オオミズナギドリの島へ


佐久間です。8月14日から16日まで、新潟県の粟島に行ってきました。

この島には、オオミズナギドリの営巣地があり、今まさに繁殖の時期を迎えています。今回の訪島の目的は、その卵の殻を集めることです。

WWFでは現在、「東日本大震災・暮らしと自然の復興プロジェクト」を実施しています。
その中のひとつに、東京福島第一原子力発電所から海へ大量に流された放射性物質による海鳥への影響を調べるという「NRDAアジア」の活動の支援があります。

NRDAアジアでは、放射性物質が大量に流れた海域まで飛んで魚を食べている伊豆諸島のオオミズナギドリへの影響調査に取り組んでいます。今、検討している調査方法は、ヒナがふ化したあとの卵殻を集め、放射性物質のひとつであるストロンチウムの値を調べる、というもの。

今回、新潟の粟島へ行ったのは、福島原発から流れた放射性物質の影響を受けていない日本海側でも卵殻を採取し、伊豆諸島のものと比較できるようにするためです。

現在、粟島では、長岡技術科学大学の山本麻希先生と学生さんたちが、オオミズナギドリの調査に入っているので、そこにお邪魔して調査地に入れていただき、ヒナがふ化したあとの卵や、残念ながらふ化に失敗して死んでしまった卵を集めました。

新潟も猛暑で、陽をさえぎる物のない急斜面で卵の殻を探すのは、かなりハードでしたが、灰色でふかふかのヒナも見ることができ、感激でした。

また、突然に起きた事故の影響を調べるには、すぐに行動を起こさなければ間に合わないこと、それゆえに、手探りで計画を立てるしかなく、走りながら修正していかねばならないことを、身をもって学ぶ機会となりました。
次はいよいよ、伊豆諸島に向かいます。

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新潟沖にうかぶ粟島は、周囲23キロ。海の幸と自然に恵まれた島です

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カラスに食べられてしまったと思われる卵

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オオミズナギドリの巣穴。地面を掘って巣穴を作ります

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マーケティング室(会報担当)
佐久間 浩子

WWFではずっと「伝える」ことに携わってきました。今は会報を担当しています。

なにごとも決めつけてはいけない。知ったつもりになるな。複雑なものを、複雑なまま受け止める覚悟を持て。想像力を磨き、ヒトの尺度を超える努力をせよーー動物や植物に教えられたことを胸に、人と自然の問題に向き合い続けたいと思います。

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