天高く、サケのぼる秋(動画あり)


会報「地球のこと」を担当している佐久間です。

9月発行の「秋号」にサケ(鮭)の話題を載せたのですが、その編集作業中、11月頃に利根川に行くと、川を遡るサケのようすが観察できると知り、先日、見に行ってきました。

場所は埼玉県の行田市。なんと河口からは154kmもあります。

サケが、こんなにも上流までのぼってくるとは、正直、知りませんでした。

ここには、農業用水などを取水する「利根大堰(とねおおぜき)」が、川を横断するように立っています。

利根大堰。取水のための堰で全長約500メートル。手前は埼玉県、対岸は群馬県

サケたちは、堰に設けられた魚道を通って、さらに上流をめざします。

この大堰こそが観察ポイント。

魚道の脇に観察窓が作られているので、堰を越えようと泳ぐサケの姿を間近で見ることができるのです。

利根川で生まれ、海へと下り、北太平洋で3~4年を過ごして戻ってきたサケたちが、逆巻く水に抗うように、ひしめき合って泳いでいました。

堰に設けられた魚道の脇から、遡上するサケが観察できる

次の命を産み落とすための、生涯最期の旅です。

その姿を見ていると、川から海へと続く、はるかな自然の広がりを感じると同時に、私たち人間が、これまでどれほどサケの暮らしに立ち入り、翻弄してきたかを考えずにはいられませんでした。

利根川のサケは、昭和40~50年代、川の開発や汚染などによって一度、絶滅しかけたそうです。

しかしその後、人の手による採卵と稚魚の放流が続けられた結果、生息数は回復。

放流事業があまり行なわれなくなった今でも、利根川にのぼってくるサケの数は、増える傾向にあるそうです。

それはつまり、自然の状態で産卵し、無事に成長するサケが増えているということ。

この嬉しい変化が、これからも続くことを願っています。

*入会資料をご請求いただいた方には、会報の見本誌をお送りしています。

ここで見られるのはシロザケ。繁殖期の特徴で、体には紫がかった模様が現れ、オス(上)は口先が尖り、いかつい顔つきになっている

C&M室
佐久間 浩子

WWFではずっと「伝える」ことに携わってきました。今は会報を担当しています。

なにごとも決めつけてはいけない。知ったつもりになるな。複雑なものを、複雑なまま受け止める覚悟を持て。想像力を磨き、ヒトの尺度を超える努力をせよーー動物や植物に教えられたことを胸に、人と自然の問題に向き合い続けたいと思います。

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP