©Yosuke Amano / WWF Japan

モーリシャス沖の重油流出事故に関する声明


2020年7月26日(日本時間)にモーリシャス島南東部の沿岸で、株式会社商船三井が、OKIYO MARITIME社から傭船し、運航している貨物船WAKASHIOが座礁しました。座礁による船体の損傷により、8月6日に重油が流出しました。WWFは本事故での環境への影響が甚大になる恐れがあると懸念し、8月12日に声明を発表しました。

WWFジャパンでは急ぎWWFマダガスカルを通じて、複数の現地NGOと連絡を取りながら、状況の把握を急いでおります。進展があり次第ウェブサイト、SNSなどでご案内をしていく予定です。

声明

モーリシャス沖で発生した、大変衝撃的で回避可能だった重油流出事故は、この地域の重要な沿岸生態系と、生活のためにこれらの資源に依存しているコミュニティとビジネスに、瞬時にそして長期的に影響を与えることになるでしょう。

WWFは、日本の貨物船WAKASHIO(わかしお)の座礁によりモーリシャスの沿岸で発生した甚大な重油事故の影響を深く憂慮しています。この衝撃的で回避可能な事故は、この重要な沿岸生態系と、生活のためにこれらの資源に依存しているコミュニティやビジネスに、瞬時かつ長期的な影響を及ぼすことになるでしょう。

重油流出は、マエブール湾のアイグレット諸島の沿岸地域(自然保護区、27ヘクタール)と、2008年にラムサール湿地として指定されたサンゴ礁が広がる豊かな多様性で知られるブルーベイマリンパークまでに被害を及ぼしています。この地域は、サンゴ礁、マングローブ、海草、礁湖、河口域、ポワントデスニーの南東に位置する海岸など様々な生き物の生息地です。

WWFは、モーリシャスの人々が流出した重油の回収作業や、被害を受けた生態系と生活への影響を回復するために尽力している人々への支援を表明します。健全な海洋および沿岸生態系と人間の幸福には重要な関わりがあります。また、将来のこのような事故を防ぐために、効果的で統合的な海洋管理および、災害対応を確実にするための地域戦略の必要性も強調しています。

今回の事故は、 2009年8月のマダガスカル南部におけるリン酸塩の流出、および 2008年にマダガスカル北西部で起こった多数のイルカの座礁 をまねいたエクソンモービルによる水中地震探査に続く、南西インド洋(SWIO)地域で連続的に発生している最近の海難事故の1つです 。

2017年に発表されたWWFの報告書「Reviving the Western Indian Ocean(西部インド洋経済の回復)」によると、モーリシャスのブルーエコノミー(海洋経済)の潜在的なGDP値は1年間で1,260万ドル。「主要な資産」(漁業、マングローブ、サンゴ礁、海草)と「隣接する資産」(生産性の高い海岸線と炭素吸収)の両方を含むWIO地域の基盤となる総海洋資産は、少なくとも3,338億米ドルです。これらの経済的資産と文化的および自然遺産は、鉱業、およびSWIO地域全体の石油とガスの採掘による脅威にさらされています。モーリシャス政府は、1992年の「油による汚染損害の補償のための国際基金(FC)」に基づく補償を受けられます。また1990年の「油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約(OPRC)」、および2001年の「燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約(バンカー条約)」も、適用されます。

WWFマダガスカル代表、ラティスファンドリハマナナ(Ratsifandrihamanana)氏は次のように述べています。この重油流出は、モーリシャスの南東海岸のサンゴ礁、魚、その他の沿岸および海洋生物を含む、重要な生態系資源に対する深刻な脅威です。沿岸および海洋生態系の環境への負の影響に加え、この重油の流出によって、2,300人もの漁業者および、モーリシャスのGDPの1.5%を占める水産業へも影響を与える可能性があります。WWFは、持続可能な開発の実現の一助となる、ブルーエコノミー戦略と施策を強化するため、地域協力を呼びかけていきます。

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