報告書『環境報告に見る企業の生物多様性取り組み』を発表


記者発表資料 2015年5月22日

【東京発】WWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)は、報告書『環境報告に見る企業の生物多様性取り組み~事業活動での位置づけと自然資源利用での考慮~』を発表しました。これは2月に発表した、企業活動が生物多様性に与える影響について、企業の取り組みを独自の視点により表彰する「ビジネスと生物多様性 勝手にアワード」の元となった調査であり、金融庁が発表したコーポレートガバナンス・コードの対象である、一部上場企業の環境情報開示状況を俯瞰した初めての発行物です。

2010年に名古屋で開催された「第10回生物多様性条約(CBD)締約国会議」をきっかけとして、日本の企業の間でも生物多様性の保全や配慮が独立した取り組みテーマとして語られるようになりましたが、まだ多くの企業では生物多様性は自社事業が直接関係する環境問題とは位置づけられていないことが本調査でわかりました。

2014年7月31日現在の東京証券取引所第一部上場企業(内国株)計1,818社を対象に、WWF独自の、9つの項目で分析を実施しました。その結果、対象期間中に入手可能だった報告書は4割の701本。発行率は製造業では全般的に5割を超える一方、情報通信やサービス業・飲食業などの非製造業では1割程度にとどまっており、環境情報開示の重要性自体が必ずしも認識されていないことが明らかになりました。

本報告書では、「生物多様性への言及状況」「原材料調達方針の策定状況」「認証制度への言及状況」の視点で、2011年にWWFが実施した環境報告書発行状況に関する予備調査と比較しながら、具体的な企業名約260社をあげて一覧にまとめています。また、生物多様性方針に対する体系的な進め方については、経営方針や環境目標への位置づけと実際の活動とのつながりが無く、生物多様性保全への取り組みが単発的・短期的なものが多いことも判明しました。

WWFは、世界の生物多様性を保全し自然環境の悪化を食い止めるためには、企業の事業活動に位置づけられた対策が必須と考えます。環境情報開示全般も含め、今後の取り組みの検討や企業評価の材料として、広く活用してもらえるよう、企業・金融機関に働きかけていきます。

報告書

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