『サーキュラーエコノミー戦略ガイド』日本語版を発表 日本企業が循環型経済へ移行するための実践的な指針を紹介
2025/10/23

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)と一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(東京都渋谷区、代表理事:磯崎 功典、以下GCNJ) は本日2025年10月23日(木)に『サーキュラーエコノミー戦略ガイド~サーキュラーエコノミーにおいてインパクト志向の企業を目指すための段階的ガイド~』(日本語版、全108ページ)を発表しました。
本ガイドは、WWFドイツと国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ドイツが2024年12月に発表したガイド(注)の日本語版として、WWFジャパン、GCNJおよびGCNJ サーキュラーエコノミー(CE)分科会が共同で発行。日本向けの新たな内容も追加し、日本企業に向けたより実践的なガイドとなっています。
本ガイドは、日本企業が気候変動や生物多様性への配慮を踏まえたインパクト志向の循環型経済(サーキュラーエコノミー)へと移行するため戦略策定を支援するもので、WWFジャパンおよびGCNJは、日本企業が本ガイドを活用し、サーキュラーエコノミーへの理解と実践を加速させる一助になることを期待しています。
※ガイドのダウンロード以下より。
・単ページ版
※見開き版は準備中
背景
気候変動、生物多様性の危機、そして環境汚染は、私たちが生産と消費のあり方を見直し、変革していくべき明確な警告です。これまでの経済成長は、資源の大量投入・大量消費に支えられてきました。サーキュラーエコノミーは、この経済成長と資源消費の関係を切り離し、資源に頼らず、とも豊かさを実現できる新たな経済の仕組みです。サーキュラーエコノミー戦略の策定は企業にとって大きな戦略的メリットとなる一方で、包括的な循環性を目指すことは、企業にとって複雑なプロセスとなり得ます。そのため本ガイドは、企業を循環型に再編するために役立つ多様な手法、ツール、実践例を紹介しています。
『サーキュラーエコノミー戦略ガイド』のポイント
- 企業が環境、社会、経済へのインパクトを重視したサーキュラーエコノミー戦略を段階的に策定・実行するための実践的な枠組みを提示。
- 企業規模や業種を問わず活用可能な内容で、循環型ビジネスへの移行に役立つ実践的な情報、アプローチ、ツールを提供。
- 欧州企業のサーキュラーエコノミー事例に加え、日本企業の事例も掲載。
- 巻末には、サーキュラーエコノミーに関するドイツ、欧州および日本の法規制の概要と、その他の参考情報や支援プログラムの一覧を掲載。
- 自社の循環性に関する成熟度(サーキュラーエコノミーへの道のりをどの程度進んでいるか)に応じて、必要なアプローチやツールを柔軟に検討できる。

関係者のコメント

WWFジャパン 自然保護室 サーキュラーエコノミー・マネージャー 兼 プラスチック政策マネージャー 三沢行弘
これまでの「採って、作って、捨てる」というリニアエコノミー(線形経済)が、気候変動、生物多様性の損失、汚染という地球の三重危機の大きな要因であるだけでなく、サプライチェーン途絶や原材料の供給不足といった形で企業に影響を及ぼしています。そこで、新たな資源の採取を抑えつつ資源を経済活動の循環の中に留めていくサーキュラーエコノミーへの転換が、企業としても求められています。「サーキュラーエコノミー戦略ガイド」は、環境や社会に与える影響(インパクト)を重視したサーキュラーエコノミー戦略を策定するための実践的なガイドとして、日本企業にも役立つものです。

一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン 事務局長 矢部 英貴
国連グローバル・コンパクトは、人権、労働、環境、腐敗防止の4分野10原則の遵守に企業がコミットして参画する世界最大のサステナビリティ・イニシアチブです。「サーキュラーエコノミー戦略ガイド」日本語版作成に際し、単なる和訳でなく、日本企業にひびく内容にしたいと考え協力しました。CE分科会の幹事及び参加企業の皆様に協力頂き、5社の日本企業の取り組みをご紹介いたしております。WWFジャパンの専門知識とあわせて、より使いやすいガイドとなったのではないかと思います。

一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
サーキュラーエコノミー分科会 2025年度幹事 株式会社メンバーズ 数藤雅紀氏
世界的にCEへの移行が急がれる中、日本でもGCNJ CE分科会の活動が活発化しています。本書は、移行を戦略的に進めるドイツ発の手引書であると同時に、日本語版独自の試みとして、CE分科会参加企業の皆様による貴重な国内実践事例も多数掲載いたしました。事例をご提供くださった企業各位に心より感謝申し上げます。日本のCEはまさにこれからです。「競争」から「共創」へ。 私たちCE分科会も、日本の循環経済をリードすべく、今後も情報発信を続けてまいります。本テーマにご関心のある企業の皆様のご参加を心よりお待ちしております。