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WWFの活動

活動トピック

「サステナブル・シーフード・ウィーク2014」開催報告

2014年、「環境の日」の6月5日から、「世界海の日」の6月8日をはさんで6月15日まで、日本で初めての「サステナブル・シーフード・ウィーク」を、WWFジャパンとMSC(海洋管理協議会)日本事務所が共催で実施しました。これは、世界的に起きている水産資源の枯渇に気づき、水産資源の利用を持続可能なものへ転換することで、生命あふれる豊かな海を将来世代に引き継いでゆこう!というキャンペーンです。2014年は、日本をはじめ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、中国でも開催されました。

未来のために、今求められる「サステナブル・シーフード」

現在、水産資源の枯渇が世界的に懸念されており、FAO(国連農業食糧機関)によれば、世界で行われている漁業の、すでに3割の資源が「もはや獲りすぎ」な状態にあり、5割以上の資源が限界まで漁獲されている状態と言われています。つまり、余裕のある資源は2割だけということです。

このような問題を解決する手段のひとつが、MSC認証制度とASC認証制度です。

MSCに認証制度は、持続可能な漁業を認証し、ASC認証は、環境と社会への負荷を最小限にする、責任ある養殖業を認証する制度です。いずれも第三者の認証機関が厳格な基準に基づいて審査し、WWFが最も信頼できる水産物の認証制度として、普及を支援しています。

それぞれ、MSCラベル(海のエコラベル)、ASCラベルを認証製品に付けて販売することができ、消費者が一目見て「サステナブル・シーフード」を選ぶことができます。

それが、厳しい資源管理や養殖場運営に取り組んでいる生産者を支えることにつながります。水産資源や海洋環境を守る生産者が、漁業や養殖業を続けることができれば、私たち消費者も、いつまでも水産物を食べることができるのです。

魚や貝などの水産物は、獲り尽くしたりしなければ、いつまでもその恵みを受けることが出来ます。水産資源や自然を大切にする社会を私たちが選べば、将来に豊かな海を引き継ぎ、魚や貝をおいしく食べ続けることが出来るはずです。そんな考え方をする人たちが増えるために、「サステナブル・シーフード」を選択するという考え方を社会に広めていくことが大切です。

これから先もお魚を食べ続けることができるように、将来において持続的に水産資源を利用できるよう、資源を適切に管理し、海洋環境や生態系への影響を最小限にした方法で獲られた、あるいは養殖された水産物を選ぶことが、今求められています。

店頭に並ぶエコラベルの付いた水産物

MSCラベルの付いたカニカマ

MSCラベルの付いた紅サケ

2014年の「サステナブル・シーフード・ウィーク」

「サステナブル・シーフード・ウィーク」とは、世界的に水産資源の枯渇や、漁業や養殖業による海洋環境への影響が懸念されるなか、水産資源の利用を持続可能なものへ転換することで、生命あふれる豊かな海を将来世代に引き継ぐことができるということを、社会に発信するためのキャンペーンです。

シンガポール、マレーシア、インドネシア、中国でも各国のWWFによって同様のキャンペーンまたはイベントが開催されました。

日本では、主催者のWWFジャパンとMSC日本事務所が実行委員会を立ち上げてキャンペーンを運営。「将来に豊かな海を引き継ぐために、持続可能な水産資源の利用を普及しよう」という共通の目的のもと、水産物の生産者や加工・流通関連企業を中心とした、14の企業や団体の参加と協力を得て、「サステナブル・シーフード」の意義を発信しました。

「サステナブル・シーフード・ウィーク2014」の初日6月5日(木)、環境の日に合わせ、持続可能な水産物を選ぶことの意義を一般生活者に発信するイベントを実施しました

