南米チリ「命の海」プロジェクトの報告会を実施しました!


ペンギンやウなどの多くの海鳥、アシカやクジラをはじめとした海の生きものたちが数多く息づく、南米チリの「命の海」。日本からも支援金を募って行なわれた、この海の保全プロジェクトの報告会を、2017年4月23日、東京で実施しました。皆さまのご支援がどう活かされどのような成果を生んだのか、持続可能な養殖水産物の証である「ASC」認証を受けたチリ産サケのランチをお楽しみいただきながら、WWFスタッフからお伝えいたしました。

南米チリの「命の海」を守る

フィヨルドの入り組んだ大地と、南から流れるペルー海流の恵みがはぐくむ、南米チリの海。 ここは世界でも指折りの豊かな漁場であるとともに、マゼランペンギン、フンボルトペンギンの2種のペンギンをはじめ、アシカ、シロナガスクジラなどの野生動物が数多く息づく「命の海」です。

しかし、近年は過密なサケ養殖が、薬剤や養殖魚の糞などによる水質汚染を引き起こし、また漁業に害を及ぼすアシカなどの野生動物が違法に捕殺されるなど、海の自然が深刻な悪影響を受けています。

WWFチリではこの状況を改善すべく、野生生物の調査や保護施策の提言を実施。 また、地域の養殖業を自然に配慮した持続可能なものに改善するため、国際的なエコラベルである「ASC」認証の取得を進めるなど、さまざまな保全活動を行なっています。

関連情報

魚網に誤って絡まったマゼランペンギン

こうした取り組みは、日本とも無関係ではありません。
日本は、このチリの海で生産される養殖サケを最も多く輸入し、消費している国だからです。

そこで2016年には、日本でもこの活動への支援を募る「命の海」キャンペーンを実施。

WWFジャパンのサポーターの皆さまより、2,433万円(3,815件)にのぼるあたたかいご支援をいただきました。
今回、そのご支援により、大きく推進できた現地での取り組みと、その成果を、チリ産のASC認証サケを使ったランチを食べていただきつつ、WWFスタッフからご報告しました。

サーモンの養殖場

3つの活動成果と、奮闘するWWFチリのスタッフたち

この日、お話させていただいた、ご支援による活動成果は大きく3つあります。

【成果その1】調査活動の進展!

マゼランペンギンなどの海鳥と、シロナガスクジラの生態調査を実施

  • 野生生物の生息域とサケ養殖場の重なりが明確に!
  • 行政や養殖会社に、より説得力のあるデータに基づいた環境対策の改善を提言することが可能に
【成果その2】海洋保護区の増設!

この数年の取り組みで、新たに3つの海洋保護区を設置

  • 行政への提言と働きかけを通じて保護区の増設に成功!
  • 今後始まる運営に向け、地元のコミュニティの人たちの参加を視野に入れた保護区管理のための支援を開始
【成果その3】地域の漁業が改善!

ASC認証サケが、チリ全体の生産量の13%まで増加!(2016年)

  • 2015年と16年の2年間で43の養殖場が新たにASC認証を取得!
  • 自然に配慮した持続可能な漁業が地域に浸透し始めている

また報告会では、現場で奮闘し、成果をもたらしてくれているWWFチリの仲間たちも紹介しました。

その一人、マリア・エリッサは、陸路で片道3日かかる現場へ通いながら、地域コミュニティの人たちによる地元の海を守る活動の支援を担当しています。少ない活動資金で大きな成果をめざす強い気持ちと、やりくりの努力は、現場の信頼を得る大きな力にもなっています。

また、乳飲み子を抱えるお母さんのエマ・プロトネクは、サケの養殖業者との折衝を担当。沿岸各地に点在する養殖場を、文字通り息子を連れて回りながら活動し、そのバイタリティで海にやさしい養殖を広げる取り組みを続けています。

報告会ではWWFサポーターの皆さまのご支援が、こうしたチリのスタッフたちの働きによって確かな成果に結びついていることをお伝えいたしました。

WWFチリでASC認証の拡大を担当するエマ

チリ産ASC認証サケのランチを食べながら

今回ご参加くださった参加者の皆さまは、いずれも現地の自然破壊や野生生物、またASC認証の詳細などについて高い関心を持たれ、WWFジャパンのスタッフが、その場ではお答えできないほどのご質問をいただくことができました。

また、この報告会では、会場となった、大地を守るDining様のご協力により、ランチとしてASC認証を受けたチリ産サケの塩釜焼をご提供。

参加者の皆さま同士での交流とお食事を楽しんでいただきながら、普段何気なく食べているサケの背景にあるチリの海の問題についても考えていただく、そんなひと時になりました。

ご参加いただきました皆さま、またご協力をいただきました大地を守るDining様、本当にありがとうございました。

ご参加ありがとうございました!

ASC認証チリ産サケのプレート

スタッフからの報告

参加者のみなさま

メルマガご登録&SNSフォローをお願いいたします!

WWFジャパンは今後も、現場の自然の大切さと、取り組みの成果や課題を実感していただけるよう、工夫をこらしたご報告の機会を作っていきたいと考えておりますので、ご興味、ご関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご参加ください。

プロジェクトはまだまだこれからも続きます!

ご案内の情報は、下記のWWFのメールマガジンやSNSなどでお知らせいたしますので、ぜひ登録&フォローをお願いいたします!

開催情報

日時 2017年4月23日(日)
場所 大地を守るDining
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-4-1 丸の内永楽ビルディング(iiyo!!) B1)
参加者数 38名
主催 WWFジャパン

関連情報

この記事をシェアする

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

PAGE TOP