「黄海エコリージョン支援プロジェクト」韓国・ムアン干潟でエコツアー活動に参加


WWFジャパンは2007年からパナソニック株式会社の支援を受け「黄海エコリージョン支援プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトの韓国のモデル地区である全羅南道のムアン干潟では、地域の住民を主体とした保全活動が展開されています。2012年10月末、パナソニックの現地法人であるパナソニック韓国の一行がムアン干潟を訪れました。

支援の現場を訪れる

「パナソニック韓国 ムアン干潟エコツアー」は、2012年10月26日、27日の2日間にかけて行なわれ、蘆運夏社長以下ほぼ全従業員が参加しました。

ツアーの目的は、ムアン干潟での環境保全活動の様子を直接、見聞き、体験してもらうことで、自社が支援する活動内容の理解を深めてもらい、環境保全への意識を高めてもらうことです。

また、受け入れ側となる、ムアン郡の地域住民、黄海プロジェクトのコーディネートをしているNGO「生態地平研究所」にとっては、モデル地区での活動を支える柱の一つ「エコツアー」を実践する貴重な機会となりました。

パナソニック韓国の社員は、ソウル周辺在住の20~30代の若い韓国人スタッフが中心です。ムアンを訪れたことがある人は、ほとんどいませんでした。

当日は、早朝6時半にソウル市内のホテル前に集合。貸切バスで一路、韓国南部に位置するムアンに向かいました。

バスで5時間ほど、昼過ぎにようやくムアンに到着した一行はまず、干潟とムアン干潟生態センターを見学。黄海プロジェクトが推進した教育プログラムに参加し、干潟の機能やムアンの自然の特徴を学んだ地元のガイドが、案内役を務めました。

続いて、センターの視聴覚ルームで、黄海プロジェクトにかかわる関係者から、それぞれ、WWFの組織紹介、黄海プロジェクトの概要、干潟に依存する私たちの暮らしについて、集中講義を受けました。

地域住民との触れ合い

黄海プロジェクトをきっかけに、地域が主体となって始めたここムアンでのエコツアーは、郷土料理、民泊、自然・文化の体験メニューを充実させる努力が続けられています。

今回のツアーでも初日の夜には、宿泊場所となる古民家風ペンションのテラスで、伝統芸能を鑑賞しながら、ムアンの特産でもあるテナガダコ、タマネギをはじめとした地元の食材を使った料理を堪能しました。

2日目は、今回のツアーのメインともいえる干潟での追い込み漁体験。ムアン干潟生態センターで、地元の漁師に手伝ってもらいながら、胴長を着込みます。

海岸ゴミの清掃をしながら漁の現場まで移動してゆきます。途中から、雨が降り始めましたが、皆さん、気にすることもなく、一心不乱にゴミを集めていました。

漁の現場では、あらためて、地元の漁師から、追い込み漁の方法を説明してもらい、網の持ち方など、手ほどきを受け、いよいよ海へ。

下半身がすっかりつかる深さまで沖に向かいます。水圧もかかり、大変な作業であることが実感できます。そして、巻いていた網を、沖合から浜に向かって弧を描くように広げ、網を移動させてゆきます。

網の両端は、力をこめて張りを保つ必要があり大変な作業です。網の周縁部も適度に持ち上げていないと、せっかく追い込んだ魚が飛び跳ねて、逃げてしまうためです。

逆に持ち上げすぎると、下から逃げます。皆で声を掛け合い、ぴったりと息を合わせます。天気はやがて豪雨となり、皆びしょ濡れになりましたが、何とか、5、6匹の魚を捕まえることが出来ました。

追い込み漁の難しさ、楽しさに、そして、何より釣果に満足できず、もう一網打とう、と率先して沖に向かう蘆社長ですが、その頃は雷が聞こえ始め、残念ながら、ここで終了となりました。

捕まえた魚をその場で調理して食べる準備をしていましたが、雷雨により、プログラムを変更。しかし、このトラブルに参加者、地域の皆さん、スタッフたちは、かえって結束を強められたようでした。

黄海エコリージョン全域への展開

1泊2日のプログラムは、こうして終了しました。

パナソニック韓国の蘆社長は、社員が黄海プロジェクトの意義と内容を理解し、ムアン干潟の魅力を直接、体験できたことに満足している、と感想を述べ、今後国内で保全活動の輪を広げていくために、何ができるのか考える良いきっかけになったことを指摘されました。

また、参加者全員に対しては、一連のプログラムの内容や、受け入れ側の応対の満足度についてアンケートを実施。今後の現地のエコツアーのさらなる改善に役立てていくことにしています。

WWFの黄海エコリージョン・プロジェクトでは、これから韓国、中国のそれぞれで展開してきたモデル地区での2年間の活動をまとめ、評価してゆきます。

そして、その成果を「アジアの里海共生モデル」として発表し、韓国や中国をはじめ、世界に向けて発信することにしています。

このモデルを参考とした同様の取り組みの展開を、より広い地域に呼びかけていくことは、アジア地域の沿岸の自然と、その恵みで成り立つ人の営みを、守ってゆくことにつながるでしょう。

WWFでは、今回ツアーにご参加くださったパナソニック韓国の皆さんとも、いずれこの発信を共にする機会を作ってゆきたいと考えています。

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ムアンの干潟の海

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地元ガイドの説明を聞き、ムアン干潟を視察するパナソニック韓国の蘆社長。

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ムアンの特産のテナガダコの現物を見せながら、解説する地元農業組合のパク組合長。

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胴長を着て、見た目も、気分も、すっかり、地元の漁師さん?

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海岸清掃の合間に、パチリ。プロジェクトの支援で設置された、干潟の生き物の解説板。

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悪天候の中での追い込み漁

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皆さま、おつかれさまでした!

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