リオ+20に向けた「石川宣言」


2011年12月17日と18日に石川県金沢市で開催された「国連生物多様性の10年 キックオフ・イベント」で、「リオ+20と生物多様性に関する石川宣言」が発表されました。「リオ+20」とは、1992年の「地球サミット」からちょうど20年目にあたる2012年に、ブラジルのリオ・デジャネイロで行なわれる予定の、国連持続可能開発会議のことです。宣言では、生物多様性の重要さと共に、日本がこの会議に参加するにあたり、特に重視すべき点を指摘しています。

「リオの精神」を再び

1992年に、ブラジルのリオ・デジャネイロで開催された「地球サミット」は、世界に環境破壊に対する警告と、保全の意識とを喚起し、「持続可能な社会」を新たな未来像として広く知らしめた、世界的な催しとなりました。

それから20年間、世界各地ではいくつもの、環境保全に対する取り組みと、「持続可能な社会」を目指した試みが、行なわれてきました。しかし、その結果は、必ずしも十分なものとはいえず、さまざまな課題が、より大きな形で今に残されています。

この地球サミットからちょうど20年にあたる2012年、再びリオ・デジャネイロで、サミット「リオ+20」が開かれます。

これは、2015年までに目標を達成することになっている、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の評価と、それ以後の取り組みを検討するもので、人類と地球環境の未来について考える、重要な国際会議です。

国際的にも、生物多様性の保全を見なおす機会となる、この「リオ+20」において、2010年の生物多様性条約会議(COP10)のホスト国であった日本は、何を提言し、行動するのか。今、その動きが注目されています。

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リオ+20に向けた「リオ+20と生物多様性に関する石川宣言」

この「リオ+20」に向けた日本での動きの一つとして、2011年12月17日と18日に、石川県金沢市では「国連生物多様性の10年キックオフ・イベント」が開催されました。

これは、2010年に名古屋市で開かれた生物多様性条約会議(COP10)で定められた「愛知目標」の実現を目指し行なわれたイベントです。

「愛知目標」は2011年から2020年までの10年間に、「陸域の17%、海域の10%を保護地域等により保全する」ことを含む、20あまりの目標の掲げたもので、式典には、生物多様性条約のアーメッド・ジョグラフ事務局長をはじめ、多くの国連関係者と横光克彦副環境相、谷本正憲石川知事らが参加。

生物多様性の価値をあらためて認識すると共に、それが急激に失われていること、またその事実を世界に広く伝え、保全してゆく行動を呼びかけることなど、さまざまなメッセージが発信されました。

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さらにこの場で、「リオ+20」に向けた「石川宣言」が発表されました。
この宣言は、日本が「リオ+20」に向けた取り組みを、より強めてゆけるよう国内のNGOメンバーや有識者が結成した「リオ+20 と生物多様性実行委員会」により提言されたものです。

宣言の要点は、以下通りです。

  • 日本はCOP10 の議長国として、生物多様性の保全が国際社会の大きな流れとなるように働きかけること。また、「愛知ターゲット」を達成するためのリーダーシップをとること
  • 東日本大震災ならびに福島第一原発事故という未曾有の災害を経験した日本として、人と自然、生命のつながりを重視し、生物多様性を基盤に置いた「グリーンエコノミー」によって、自然再生と人々の暮らしの復興を目指す決意を世界に発信していくこと
  • 生物多様性と気候変動(地球温暖化)には重大なつながりがある。リオ+20 を、この双方の課題を切り離すことなく、政治的な解決を目指す場としてゆくべきこと


また、宣言には、次のような、日本としての責任と役割を強く意識した一文も含まれました。

「自然との共生という精神性を歴史と文化の中で培ってきたわたしたち日本人は、生物多様性の価値を真に理解し尊重することによって環境と開発の両立する持続可能な社会の実現が可能であることを世界に示す責任がある」

宣言は同日、このイベントにおいて採択され、内外に発表されました。
「リオ+20」の成功と、新たな地球の生物多様性保全に向けた取り組みの前進とを願う、この「リオ+20と生物多様性に関する石川宣言」。2012年に向けた動きは、日本国内でも徐々に高まりつつあります。

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