渡り鳥たちの楽園、ウトナイ湖へ


皆さんは、ウトナイ湖という湖をご存知でしょうか?

北海道は苫小牧市の東に広がる勇払原野にある湖で、ガン・カモ類やハクチョウといった渡り鳥たちの重要な飛来地です。

沿岸にはマコモやヒシなどの水生植物が分布し、周辺は広いヨシ原とハンノキやミズナラの林に囲まれています。

ここは、その水鳥の豊かさゆえに、1991年に湿地環境の保全条約である「ラムサール条約」にも登録された国際的な保護湿地。

湖面に群れるガンとカモの群。これまでに記録された鳥の種数は260種以上だそうです。

また、国境を越えた渡り鳥の保全ネットワーク「東アジア・オーストラリアフライウェイパートナーシップ」の参加湿地にもなっています。

先日、このウトナイ湖で日本野鳥の会が主催する自然観察講習会(レンジャー講習)に、個人的に参加してきました。

折しも、シベリアなど北の繁殖地で夏を過ごし、冬を日本や、さらに南の地で過ごすためやってくる渡り鳥たちのシーズン。

湖面ではたくさんのマガンやヒシクイ、オオハクチョウのほか、キンクロハジロ、オナガガモたちが羽を休め、空には翼を広げると2メートルにもなるオジロワシの姿も観られました。

エナガの亜種シマエナガ。日本では北海道でしか見られません。

毎年はるばる海を越えてくるこうした鳥たちを見ると、地球上の自然が大きな命のつながりで成り立っていることを、あらためて感じます。

しかし、そんなウトナイの鳥たちと自然も、過去には幾度か開発の危機に見舞われた歴史があったそうです。

保護区となった現在も、水位の低下などによる湿原の消失が進んでおり、それをくいとめる活動が行なわれているとのこと。

今も豊かにのこる自然の姿を前に、それらを守って来られた人々の懸命な努力に、頭が下がる思いでした。

同じく北海道だけにいるシマリスも見られました!

渡り鳥がつないでいる東アジアのこうした自然 を未来に引きついでいくことは、私たちWWFにとっても大きなテーマの一つです。

鳥たちがこれからもずっと旅を続けられるように。そんな願いを新たにしたウトナイ湖の一日でした。(企画調整室 谷野)

  • 今回の素晴らしい写真は、今回講習でご一緒させていただいた方のお一人にご提供いただきました。ありがとうございました。

湿地は水鳥をはじめとする多様な動植物の生息地であると同時に、健全な水の循環を担う「生態系サービスの基盤」でもあります。人もそこから多くの恵みを受けています。

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企画管理室 ITグループ長
谷野 要

ライフワークは、ITと自然保護を繋げる方法をあれこれ考えることです。

社会人になってからはIT畑一筋。WWFでは、技術書よりも動物図鑑をこよなく愛するIT担当者です。生き物好きの世界に入り込んだのは約40年前。昆虫写真家の海野和男さんの写真に興味をひかれたことがきっかけです。以来、昆虫好きにはじまって、魚・両生・爬虫・鳥・哺乳類と、いろいろな野生動物を観察してきました。趣味は、2000kmを旅するアサギマダラの飛来調査とムササビの観察会。

人と自然が調和して
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WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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