ペルーのリマに到着しました


国連の気候変動会議(COP20)の開催地、ペルーの首都、リマに到着しました。

南米の太平洋岸を、3,000キロにわたり縁どる砂漠地帯に、スペイン人が築いたこの街は、850万人が暮らす大陸有数の大都市です。

年間を通じて雨がほとんど降らない乾燥した気候ですが、だからこそ、緑を求める気持ちが強いのでしょうか。市内は日本の都市よりも緑にあふれています。

車道より広く設けられた歩道に街路樹が立ち並び、短い間隔で木製のベンチが置かれ、子どもや高齢者でも安心して歩くことができます。

また車道には自転車専用道路が設けられ、多くの人が自転車での移動を楽しんでいます。

今日は日曜日とあって、街は散策や買い物など外出を楽しむ人で賑わっていました。

どこの国でも、地元の人で賑わっていれば、そこは人気のレストランです。

こうしたお店は、どこも満席。ウエイターたちが笑顔で店内を駆けめぐり、家族や友人たちとテーブルを囲む人たちの、はずんだ声がこだましていました。

都市の構造から食文化まで、どこの国にも長い歳月をかけて独自の生活様式を育んできました。気候はその基盤のひとつです。

しかし、気候変動は当たり前に存在してきたこの基盤、すなわち生物多様性に異変をもたらしています。

その異変を食い止め、海の生態系を保全すること。それは、リマの人たちがペルーで「一番おいしい」と誇る魚料理を未来に伝えていくことでもあります。

食べる料理こそ違っていても、料理を味わう楽しみは世界共通。レストランの賑わいを楽しみながら、ペルー自慢の郷土料理を味わえる至福の時間が、いつまでも続くようにと願わずにはいられませんでした。

世界の食卓とも深く結びついたCOP20はもうすぐ、開会式を迎えます。(温暖化担当:小西)

【関連情報】

新市街の歩道は車道より広く、公園のように整備されている

自転車専用レーンでサイクリングを楽しむ人々

水産王国ペルーを代表する魚料理、セビーチェ

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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