岩合光昭写真展「Wisdom of the Wild」ギャラリートーク開催報告

この記事のポイント
2018年12月、東京および大阪のオリンパスギャラリーで、動物写真家・岩合光昭さんの写真展「Wisdom of the Wild/時の鼓動。生命の躍動。」にあわせてギャラリートークとサイン会が行なわれました。一般の方々やWWFジャパン会員の皆さまを迎えて開催されたイベントの様子をお伝えします。

岩合さんの愛するパンタナールを舞台に

2019オリンパスWWFカレンダーの完成を記念して、岩合光昭写真展「Wisdom of the Wild/時の鼓動。生命の躍動。」が開催されました。このカレンダーはオリンパス株式会社から毎年WWFジャパンに寄贈され、WWFの通信販売「パンダショップ」が販売しているもので、利益は全てWWFの活動に活かされています。このご支援は、今回で実に34年目を迎えます。

この写真展の開催に合わせて、東京および大阪のオリンパスギャラリーでは岩合光昭さんのギャラリートークが行われ、双方の会場にWWFジャパン会員の方もご招待いただきました。

34年目で初めての試み

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オリンパス/ WWFカレンダー34年の歴史の中で、2年同じ場所をテーマにしたカレンダーを作成したのは今回が初めての試みでした。岩合さんの強いご希望で実現した2年連続のパンタナール。今回のトークショーは、この南米の大湿原に対する岩合さんの深い思いが伝わる内容となりました。

ある日ジャガーを探して川を下る途中で、水面に浮かぶカイマンの死体を見つけたという岩合さん。この生命はどこで生まれ育ち、そして死んでいったのかと考え、この大湿原を育む水の源を見たいと感じ、上流を旅したとのこと。たどり着いた先で岩合さんが目にしたのは、冷たく澄んだ、まさに命の源流でした。この水が、広大なパンタナールで暮らす様々な動物たちを育てているのだと強く感じたそうです。

川面から勢いよく跳ね上がる淡水魚ピラプタンガの迫力の写真は、今回の写真展およびカレンダーのアイキャッチ的な存在ともいえる非常に印象的な作品です。岩合さんは川の流れに入り、その透明度の高い澄んだ水に半分カメラを沈めて魚をひたすら待ったとのこと。力強く水面を蹴って宙に浮く魚の姿は、まるで合成写真のようだと思われるかもしれないが、合成はしていませんよ、と岩合さんは冗談を飛ばします。

また、まるでネコのようにゴロゴロとお腹をみせてくつろぐジャガーの写真について。本来ジャガーはあまりこういう仕草を見せないのだが、僕の前では何故かネコのような振る舞いをする動物が居ると笑いつつ、その個体とどのように出会い、周囲がどんな状況で撮影されたのかなど、撮影当時の臨場感あふれる様子をユーモアを交えつつ披露されました。

丁寧に解説される岩合さん

お話しに熱がこもります

「面白い写真」は狙っても撮れない

ジャガーとカピバラが同時に収められた写真を前に、岩合さんは、ジャガーとカピバラどちらも応援したいような、複雑な気持ちで動物たちの動きを見つめていたと語りました。そして、写真はその動物が何かしている様子が面白いからとシャッターを切っても面白い写真にはならないと思う、とも付け加えました。曰く、撮影者がその動物についてどう思って、感じて、そして愛しているかまで考えながらシャッターを切ることが大切だとのこと。さもないと、素の動物の姿が伝わる作品にはならないのだそうです。

鳥を撮っている時は鳥になりたいと思う。ネコを撮っている時はネコになれたらなと思う。いつも被写体の気持ちを察しながら、自分もその生き物になりたいという気持ちで撮るのが岩合さん流だとのこと。そうすると、だんだん動物にとって居心地がよさそうな場所も分かってくるのだそうです。

その「居心地の良さ」とはすなわち自然環境であり、動物と動物との繋がりあい、いわゆる生態系ではないかと岩合さんは話を進めます。その動物の気持ちに寄り添えば寄り添うほど、もし、ここで何かのピースが欠け始めると、この生態系はガラガラと一気に崩れてしまい、動物たちもいなくなってしまうのではと感じる瞬間があるのだとか。

パンタナールは自然保護区とは違い、昔も今も変わらず、現地の人たちが普通に生活をしている場所でもあります。かつて、周辺の牧場では家畜を襲う害獣とみなされ、ジャガーが狩られることもよくあったそうですが、ジャガーを求めて観光客が増加するにつれ、現地の人々もジャガーを殺すことは減りました。そんな場所でも、何かのバランスが崩れてしまえば、あっという間に動物がいなくなってしまうかもしれない。岩合さんはそう語ります。

動物に長年愛情を注いできた写真家・岩合光昭さんならではの野生動物、そしてかけがえのない自然への想いには深い実感がこもっており、説得力がありました。会場にお越しになったファンの方々も、岩合さんの視点を通じて、遠い南米・パンタナールの自然や動物たちにきっと思いを馳せられたことでしょう。

長年、この企画を通じてWWFの活動にご協力いただいているオリンパス株式会社と岩合光昭さん、そしてカレンダーをお買い上げいただいている皆さまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。(広報担当 辻紀美代)

トークショー後に行われたサイン会では、お一人お一人に丁寧にご対応されていました。

冒頭にはWWFジャパンからもご挨拶させていただきました

イベント情報:2019年オリンパス/WWF カレンダー「Wisdom of the Wild/時の鼓動。生命の躍動。」ギャラリートーク

主催:オリンパス株式会社

日時 2018年12月9日
場所 オリンパスギャラリー東京
参加人数 約60名
日時 2018年12月22日
場所 オリンパスギャラリー大阪
参加人数 約140名

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