猫の日に寄せて 世界一「野生のネコ」がくらす島の森で


今日は「にゃんにゃんにゃん」と2が続く、猫の日。

ネコは身近でかわいい人気の動物ですが、自然界にもネコ科の野生動物はたくさんいます。

ライオンやチーターなどその数、実に38種!

中でも、東南アジアのスマトラ島とボルネオ島には、世界で最も多くの種類の野生のネコがおり、2島を合わせて7種が生息しています。

世界で一番小さなトラの亜種、スマトラトラ。推定個体数は400頭~500頭。生息地の森林の減少は、日本の消費とも確かにつながっています。

バクやシカまで獲物とするトラから、主に樹上で暮らし鳥などを襲うウンピョウ、水辺でカニやカエルも食べるマレーヤマネコ、ネズミを主食とするベンガルヤマネコまで、大きさや生態はさまざま。

その獲物の多様さと豊富さは、すみかの熱帯林が、命にあふれたすばらしい自然であることの証なのです。

しかしこの島々では今、世界で最も早いスピードで森が切り拓かれています。

熱帯林を切り開いて造られたアブラヤシ農園。一種類の木ばかりを植えた、多様性の乏しい森では野生ネコは暮らせません。

原因は、紙の生産に適したアカシアやユーカリばかりの植林地と、「パーム油」を採るためのアブラヤシ農園に、熱帯林が急速かつ無秩序に造り変えられていること。

とはいえ、紙もパーム油も、人の暮らしに深くかかわる産品ですから、ただ開発に反対するだけでは問題は解決できません。

必要なのは、森を守りながらそれを生産する「持続可能」な手段を実現してゆくことです。

持続可能な方法で生産された製品であることを示すFSC®とRSPOのエコラベル。FSCは紙や木材に。RSPOはパーム油を含む製品につけられます。

スマトラで作られたコピー用紙は日本にも輸入されていますし、パーム油も「植物油」「ショートニング」といった原料表記で、多くの食品に使用され、スーパーやコンビニなどでも売られています。

声をあげ、日本でもこれらの産品を持続可能なものに変えていくことは、今の私たちにできる大切な取り組みなのです。

日常の身近な品々と、海の向こうの野生ネコたちの森のつながりに、ぜひご関心を持っていただき、活動を応援していただければと思います。(自然保護室 伊藤)

FSCやRSPOのラベルがついた製品。日本でも販売されています。もしお店で見つからないときは、お店やメーカーに販売を頼んでみてください。これも大切なアクションです。

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自然保護室 森林グループ所属
伊藤 小百合

消費者向けのアウトリーチと、フィールドでの活動を発信するコミュニケーションを担当。

ツンドラでの植生調査、在来種の苗木屋さん、科学館職員を経て、このお仕事に就きました。新しく知るだけでは、変えられない世界があるから、誰もができるアクションをおみやげにできるようなコミュニケーションが目標です。

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