グッドニュース&バッドニュース:オーストラリアとニュージーランド


温暖化・エネルギー担当の山岸です。
今朝、事務局に向かう最中にメールをチェックしていたら、「オーストラリアが京都議定書の第2約束期間に参加!」のニュースがWWFオーストラリアから飛び込んできました。

京都議定書の第2約束期間とは、現在の温室効果ガス排出削減目標が第1約束期間=2008年~2012年(つまり今年)であるのに対し、今後(2013年~)の目標を定める期間のことです。

ご存知の方も多いと思いますが、日本政府は(ホスト国だったのに)京都議定書の第2約束期間への参加は拒否しています。現状では、主要な先進国で参加を表明しているのは欧州各国だけだったので、オーストラリアが参加を表明したことは大きな意義がありました。

「オーストラリアの目標は低い」とか「条件付きでの参加表明で、その条件にはあんまりよくないのもある」とか、いくつかWWFとしては不満もあります。

でも、「法的な拘束力を持った国際枠組み」の下で、これからも削減目標を持って削減していくことの意志が表明されたことは、あくまで「自主的な」目標しか表明しないとしている日本を含めた国々と比べて、少なくともその1点においてはかなり前向きと言えます。

「おー、すごいなあ」と思っていたら、今度は別のニュースが…

なんと、今度はお隣のニュージーランドが、「参加しない」と正式表明したのです。ニュージーランドはオーストラリアと共に、動向が注目されていた国でした。

オーストラリアの加入で「よくやった」という雰囲気になっていた所に、いきなり水を差された形に。WWFニュージーランドの担当者からは残念無念を伝えるメールが…

この年末に、カタールのドーハで開催されるCOP18・COP/MOP8まで、あと約2週間。
少し、騒がしくなってきました。

20121109a.jpg
20121109b.jpg

う~ん…

 

この記事をシェアする

自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP