環境および社会的セーフガード・フレームワーク(ESSF : Environmental and Social Safeguards Framework)について


WWFは自然保護プロジェクトを展開する地域で、地域コミュニティや先住民の権利を尊重すること、貧困対策を講じること、ジェンダーへ配慮することなどを重視して取り組んでいます。WWFでは、これを世界で統一した手法と手続きで実施するための方針を定め、「環境および社会的セーフガード・フレームワーク(Environmental and Social Safeguards Framework)」、略称として「ESSF」と呼んでいます。WWFはこうした観点をかねて大切にしており、これまで、1996年に「先住民と自然保護に関するWWF原則」を国際環境NGOとして初めて正式に策定したのを皮切りに、2009年には「貧困と自然保護に関するWWF方針」を、2011年には「ジェンダーに関するWWF方針」を定めました。2019年から改訂作業が進められ、同年6月に最新版「ESSF」として、導入しました。人権を保護し、透明性を確保し、差別を許さず、住民参加型となり、また説明責任を果たせるよう、望ましいガバナンスのあり方を定めています。その結果、よりよい自然保護の成果がもたらされると同時に、先住民コミュニティの福祉も高めることができるように設計されています。

「ESSF」を適用することで、フィールド型の自然保護プロジェクトが抱えるリスクとその影響を分析するスクリーニング調査が実施され、プロジェクトが環境および社会的な観点で妥当かどうかをみるための審査がなされます。もし問題が起きたときに影響の広がりを食い止める緩和計画を立てたり、プロジェクトを中断もしくは終了させたりするための要件を定めています。さらには、人権やその他の問題に関する申し立てや通報に、効果的に対処する通報制度の強化に着手しています。

なお、ESSFについてのより詳細な説明を下記ウェブサイト上で公開しています(英文)のでご参照ください。
WWF's Environmental and Social Safeguards Framework | Pages | WWF

ESSFでは、地域コミュニティ、先住民や女性、子どもといった立場の人たちに対して自然保護活動が十分に配慮し、その権利の擁護に力を尽くしているかを点検します。たとえば、居住地域からの人々の不本意な立ち退きやアクセスの制限(立ち入り禁止)といったことが起きていないかを点検します。地域コミュニティの健康や安全、安心といったことにも関心を向け、現地で紛争が起きていないかにも注意を払います。また、自然保護活動が外来種の導入につながったり、生物多様性を逆に損なったりしないかといった、自然環境への影響の有無や程度についても点検するものとなっています。

WWFジャパンが世界各地で支援する景観(大規模な生態系)は、海外9か国と日本です。国名とエリアは次の通りです(順不同)。ロシア(極東ロシア)、インドネシア(テッソ・ニロ、西カリマンタン、東カリマンタン、ブギ・バリサン・セラタン、ジャワ・シースケープ、スラウェシ・シースケープ、スマトラ・シースケープ)、マレーシア(サワラク・サバ)、タイ(ダウナ・テナセリウム・ランドスケープ、EOF)、ミャンマー(ダウナ・テナセリウム・ランドスケープ)、チリ(サザンコーン、パタゴニア)、ペルー(サザンコーン)、クロアチア(アドリア海・クロアチア水域)、中国(黄海)、日本(南西諸島、九州水田地帯、南三陸・志津川湾)。2020年11月現在、海外・国内ともに、すでにリスク調査・評価に着手し進めております。国内に関しては、従来からWWFジャパンの職員が十分に注意を払い、地域の関係者のみなさまと丁寧な協議を心掛けながら活動をしてきておりますが、WWFネットワーク全体で推進しております「ESSF」を適用の上、国内でのリスク評価を適切に実施し、WWFインターナショナルの助言を得ながら着実に対応を進めています。また、上記進捗状況に関しましては、順次WWFジャパンのウェブサイトにて公開してまいります。


WWFジャパン

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