パヴァン・スクデフがWWFインターナショナル総裁就任


2018年1月1日、WWFインターナショナル総裁に、環境経済学者のパヴァン・スクデフが就任しました。前総裁のヨランダ・カカバッツェは退任にあたり、「スクデフ氏は、持続可能性に関する正当な理論的指導者です。その発言は、政策決定者のあいだでも非常に影響力があります。このような尊敬できる人物を次期総裁に迎えることができることになり、WWFとしては喜ばしく思っています」と述べています。

UNEPのグリーン経済プロジェクトを推進

パヴァン・スクデフは、2008年から2011年まで、UNEPのグリーン ・エコノミー ・イニシアティブの責任者を務めたことで知られています。

特に、同氏がとりまとめた著名な報告書 "Towards a Green Economy" は、2011年にUNEPから公表されました。

ここには、グリーン経済のあり方に関する提言が盛り込まれており、その分析力のために、世界的なインパクトを与えました。

経済のグリーン化は、経済成長を阻害せず、新たな成長のエンジンになり、ひいては貧困の削減にもつながることを示し、注目を集めました。

パヴァン・スクデフ(Pavan Sukhdev)

生物多様性の経済学的評価で実績

また、スクデフ氏は、TEEB(生態系と生物多様性の経済学)という、2007年のG8+5環境大臣会合で提唱されたUNEPのプロジェクトの研究リーダーを務めました。

TEEB は、"The Economics of Ecosystems & Biodiversity"の頭文字をとったものです。このプロジェクトは、生物多様性や生態系サービスの価値を経済学的に表現しようとするものでした。

それまでは価値が十分につかめていないために、生物多様性や生態系サービスへの保全措置や持続可能性についての検討が不十分なまま、利用されてきました。TEEBは、その経済的価値を可視化し、把握可能なものにしたのです。

これ以降、保全活動の意義と持続可能な利用についての理解が進み、各国で森林や海洋などが持つ自然資本の価値を、公共政策や経済活動に組み込もうとする環境会計の動きが活発になりました。

こうした研究活動により、同氏はGothenburg Award for Sustainable Development(2013年)やブループラネット賞(2016年)などを受賞しています。

ブループラネット賞は、旭硝子財団により1992年に創設された地球環境国際賞で、地球環境問題の解決のために優れた研究をした人や、熱心に活動を続けてきた人たちをたたえて贈られる賞です。

さらに、2012年には、UNEPの親善大使を務めました

左は前WWFインターナショナル総裁ヨランダ・カカバッツェ(2012年)

今後への期待と抱負

WWFインターナショナルの事務局長マルコ・ランベルティーニは「現在、生物多様性がかつてない圧力にさらされる一方、私たちの生活が安定し、経済が成長していく上で、生態系が重要な役割を果たしていることへの理解が進んでいます。この状況のもとで、スクデフ氏の情熱、そして、経済と生態系が相互に依存していることへの深い知識は、WWFの掲げる目標達成に、まっすぐつながっていくことでしょう」と語ります。

またスクデフは就任にあたり、次のように述べています。

「WWFは変革期にあります。より大きな成果を上げるために、WWFは活動方針を見直し、人類と地球との関係についても改めて定義し直そうとしています。このようなわくわくするタイミングで、WWFに加わることができることをうれしく思っています。今、持続可能な未来を築き上げる絶好の機会が訪れています。それを成し遂げる機運は、私たちの側にあると信じています」

パヴァン・スクデフ(Pavan Sukhdev)略歴

1950年 インド生まれ
<学歴>
1976年 コレ-ジュ・ド・レマン(スイス)
1978年 ドーバーカレッジ(英国)
1981年 オックスフォード大学(英国)
<主な経歴>
1994年~2011年 ドイツ銀行勤務
2004年 GIST(The Green Indian State Trust)創設者・理事
2008~2010年 TEEB研究リーダー 2011年~ GISTアドバイザリー設立者・CEO 2012年 UNEP親善大使

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