メディア向け説明会の様子


サステナブル・シーフード・ウィーク2014開催概要

実施期間 2014年6月5日(木)(環境の日)~6月15日(日)
主催 サステナブル・シーフード・ウィーク実行委員会(WWFジャパン、MSC日本事務所)
参加企業・団体 (賛同)イオンリテール株式会社、株式会社極洋、コンラッド東京、京都府漁業協同組合、日本レロイ株式会社、株式会社ニチレイフレッシュ、株式会社大地を守る会、マルキュー食品株式会社、イケア・ジャパン株式会社、日本水産株式会社(順不同) (協力)新江ノ島水族館、海遊館、一般社団法人Mozilla Japan、三菱商事株式会社(順不同)

キャンペーンロゴ
作者:藤井美絵(ふじいみえ)

作者からのコメント:

今回ロゴ製作のお話を頂いた時、まず感じたのは「サステナブル・シーフード」という言葉をどうしたら分かりやすく伝えられるだろうかということでした。

「サステナブル・シーフード」という言葉はききなれない言葉ですが、とても私達に身近な問題を提起しています。そしてほんの少しの行動で実行することも可能です。だからこそ皆さんにとってより身近で親しみやすいロゴにしたいと考え、食べることをイメージさせるスプーンとフォークをモチーフにしたお魚さんたちのキャラクターが誕生しました。

二匹は踊ったり歌ったり、楽しそうに泳いでくれます。その親しみやすさから「サステナブル・シーフード」のキャンペーンをより身近に感じていただければと思います。

主催者による活動

メディア向け説明会の開催

サステナブル・シーフード・ウィークの開始に先立つ5月29日、コンラッド東京(汐留)の協力を得て、同ホテルにて報道機関を対象とした説明会を開催しました。キャンペーンの趣旨説明のあと、WWFジャパン顧問で同親善大使でもあるさかなクンのトーク「漁業を取り巻く世界的な概況と私たちが取るべきアクション」をはじめ、主催者からMSC認証とASC認証の説明、認証を取得した生産者や調達販売する企業から具体的な取組の紹介がありました。また、WWFロシアによるカムチャッカ生態系の保全活動として、地元の漁業者と協力しながらMSC認証の取得を目指すことで、サケ漁業を持続可能なものへ改善する取組を紹介。持続可能な漁業の普及が生態系保全に寄与すること、消費者がそれを購入することが、漁業者たちの努力を支え、生態系の保全につながることを伝えました。

MSC認証およびASC認証の水産物を使ったフィンガーフードの試食も実施し、サステナブル・シーフードの選択が豊かな海を未来につなげるというメッセージを伝えました。当日は32社のメディア関係者が取材に訪れ、新聞、雑誌、テレビなどを通じて、キャンペーンの開催やサステナブル・シーフードの意義が企業の取組と共に紹介されました。

用意されたMSC認証およびASC認証の水産物

MSC認証およびASC認証の水産物を使った料理の試食

プログラム:(敬称略)

  • さかなクン「漁業を取り巻く世界的な概況と私たちが取るべきアクション」
  • MSC日本事務所 プログラムディレクター 石井幸造 「国内外におけるサステナブル・シーフードの拡がりについて」
  • WWFロシア カムチャッカ保全ディレクター セルゲイ ラファノフ 「カムチャッカ生態系と持続可能なサケ漁業」
  • 京都漁業協同組合 組織部指導課 濱中貴志 「MSC認証漁業者の取組:資源と環境に優しい底曳網漁業をめざして」
  • 株式会社極洋 総務部副参事 環境保全委員会事務局 秋山光弘 「加工・流通業者としての取組:極洋グループのMSC認証取得への取組」
  • 日本生活協同組合連合会 組織推進本部 環境事業推進部 杉山美樹 「小売流通の役割および取組内容について」
  • WWジャパン自然保護室 水産プロジェクトリーダー 山内愛子 「環境と社会に配慮した水産物の普及~ASC認証制度~」
  • レロイオーロラ社 代表取締役社長 レナータ ラーセン 「ASC認証生産者の取組について」
  • WWFジャパン自然保護室 前川聡 「サステナブル・シーフード・ウィーク実施概要説明」

