第三者委員会報告について


2019年3月にWWFの自然保護活動において人権を侵害する行為があったとの一部報道を受け、元国連人権高等弁務官のナビ・ピレイ判事を議長とする独立調査を行う第三者委員会をWWFインターナショナルは設立し、調査を実施。この度、報告書が第三者委員会からWWFに公表されました。

それを受け、WWFは本日、「Embedding Human Rights into Nature Conservation: from Intent to Action(自然保護への人権の組み込み:意図から行動へ)」をWWFの声明として発表しました。WWFが活動している地域で、一部の政府レンジャーによる人権侵害が報告されたことをきっかけとし、今回の第三者委員会の報告を踏まえて、WWFは運営体制を見直しています。

第三者委員会では、人権保護を自然保護活動に組み込むよう勧告を出しており、WWFは勧告を全面的に受け入れます。

また、第三者委員会はWWFのスタッフが人権侵害に加担したり、奨励したり、助長したりしたという証拠はないと判断しました。さらに、人権侵害の報告がWWFへ通報されたとき、WWFのスタッフは対応し行動を起こしていることも確認しました。ただし、すべてのフィールド活動の現場で、地域コミュニティへのコミットメントを一貫して果たせているわけではないことが指摘されました。

WWFインターナショナル総裁のパヴァン・スクデフは「人権侵害は、どのような状況であっても決して容認されるものではなく、私たちの中核的な価値に反するものです。だからこそ我々は第三者委員会による独立した調査報告を依頼しました」と述べました。WWFインターナショナル事務局長のマルコ・ランベルティーニは「WWFは世界各地で地域コミュニティと協力して活動しており、コミュニティの声に耳を傾け、権利を保護し、私たちの活動に参加してもらうことに対し、責任があると認識しています。被害に遭われた方が苦しんでいることは、私たち全員にとって深い悲しみです。我々は第三者委員会の勧告を非常に真摯に受け止めており、コミュニティへのコミットメントを果たすためにすでに実施している行動に加えて、これらの勧告すべてに取り組むことを約束します」と続けました。

第三者委員会ではまた、政府が人権保護の責任を果たすよう、WWFがより明確に主張し、侵害行為があったとの指摘を受けている政府レンジャーを含めて、政府に働きかけることを求めています。WWFでは、すでに世界各地で活動する際には、統一したグローバルなアプローチへと変更していますが、これは第三者委員会の勧告に沿ったものとなっています。コミュニティが懸念を申し立てたり通報する方法を改善し、リスクの高い自然保護プロジェクトを集中的に審査し、承認を経る手続きへと変更しています。この審査により、人権へのコミットメントが果たせないと判断された場合は、該当プロジェクトへの支援を中止する用意ができています。

第三者委員会の各勧告に対してすでに対応を開始しております。以下「WWF Response(報告に対するWWFの声明)」と「Management Response(運営体制の改善)」で、改善策の着手状況の概要をまとめていますのでご覧ください。
■WWF Response(報告に対するWWFの説明)
■Management Response(運営体制の改善)

  • WWFが活動するすべての国で効果的な申し立て対応体制を確立し、コミュニティからの申し立てがし易くなり、その受理と経過の把握と対応ができるようにする。中央アフリカ共和国の人権センター(2016年に設立)は、第三者委員会がベストプラクティスと称賛したもので、複雑な環境下での申し立て対応メカニズムを統合したWWFのモデルの一つである。
  • 社会的・環境的セーフガードを強化する。これは地域コミュニティとの関係性を深め、リスクを特定して管理することを義務化する。これらは世界各国すべてのWWF理事会で承認され(2019年7月以降)、新たに設置された専門部署のグローバル・セーフガード部が中心となって実施されている。
  • WWFの影響力をより強固に人権保護に活用し、セーフガードが満たされない場合は、プロジェクトを中断または撤退する用意をしている。
  • WWFは、コミットメントとセーフガードに対する説明責任を果たし、WWFが活動する地域コミュニティに対立を解消する支援を提供する、独立したオンブズパーソン部を設立する準備を進めている。
  • 地域コミュニティと政府のレンジャー間の対立を減らすための追加的な措置を講じる。例えば、法執行に関わるWWFのプロジェクトでは人権保護についての研修を義務化、世界的な行動規範の策定を行いレンジャーの専門化を目指す国際的な連合であるユニバーサル・レンジャー・サポート・アライアンス(2020年)の設立支援を行っている。
  • リスクの高い自然保護プロジェクトはすべて、WWFの主要な自然保護専門家で構成される新たなハイレベルの「自然保護品質委員会」による審査と承認を義務付ける。
  • 世界中の7,500人のスタッフ全員にすでに新しいセーフガード制度について研修するなど、スタッフの能力を構築する。
  • セーフガードと人権に関するWWFのコミットメントを、関連する支援に関する契約条項として盛り込む。

今後の取り組みの進捗状況につきましては、ウェブサイトを通じてお知らせいたします。

(参考)
■環境および社会的セーフガード・フレームワーク(Environmental and Social Safeguards Framework)について

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