目撃者の証言:温暖化がもたらした病気と凶作


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アフリカ(ケニア):ジョセフ・コネスさん

ケニアのボメット地方にあるカバルソ村。ここは、昔から農作物の生産で生計を立ててきた、農業の村です。しかし、おかしくなってきた天候のパターンが、作物の栽培を困難に追い込み、さらに、マラリアという新しい脅威を運んできました。日照り、冠水、マラリア... この村で農業ひとすじに暮らしてきたジョセフ・コネスさんの不安は、募るばかりです。

ケニアの農村からの証言

私の名前はジョセフ・コネスといいます。57年前にボメット地方のカバルソ村で生まれ、それ以来この村で暮らしてきました。私たち夫婦には8人の子供がいます。この村には現在、約1万人が住んでいます。村の人たちの主な収入源は、トウモロコシとお茶の栽培で、お茶は地元にある茶葉加工工場に販売しています。その他にも、豆類やジャガイモ、トマトなどを栽培し、地元の市場で売っています。また、自分たちが飲むためのミルク用に、乳牛とヤギも飼育しています。

ジョセフ・コネスさん
(C)WWF EARPO

予想できない気候と農業の危機

私が若い頃は、雨季は11月から4月まで続き、定期的に雨が降りました。しかし今では、一年を通じて、季節に関係なく雨が降ります。雨の降る時期が予測できなくなってしまったことで、私たち農民は作物を植える計画を立てるのが、非常に難しくなってしまいました。

何か大変なことがどこかで起こっているに違いないと思います。このような変化は、すでに20年ほど前から起こっていました。2008年は雨の降る時期が遅い一方で、ひとたび降り始めると非常に激しく降るので、ほとんどの地域が浸水しました。

作付けの時期の予測が困難になってしまったことや、苗を植えても雨が必要な時に降らないため、農作物の生産高は落ち込んでいます。もともとこの地域の農業は、自給自足のためだけでなく、村の収入を確保する大事な産業です。しかし、ここ最近の生産高の低下は、村民の生活にまで影響を及ぼし、政府からの配給に頼らなければならない人たちも出てきています。これまでの人生で、このようなことは起こったことは、ありませんでした。

2年ほど前には、干ばつがあり、近くを流れる河川が干上がってしまいました。川の水が完全に乾ききってしまうのを、生まれて初めて見ました!
また2006年には、普通なら乾季にあたる7月から10月にかけて、とても激しい雨が降り、全ての河川が氾濫して作物が壊滅状態になりました。

コネスさんの故郷のカバルソ村。ケニアの典型的な農村の1つだ。(C)WWF EARPO

村の学校の子どもたちと共に。これからの村の担い手たちだが、コネスさんはその将来を案じている。(C)WWF EARPO

マラリアの増加

私は若い頃、マラリアについて、何も知りませんでした。村で誰かがマラリアにかかった、という話も、ほとんどありませんでした。そのため、この地域でマラリアがどのように広まったのか、それはわかりません。

しかし私は、温暖化が進み、マラリアを蔓延させる蚊が長く生き残るようになっていることが、原因のひとつであると思っています。以前は、この地域よりもより暖かい気候のビクトリア湖周辺でマラリアが発生していると聞いていました。

WWFインターナショナル/ホームページ掲載日:2008年6月16日
Climate Witness: Joseph Kones, Kenya

科学的根拠

ピーター・アンベンジェ(Peter Ambenje)博士 ケニア気象庁上級副部長

ボメット地方カバルソ村でのコネスさんの観察は、地域単位またはそれよりも狭い範囲で予想される温暖化の影響と一致しています。ボメット地方が非常に雨量の多い地域に位置しているという事実によれば、ここで述べられた気象現象は、豪雨や干ばつなどの異常気象の増加とより変化の激しくなった天候と、それに環境への人為的影響と関連があると思われます。

マラリアに関する観察は、過去にはマラリアが発生していなかった地域で温暖化によってマラリアが拡大しているという事実と一致しています。したがって、観察されたこと全てが、人為的な環境への影響、温暖化により広まると予想される(新しい)気候パターン、農業や保健衛生などの多くの分野で確認されている温暖化の影響についての専門家による科学的な文献と一致しています。

コネスさんの情報を総合的に判断すると、現在すでに起こっている気候の影響に関する文献とカバルソ村での観察は一致している部分があるといえます。

全ての記事は「温暖化の目撃者・科学的根拠諮問委員会」の科学者によって審査されています。

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