試食の食材

<MSC認証>
アカガレイ(京都)、スケソウダラのたらこ(アラスカ)、ベニサケ(カムチャッカ)、カニ風味スティック(スケソウダラ(アラスカ)、ヘイク(米国、カナダ))

<ASC認証>
アトランティックサーモン(ノルウェー) 食材提供:(株)極洋、日本レロイ(株)、マルキュー食品(株)、京都府漁業協同組合 会場提供・メニュー開発:コンラッド東京

「グリーンルームフェスティバル」へのブース出展

5月24-25日、横浜赤レンガ倉庫で開催された、海をテーマにした「グリーンルームフェスティバル」にサステナブル・シーフードウィークのブースを出展し、キャンペーンロゴのキャラクター愛称を募集。同時に、海や音楽を愛する来場者に向け、サステナブル・シーフードの意義を伝えました。

キャンペーンロゴのキャラクター愛称を公募

海遊館をはじめとする賛同・協力企業に告知にご協力いただいたおかげで、キャンペーン期間中に、562通の応募がありました。その中から、さかなクンによる最終選考の結果、スプーンの尾ひれの「サスティーン」とフォーク尾ひれの「ナブルーン」に決定しました。

賛同・協力企業との連動による活動(敬称略)

ウィーク期間には、賛同・協力企業によって、サステナブル・シーフード・ウィークの告知やサステナブル・シーフードの意義を発信するさまざまな取組が行われました。 下記のイベントの開催のほか、公式フェイスブック、ポスター掲示、社内報、店舗や館内での関連資料配などを通じて、「サステナブル・シーフード・ウィーク」や「キャラクター愛称の公募」の告知、サステナブル・シーフードの意義の発信などが行なわれました。

スプーンの尾ひれの「サスティーン」とフォーク尾ひれの「ナブルーン」

ASCパンガシウス発売記念イベント

イオンリテール㈱は、6月5日の「環境の日」より、北海道から鹿児島までの総合スーパー「イオン」420店舗で、ASC認証パンガシウスの販売を日本で初めて開始しました。
同日葛西店で開催された発表会では、世界で流通しているパンガシウスの約9割を生産するベトナムから、WWFベトナムの養殖問題担当者は来日し、現地での取組について紹介しました。また「お魚を守るために僕たち、私たちにできること」をテーマとして、葛西小学校4年生を対象に、課外授業も実施されました。

また、ウィーク期間を含めた環境月間に、MSC認証製品やASC認証製品の販売プロモーションも行われました。

また、WWFのコラボによる保冷機能付きエコバッグの発売も開始され、サステナブル・シーフードの選択が海を守ることにつながるというメッセ―ジを買い物客に発信しました。

パンガシウス

WWFのコラボによる保冷機能付きエコバッグ

サステナブル・シーフード特別メニューの提供

コンラッド東京では、ウィーク期間中、ホテル内の中国料理「チャイナブルー」、オールデイダイニング「セリーズ」にて、MSC認証取得のホタテやエビ、サーモンを使った特別メニューが提供されました。メニューには、MSC認証制度の説明と共に、MSCロゴが表示され、来店したお客様に、持続可能な水産物(サステナブル・シーフード)の意義や背景が伝えられました。

セミナー「選ぶという海の守り方」開催

6月12日、三菱商事(株)のCSR活動を一般に発信する拠点である「MC FOREST」にて、農畜産物流通コンサルタント・農と食のジャーナリストの山本謙治氏、キャンペーンロゴザイナーの藤井美絵さんをお迎えし、WWF、MSCスタッフとで、サステナブル・シーフードについてトークショーを開催。34名の参加者に、世界の水産業の今と未来予測を紹介し、サステナブル・シーフードの選択の重要性について考えました。参加者からは、MSC認証に関する質問や、サステナブル・シーフード買い物ガイドへの提案がありました。
あわせて6月10日から15日までは、パネル展示とロゴキャラクター愛称の公募も行われました。

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