石炭火力発電所が復権?「石炭」問題を考えるウェブサイト


温暖化・エネルギー問題担当の山岸です。
最近、心配な傾向があります。石炭火力発電所の復権です。

震災以降、電力不足や、それを補うための天然ガス輸入に伴うコスト増に対する心配から、「新しい安価な電源を」という雰囲気が高まり、その波に乗じて、「日本でも新しい石炭火力発電所を建てよう」という機運が高まっています。

たとえば、東京電力が現在募集している2019年からの260万kW相当の新しい電源の入札。これは事実上石炭火発の増設が想定されています。

もう1つは、政府の規制改革会議というところで行われている石炭火力発電所に関する環境アセスの見直し。これが、今やるべき「規制改革」の優先事項に挙げられています。

あまり知られてませんが、日本の石炭消費量は過去から増え、エネルギーの中での割合も増えています。

石炭は、化石燃料の中でも最も排出量が多いので、当然ながら、その増加はCO2排出量の増加に直結します。

東電管内の2019年時点での電力需要を考えた際、本当に石炭火発の「純増」は必要なのでしょうか?温暖化問題が世界的に危機的な状況を迎える中、石炭火発の環境アセスを「迅速化」することが、本当に日本が内外に向けて率先してやるべきことなのでしょうか?「優れた日本の石炭技術を輸出するために」といいますが、それって、本当に石炭火発を日本の中で増やさないとできないことなのでしょうか?

そうした疑問に満足な答えもないままこうした流れだけが進んでしまうのは、日本の中で、温暖化問題自体の重要性が下がってしまって来ていることの顕れに思えてなりません。

この度、気候ネットワークが、こうした「石炭」問題を啓発するためのウェブサイトを開設しました。「なんとなく、そんなものかな」という感じで、私たちが石炭への依存をさらに深めてしまう前に、もう1度、よく考えてみるきっかけになればと思います。

自然保護室 気候変動・エネルギーグループ所属
山岸 尚之

国連交渉や国内の気候・エネルギー政策でのアドボカシー(提言)活動を担当。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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