泡スチロール(袋) 161袋 発泡スチロール(個) 71個
ペットボトル 53袋(約2650本) 漁具(袋) 21袋
漁具のブイ(大)

 

62個 漁具のブイ(小)

 

100個
ロープ(袋) 11袋 ロープ(かたまり) 約330kg

 

ビン 9袋 カン 1袋
危険物 7袋 電球、蛍光灯 2袋
ワレモノ 3袋 ドラム缶 3個
木片 3個 プラスチック片(大) 11個
ポリタンク(大) 2個 スプレー缶(大) 5個
ウレタン片(大) 4個 冷蔵庫の蓋 1個
オイル缶 5個 ガス缶(小) 3個
手作り漁具 4個(長い棒+発泡)    

ごみの分別が教えてくれること

参加者の皆さんは、この集めたごみの内容と量を確認するため、分別も行ないました。
意外と見落としがちですが、これは、ビーチクリーンの中では大事な作業です。

まず、一度拾ってきたごみをシートの上に出し、種類ごとに分けていきますが、これには拾っている時間と同じくらいの時間がかかります。

そして、この分別作業をしていると、あることに気づかされます。
漂着したペットボトルを見ていると、外国製のものが非常に多いのです。
これらはいずれも、海流に乗り、日数をかけて漂着したもの。

しかし、スタッフの方々は、参加者の皆さんに対し、こんな説明もされていました。
「ここにあるのは外国製だけど、外国でビーチクリーンをすると日本製のボトルやごみがたくさんある。どこの国が多いという訳ではないよ」
海洋プラスチックごみの問題が、いかに大きな広がりを持った、国際的な問題であるかを感じさせる一幕でした。

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回収の後の分別。すべて炎天下での作業。スタッフの皆さんは、参加者の水分補給にもしっかり気を遣ってくれていました。

プラスチックごみの削減を!

海Loveネットワークの代表を務める中川久美子さんによれば、ビーチクリーン活動を始めて10年以上が経つけれども、海岸のごみは一向に無くならない、と言います。

そしてこの日、ごみのあふれた浜辺の現状を前に、参加者の皆さんに対し、次のように言いました。

「ビーチクリーンはあくまできっかけです。拾い続けていると、ペットボトルの多さに気づき、できるだけ使わないようにボトルを持ち歩くなど、自分の生活に変化が出てくる。どんなところからでもいいので関心を持ち、ごみの問題が自分の生活と直結していることを意識してほしいと思います」

確かに、ビーチクリーンは大切な活動ですが、それだけで問題が解決できるわけではありません。
そのためには何より、利用するプラスチックの量を減らしていくこと、特に使い捨ての容器のような、ごみになりやすいプラスチックを削減していくことが重要です。

近年海洋プラスチック問題に対する関心の高まりから、世界の多くの企業が使い捨てプラスチックの削減に取り組みはじめています。

WWFジャパンでも引き続きプラスチック削減について提言や働きかけを行なっていくと同時に、ビーチクリーンなど現場で海洋プラスチックごみの回収を目指す活動に参加、協力していきます。

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集められたごみ。中学生からご高齢の方まで、たくさんの方の協力でこれだけ回収を行なうことができました。皆さま本当にお疲れさまでした!

イベント概要

日時 3月3日、4月7日
場所 石垣市平野海岸
参加人数 205名(3月3日)
主催 海Loveネットワーク

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