国際プラスチック条約 企業連合(日本) INC-5声明 -世界共通の法的拘束力のあるルールに基づきプラスチックのライフサイクル全体に取り組む条約を求める


政府の条約交渉担当者に声明を提出する国際プラスチック条約 企業連合

政府の条約交渉担当者に要望書を提出する国際プラスチック条約 企業連合(日本)

WWFジャパンが事務局を務める「国際プラスチック条約 企業連合(日本)」は、2024年11月20日、以下の要望書を、環境省、経済産業省、外務省の条約交渉担当者に提出しました。2024年11月25日より韓国・釜山で開催されるプラスチック汚染を根絶するための国際条約を話し合う最後の機会となるINC-5(第5回政府間交渉委員会)に際し、交渉で重要な役割を担う日本政府に対し、条約を、世界共通の法的拘束力のあるルールに基づきプラスチックのライフサイクル全体に取り組む野心的なものとして策定することに尽力するよう求めました。

国際プラスチック条約企業連合(日本)事務局 WWFジャパン 三沢行弘のコメント

問題あるプラスチックを含む大量生産、大量消費、大量廃棄が世界で深刻な危機を引き起こしています。何をどのように規制するのかを各国が自主的に決めていくような条約をつくっても解決にはつながりません。公正な競争をしていくための土台となる、世界共通の法的拘束力のあるルールに基づく条約に合意することを、日本を含む世界260以上の企業等の組織が望んでいます。日本政府には、こういった声を受け止め、野心的な条約作りをリードしていくことを期待します。


国際プラスチック条約 企業連合(日本) INC-5声明

私たち日本で活動し国際プラスチック条約企業連合のビジョン・ステートメントに賛同する企業は、法的拘束力のある国際ルールに基づいた野心的な国際プラスチック条約が、各国の規制の状況を統一・強化し、容器包装などの優先すべき分野で企業の解決策を促進する機会になると考えています。

国際ルールは、廃棄物管理への長期的な公共支出を減らし、バリューチェーン全体で雇用を創出するための投資を推進します。

これに対し、自主的な措置に基づいた条約は、今後の対策を数十年に渡り遅らせることになります。そして、企業にとっての法規制の状況を断片化させ、コスト上昇や複雑化をもたらします。

私たちは、自主的で断片的で具体性のない管理措置を各国それぞれに個別に導入することが、必要な変革を必要な規模で実行するために、大きな障壁となると考えています。そして、世界共通の規制に基づきプラスチックのライフサイクル全体に取り組む法的拘束力のある条約を望んでいます。

私たちは、プラスチック汚染を根絶するための国際条約を話し合う最後の機会となるINC-5(第5回政府間交渉委員会)の開催に際し、交渉で重要な役割を担う日本政府に対し、当初の条約において、少なくとも以下について規定することを要請します。

  • 問題のあり回避可能なプラスチック製品、懸念ある化学物質を規制または段階的に廃止し、製品設計を改善するための、明確な基準やリストのある、世界共通の法的拘束力のある管理措置
  • 拡大生産者責任(EPR)規制などの、政策手段に関する共通の定義と原則に基づく、回収、リユース、リサイクルの目標とシステムを導入・前進させる国レベルの義務
  • 労働者、企業、地域社会を含む関係者全員が公正に循環型経済へ移行するために、資金の流れを条約の目的と一致させ、官民の支援を動員することを含む条約の履行を支援するための包括的なパッケージ
  • 締約国会議(COP)での将来的な決定への情報提供に向け、容器包装や漁具などのプラスチック適用分野を手始めに、必要とされる追加的管理措置とその履行に関するガイダンスにつき、セクター別の作業プログラムを構築する決定。
  • 条約の運営主体が継続的に政策措置を強化していくための、報告、進捗状況の監視、条約の有効性の評価を定期的に実施するための確固としたメカニズム

国際プラスチック条約 企業連合 (日本)について

日本でプラスチックのサーキュラーエコノミーを進める10社が参画し、WWFジャパンを事務局として、2023年11月1日に発足。世界で260以上の企業、金融機関が参加する国際プラスチック条約企業連合(Business Coalition for a Global Plastics Treaty)の日本における活動グループとして、プラスチックをサーキュラーエコノミーへと移行させ、プラスチック汚染を根絶させることが可能な、野心的な国連条約を発足させることを求めています。2023年11月のINC-3開催、2024年4月のINC-4開催に際し、日本政府向け声明の発表、日本政府との対話を実施しており、企業の声を条約に反映させるために、今後も共に活動していきます。

国際プラスチック条約 企業連合(日本) 参画企業 (五十音順)

Uber Eats Japan 合同会社
株式会社エコリカ
キリンホールディングス株式会社
サラヤ株式会社
テラサイクルジャパン合同会社
日本コカ・コーラ株式会社
ネスレ日本株式会社
ユニ・チャーム株式会社
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス合同会社
株式会社ロッテ

事務局 公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWF ジャパン)

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP