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WWFジャパン × ぬまがさワタリ 図解でわかるプラスチックごみ問題

WWFジャパンは2021年7月、人気イラストレーター・ぬまがさワタリさんとのコラボ企画「図解でわかるプラスチックごみ問題」を公開しました!ぜひお楽しみください。


2020年7月1日より、プラスチック製レジ袋の有料化が始まりました。あれから一年が経ち、お買い物にはエコバッグを持参するのが習慣となった方も多いことでしょう。

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店頭でのレジ袋辞退率は、有料義務化前の3割から7割にまで増えたとされており、着実に効果が出てきています。これは確かな前進ですが、プラスチックごみ問題を解決するためにするべきことはまだ山積みです。

「プラスチックごみ問題って、そもそもどういう事だったっけ?」
「WWFはいまどんな活動をしているの?」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。

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このたびWWFジャパンでは『ふしぎな昆虫大研究』『図解 なんかへんな生きもの』などの著作をお持ちで、Twitterフォロワー数約9万人の人気イラストレーター・ぬまがさワタリさんのご協力を得て、分かりやすくイラストで図解していただきました。この機会に、あらためて多くの方々にこの問題を考えていただければ幸いです。

ぬまがさワタリさん
プロフィール

不思議な生きものと素敵なカルチャーを愛するイラストレーター/作家。著作に『図解 なんかへんな生きもの』(光文社)、『ぬまがさワタリのゆかいないきもの(秘)図鑑』(西東社)、『絶滅どうぶつ図鑑 拝啓 人類さま ぼくたちぜつめつしました』(PARCO出版)、『超図解 ふしぎな昆虫大研究』(KADOKAWA)などがある。

Twitter  https://twitter.com/numagasa

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海に流れ着くプラスチックごみの量

© Shutterstock / cgdeaw / WWF

特にこのコロナ禍で、感染防止の為のプラスチック製医療用具などは必要不可欠と言えますが、使い捨ての容器包装プラスチックなどにより膨大な量のプラスチック廃棄物が発生しています。

世界の海に流入するプラスチックごみの総量は推定で年間800万トン以上。これは最低でもジェット機5万機分に相当します。プラスチックの生産量は過去50年で20倍に増大しました。特に多いのが、使い捨て用が中心の「容器包装用等」。この用途に使われるプラスチックは、世界のプラスチックの年間生産量の36%、プラスチックごみ発生量では47%を占めています。しかし、これまでにリサイクルされたのはプラスチックごみ全体のわずか9%にすぎません。

関連情報:海洋プラスチック問題について

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マイクロプラスチックの問題について

人は平均すると毎年100,000粒のプラスチックの小さなかけら(マイクロプラスチック)を摂取しています。重量にすると、最大の想定で1週間で5g(おおよそクレジットカード1枚分の重さに相当)、1カ月で21g、1年で250gとなります。人体への影響についてはまだわかっていませんが、安心してよいという訳でもありません。プラスチックは私たちの暮らしに欠かせない素材ですが、膨大な量が環境に流出しており、その使い方や廃棄の仕方については大幅な改善の余地があります。

関連情報:Your Plastic Diet

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海に流れ出た漁網などの漁具をあらわす「ゴーストギア」。世界の海には、毎年50万~100万トンにのぼるゴーストギアが流出し、さまざまな海洋生物を絡め捕え、その命を奪っています。

関連情報:ストップ!「ゴーストギア」~プラスチックごみから海を守ろう

WWFジャパンの活動について
WWFジャパンではプラスチック汚染の問題に関して主に以下の活動をしています。 
©WWFジャパン

1. 国際・国内の政策転換
・プラスチック汚染に包括的に対応するための国際協定の早期発足を政府に働きかけています
・プラスチックを削減した上で資源循環できるように、国内政策を改善する働きかけを行っています

2. ビジネスモデル転換
・企業が、プラスチック汚染を防ぐため方針策定や事業転換するための働きかけや支援をしています

更に、今後は沿岸地域における取組として、漁具を適正に回収しリサイクルするための活動を行う予定です。

関連情報:WWFジャパンの活動について

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WWFネットワークの活動について
WWFは、地域レベルでプラスチック汚染問題を解決してゆくための様々な活動を行っています。
© Jürgen Freund WWF

たとえば、東南アジアのメコン川流域。中国、ミャンマ―、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムと6カ国を流れる大河であると同時に、海に流れ着く過程で大量のプラスチックごみを運ぶ形にもなってしまっています。また、メコン川下流のメコンデルタ地域では大量発生する廃棄物に対し、処理能力が追い付いていないことから海にごみが流出していることも分かりました。そこでWWFでは、ベトナムのロンアン省でモデルプロジェクトを開始。ごみの処理施設の整備や住民の意識向上などのプロジェクトを進めています。

また、ベトナム最大の島であり、近年観光需要が急増しているフーコック島では、プラスチックごみを減らすための取り組みやサンゴ礁のクリーンアップ、リサイクルの促進などの活動を行っています。

「プラスチックスマートシティ」とは?

WWFインターナショナルは、増え続けるプラスチックごみ汚染を食い止めるため、国際連合人間居住計画(UNハビタット)と共同で、2018年に「Plastic Smart Cities」というイニシアチブを立ちあげました。このイニシアチブでは、主旨に賛同する都市や観光地と共に、まずは自然界へのプラスチックごみ流出を30%削減し、2030にはゼロにすることを目標として活動をしています。

参考情報:Plastic Smart Citiesについて(英語)

今後、特に重要なのは、使い捨てプラスチックを中心に大幅に減らしていくこと

日本では、ほとんどが使い捨てされる容器包装プラスチックごみが、年間900万トンのプラスチックごみ全体の約半分を占めています。その一人当たりの発生量では、日本は世界2位であり、今も大量の使い捨てプラスチックを使用し、廃棄し続けています。

政府は、使い捨てプラスチック全体につき2025年までの明確な削減目標を示した上で、レジ袋以外についても、早急に品目を特定して有料化や提供禁止を導入すべきです。

また企業は、プラスチックごみを含むごみ全体を確実に減らし、リユース・リサイクルできるような商品やサービスの提供に特化していく必要があります。

私たち生活者は、必要最低限のマイバッグやマイボトルをそろえ、日常的に携帯し繰り返し使用していくことで、使い捨てプラスチックごみを減らし、環境負荷を低減させるための効果的なアクションができます。
そして私たち自身が、普段できることからしっかりと取り組むことで、企業を変え、社会全体を変えることにつながっていきます。

関連情報:海洋プラスチック問題について:日本で取り組むべきこと:使い捨て用プラスチックを中心としたリデュース(削減)

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