[COP10関連] 予断を許さない「名古屋議定書」の採択


自然保護室の村田です。
先週末、意欲的とは言い難い大量の「カッコつき」で、名古屋議定書の文案を採択したABS作業部会は、今週COP10の開始とともに、項目(Article)をひとつずつ個別に検討し、カッコを外していく集中協議に入りました。

しかし進捗は遅々としたもので、しかもここへ来て、いったん合意し、外した「カッコ」が、また戻る、あるいはより厳しい要求が突きつけられるような応酬が始まり、発展途上国、先進国(特にEU) 双方に不満がたまり始めているようです。
「伝統的知識」に関する記述では、途上国側が使用に関する厳しい文言を戻すよう要求し、議論が紛糾しました。

法的な拘束が焦点となる「議定書」の採択は、より概念的でゆるやかな「条約」での決議に比べ、直接的な利害の衝突を浮き彫りにしてしまう分、合意はそれだけ困難なものになります。

しかし、国際社会に突きつけられた環境問題の現状は、待ったなし、です。
国連の数ある国際条約の下で、世界が合意を確かなものにしてゆかなければ、解決の道もそれだけ遠のいていく、といっても過言ではありません。

非公式作業部会の議長が今しがた、「対立点はいくつかあったが、さらに議論を重ねれば、合意できそう」と締めくくりました。
今夜8時からの作業部会で小グループの報告で揃うことが期待されます。

 

 

 

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