WWFスタッフの名前がついた島


自然保護室の前川です。
小笠原諸島や間宮海峡のように、人名が地名の由来になることがあります。

先日福岡市を訪問し、NPOふくおか湿地保全研究会の活動現場を、福岡市港湾局の職員の方と視察した時のこと。多々良川河口に「WWFスタッフの名前がついた島」があるという話を聞きました。その名も「スミス島」。

英語の名前ですから、日本のスタッフではありませんし、島といっても元々は川岸とつながっていた小さな中洲で、島と呼ぶには違和感も…

この多々良川、渡り鳥の渡来地として有名な和白干潟に近接する河川で、クロツラヘラサギやシギ・チドリが多数飛来します。湿地保全研究会はここで綿密な調査を行ない、福岡湾で渡り鳥の生息地を確保するための検討を重ねてきました。

その結果、湾内で進んでいた埋立事業が完了すると、水鳥の休息場所が不足することが判明したのです。

そこで県と協議の上、中洲のアシの一部を刈り取ったり、止まり木を設置したところ、目論見は見事に成功。多くの水鳥が利用し始めました。

そして河川改修のために土砂の一時保管場所となった州を、満潮時の鳥たちの休息場とするため、人が容易に近付けないよう、土砂の撤収の際に川岸から切り離し、「島」にしてもらいました。

これを湿地保全研究会に提案したのが、WWF香港でクロツラヘラサギ保全を担当するベナ・スミス氏。そうです、スミス島の由来となった人物です。

スミス氏と湿地保全研究会の出会いは2009年、福岡で開催されたクロツラヘラサギのワークショップでした。その後、継続的に情報交換を行ない、島ができるに至ったのです。

「スミス島」はまだ、ごく一部の人の間での呼び名に過ぎません。それでもこの島は今、渡り鳥たちの立派な休息場所になっているとのことです。

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多々良川河口の謎のスミス島。河口には小規模ながら干潟もあります

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クロツラヘラサギの休息場所となっているアシを刈り取った中洲

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WWF香港のBena Smith氏とふくおか湿地保全研究会の服部氏(2009年)

自然保護室 海洋水産グループ所属
前川 聡

ASC認証にかかわるプロジェクトを主に担当しています。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

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