グリーン電力


WWFは、再生可能エネルギーの導入に貢献しうるものとして、グリーン電力普及に関する取組みも行なっています。このウェブサイトでも、グリーン電力に関する情報を紹介しています。

市民が選べる再生可能エネルギー

現在私たちが普段使っている電気は、原子力・石油・石炭・天然ガス・水力など様々なエネルギーから発電されています。これらの従来のエネルギーに代わり最近注目されているエネルギーとして風力、太陽光、バイオマス、小型水力、地熱などの再生可能エネルギーがあり、化石燃料や原子力のようにCO2、SOx、放射性廃棄物などを排出せず、環境に良い点が評価されています。

日本においては現在、電力のエネルギー源を選べる仕組みは少ないですが、アメリカ・ヨーロッパでは再生可能エネルギーから発電された電力を消費者が選んで購入できる仕組みが広まっており、この仕組みは「グリーン電力」制度と呼ばれています。

(C)WWF / KLEIN & HUBERT

例えば、アメリカ、サクラメントのSMUDという電力会社では Greenergy 100% Option という電力商品を販売しており、バイオマス・廃棄物発電、風力などを中心に 100 %再生可能エネルギーからの電力を消費者は購入できます。この他にも再生可能エネルギーからの電力を 50 %などの割合で含むもの、市民が共同で発電所を建設するものなど様々な形のグリーン電力が販売されています。

このように「グリーン電力」は、市民、企業、行政が自ら環境に良い電力を選んで購入することで地域や国、地球全体の環境に貢献できる制度です。ここでは「グリーン電力」が広く普及しているヨーロッパ・アメリカの現在の状況、さらに最近の日本の取組みについて報告していきます。

関連用語

再生可能電力とは

風力、太陽光、バイオマス、小型水力、地熱などの再生可能エネルギーから発電された電力を再生可能電力という。

従来の石油、石炭、ガスなどの化石燃料は温室効果ガスを排出すること、大気汚染の原因となる SOxを排出するなどの問題を持っている。また原子力発電は原料となるウランの供給が限られていることや毒性が何万年と続く放射性廃棄物を作り出すという問題がある。

一方で再生可能エネルギーは、自然のサイクルを利用している。水力、太陽光、風力は二酸化炭素を排出しなく、バイオマス発電による二酸化炭素の排出は植物の二酸化炭素吸収量と同量である。また、地熱と潮力も発電に使われている。大規模水力発電は、ダム建設に伴い環境破壊および生物多様性に大きな影響を与えるので、河川を利用したものなどダムを伴わない小規模水力発電が再生可能エネルギーであると言われる場合が多い。

コジェネレーションや廃棄物発電は従来の化石燃料からの発電と比較し環境に貢献するものである。コジェネレーションは、発電を行う際に発生した熱を給湯地域冷暖房や工業生産に利用するものである。このため、 20~30%従来の発電方法と比較し熱効率がよく、二酸化炭素排出を減少させることができる。

「再生可能エネルギー」の定義は、国、地域、場合などによって違い、大規模水力、コジェネレーション、廃棄物発電などを再生可能エネルギーとしない場合がある。

海外、特に欧米において、再生可能エネルギーからの発電を増やすための制度の一つとして「グリーン電力」という制度がある。

グリーン電力とは

日本において通常消費者は電力を電力会社から購入している。この電力は、火力、原子力、水力など様々なエネルギーによって発電された電力が混ざっている。

一方でグリーン電力とは、風力、太陽光、小規模水力などの再生可能エネルギーを中心として従来の火力、原子力、水力などの電力を組み合わせて電力会社が販売する電力のことである。例えば SMUDというアメリカの電力供給会社はGreenergy 100% OptionとGreenergy 50% option という電力商品を用意し、100% optionではバイオマス、廃棄物、風力などの100%再生可能エネルギーからの電力、50%optionでは50%を再生可能エネルギー、残りを石炭、大型水力、原子力など従来のエネルギーからの電力を用意している。消費者は通常の電力や、これらグリーン電力の選択肢の中から自分の電力を選んで購入することができる。

グリーン電力と電力の自由化には大きな関係があり、自由化が進んでいる国や州では今利用している電力供給会社だけでなく、他の電力供給会社からも電力を購入することができる。このような国・州においては顧客が離れないためにグリーン電力商品を用意している電力供給会社が多い。

消費者はそれらのグリーン電力を、「環境に良い」「住んでいる地域の大気汚染を減らす」などの理由から選んで購入することができる。グリーン電力は通常の電力と比べて割高なため、消費者は「環境に良い」部分に対して余分に料金を支払って購入する。

環境税を導入している国の中にはオランダのようにグリーン電力に対する環境税の免税が行なわれ、従来の電力に対して価格面で競争力を持っている国もある。

グリーン電力認証

発電所で発電された電力は、電力網を通じ電力供給会社 (配電会社)に送られる。電力供給会社は消費者にその電力を分配する。再生可能電力の場合、通常の電力より高いコストで発電され、そのコストを支払って電力を購入した電力供給会社が「再生可能電力を買った」会社となる。電力供給会社は再生可能電力を通常の電力と組み合わせ、グリーン電力として消費者に販売する。

しかし、ここで一つの問題が出てくる。消費者はグリーン電力を「環境に良い」という理由から購入するが、その電力が本当に環境に良いものであるかわかりずらい、ということである。例えば、電力会社が「 100%風力発電による電力」を販売しているとするが、その電力が100%風力発電によるものかを消費者が判断することは難しい。

そのために生まれたのがグリーン電力認証である。グリーン電力認証は再生可能電力発電所で発電された電力、供給会社が購入した再生可能電力、供給会社が消費者に販売したグリーン電力をそれぞれ監査し、それぞれの収支が合っているかどうか確かめる。さらに、支払われた料金が本当に再生可能エネルギー発電施設に使われるのかも確認する。消費者にとって電力の内容が分かりやすいよう表示を統一する認証もある。グリーン電力認証を NPOが行っている場合が多い。

グリーン電力証書

グリーン電力証書とは、再生可能エネルギーによる発電によって発生する環境的価値について発行される証書である。発電された電力は、通常の電力と同じように販売される。普通グリーン電力証書は基準の発電量に対して一枚発行される。証書は、環境的価値を高めたい企業、グリーン電力を販売する電力供給会社、再生可能電力による発電を義務付けられた発電事業者などによって取引される。また、この証書を購入することによって環境税の免税が行なわれる国もある。証書の種類によっては一般の消費者が購入することもできる。

電力網がつながっていない地域においても、この証書を購入することで再生可能電力を買ったとみなすことができる。

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