生物多様性条約のジョグラフ事務局長と面談


2010年10月に名古屋で開かれる「生物多様性条約」の第10回締約国会議(COP10)を前に、条約事務局長を務める、アーメッド・ジョグラフ氏が来日。WWFジャパンをはじめ、環境保全に取り組む団体の代表との懇談会が開かれました。各団体では、行なっている取り組みについて、ジョグラフ事務局長に説明し、COP10に向けた期待を伝えました。

COP10に向けた期待

この懇談会は2010年8月29日、日本航空が会場を提供くださったホテル日航東京で開かれました。WWFジャパンからは徳川恒孝会長が出席し、日本自然保護協会の田畑貞寿理事長、日本野鳥の会の鈴木君子専務理事と共に、ジョグラフ事務局長との懇談に望みました。

各団体からは、現在それぞれが取り組んでいる活動や、課題と考えている点、さらにCOP10が生物多様性の保全活動において、大きな機会になると期待している旨をジョグラフ事務局長に伝え、事務局長からも、「市民団体のハイレベルの代表との会合ができたことを、嬉しく思います」とコメントがありました。

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また、WWFジャパンの徳川会長は特に、「環境問題は、日本ではCO2問題が経済活動と強い関係があるために注目されているが、残念ながら、生物多様性や生物多様性条約への認識は大きくありません。今回の会議が日本で開催されることはこの傾向を是正される絶好の機会であり、会議の成功を祈っています」と述べ、NGOとしての貢献と、その役割の認識向上にも努めたいという希望を伝えました。

多角的な人々の参加が成功のカギ

これに対し、ジョグラフ事務局長は、「CO2問題が重要視されるのは日本だけでなく、世界共通の問題。気候変動と生物多様性問題は車の両輪であり、どちらが重要というものではありませんから、その意味でも今回のCOP10は極めて重要な会議になります」と述べられ、市民団体をはじめ、先住民団体や地域共同体の代表の参加など、さまざまな立場の人たちの参加が、地球の生物多様性の保全を考える上では重要であることを強調されました。

条約事務局ではこのために、先住民参加のための特別基金を設けており、名古屋でのCOP10にも数十名の先住民族グループの代表をお招きする予定であるとのことです。

また、ジョグラフ事務局長は、日本のNGOがCOP10に向けて多くのことを実現したことについても評価されました。

その取り組みの一つとして設立された、日本の「生物多様性条約市民ネットワーク(CBD市民ネット)」は、今までに前例のない世界初の取組みです。前回のCOP9の際に、ドイツでも同様のネットワークが作られましたが、会議終了後は解散してしまいました。
しかし、CBD市民ネットは、タイトルから読み取れるように今回限りの活動ではなく、継続的な活動が期待されます。

さらに、むこう10年、生物多様性の保全を約束する「国連生物多様性の10年」決議について、当初は慎重な態度を見せていた日本政府を、環境NGOが説得して、COP10での議題提案にまでこぎつけたことを評価し、「こうした団体が日本の国会議員とも密接にかかわりながら活動している、政府とNGOのパートナーシップができていることも評価したい」と述べられました。

こうした取り組みの成果は、いずれも10月のCOP10の会議の結果で、問われることになるでしょう。
名古屋での会議は、2010年10月11日から29日まで、開催される予定です。
 

 

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