【WWF声明】 石垣島・名蔵アンパル水系の大規模ゴルフリゾート事業に対し、SDGsやネイチャーポジティブに逆行する計画の見直しと、必要な保全策を要請


沖縄県石垣市に総面積127ヘクタール超の大規模ゴルフリゾートを建設する「石垣リゾート&コミュニティ計画」(以下「本件計画」)は、その建設用地にラムサール条約に登録された「名蔵アンパル」の水源地や国の特別天然記念物「カンムリワシ」の営巣地が含まれます。また、建設用地が連結する水域には固有の希少な魚類の生息や貴重なサンゴ礁が確認されているため、自然環境・生態系への深刻な影響が危惧されます。加えて、本件計画による河川水の利用制限・農道里道廃止・土砂流入による周辺農地への影響、水域汚染・水位低下による水産業への影響、建設用地内で発掘された遺跡の調査未了、景観の侵害、光害などによる、地域の重要な観光・文化・農業・水産資源が損なわれることが懸念されます。このような現行の本件計画は、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で掲げられた2030年までのネイチャーポジティブ実現という世界目標やSDGsに、まさに逆行するものです。

2025年5月、沖縄県が本件計画に関して開発許可・農地転用許可を出したことを受け、WWFと連名団体が、関連する公文書開示請求を行ない、審査資料を分析しました。その結果、新たに、事業者による水の調達計画の非現実性と地下水への影響調査の誤り、カンムリワシ生息地への具体的な対策の不在といった深刻な問題が明らかになりました。加えて、大量の地下水汲み上げによる周辺河川の水位低下や、農薬を含む排水による水質汚染・土砂流出といった懸念が、現実のものであることも確認されました。また、環境影響評価書が作成された時点では予定されていなかった、イシガキパイヌキバラヨシノボリなどの希少魚類が生息する保全上重要な河川での新たな道路工事や、名蔵アンパル・名蔵湾へ注ぐ排水設備の工事が計画されていたり、周辺農家による水の利用について利用者を排除した不十分な調査が行なわれた結果「影響なし」と判断されたりといった、重大な手続き上の問題も浮上しました。

WWFは、石垣市民・沖縄県民の団体、日本野鳥の会などの保全団体、JELF日本環境法律家連盟、日本魚類学会・軟体動物多様性学会など14団体と連名で、2026年3月下旬に開発事業者である株式会社ユニマットプレシャスに対して、要請書を提出しました。
本件計画を推進する事業者と石垣市に対し、市民や専門家からの要請に真摯に対応し、石垣島の貴重な自然と生物多様性に配慮して、計画を見直し、必要な保全策を講じることを求めます。

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