代表ご挨拶


会長と事務局長からのご挨拶

会長挨拶

Non-state actorsの時代

かつて環境問題といえば、原因と被害が一定地域内に限定される「公害」問題でした。1950~60年代に4大公害病といわれた水俣病や新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくが大きな社会問題となりました。その後、東京都杉並区で運動中の女子高校生が光化学スモッグで次々と倒れたことをきっかけに誕生したのが環境庁(現・環境省)でした。1971年のことです。奇しくも同じ年、WWFジャパン(当時:世界野生生物基金日本委員会)も発足しました。

しかしながら、当時、世界は地球規模の環境問題に目を向け始めていました。北欧諸国の自然を破壊した酸性雨問題、世界の海を汚した海洋ゴミなど、環境問題が、その原因と被害が国境をまたぐ地球規模のものになってきたからです。1972年、ストックホルムで開かれた「国連人間環境会議」は国際社会にその対応を求め、国連環境計画(UNEP)が生まれました。

こうした環境問題への対応にもかかわらず、その後の世界は、開発とグローバリゼーションに支えられた成長至上主義経済に邁進し、物の豊かさの陰で環境破壊は地球の限界(プラネタリーバウンダリー)を超えるレベルまで一挙に進んでしまいました。もうこれ以上の環境破壊は許されないという危機感が生み出したのが「SDGs」(持続可能な開発目標)と「パリ協定」だったのです。

2015年に、この2つの国際目標・協定が誕生したのをきっかけに世界の潮目がはっきりと変わりました。世界は「TalkからWalkへ(議論から行動へ)」へ駒を進め、現在では「Walkから Impactへ(行動から結果へ)」と、その要求を一段とエスカレートさせています。 そうした中で、行動の主役が中央政府から、民間企業、地方自治体、NGO(非政府組織)などのNon-state actorsに移りました。無論、WWFジャパンもその例外ではありません。

こうした視点に立つときに、皆様の温かいご支援と先人達の努力で成し遂げてきた野生生物保護や気候変動をはじめとするWWFジャパンの輝かしい活動と実績を誇りにしつつも、21世紀に向けて新たなチャレンジに取り組んでいかねばならないと強く感じております。

私たちWWFが目指すのは「人と自然が調和する未来」を築くことです。皆様からの相変わらぬご理解とご支援をいただきながら、子どもや孫たちの世代のために、さらなる努力を重ねてまいる所存です。

WWFジャパン(財団法人世界自然保護基金ジャパン) 会長 末吉 竹二郎

事務局長挨拶

「環境の世紀」の実現に向けて

WWFジャパンが1971年に創立されて以来、40年あまりが経ちました。
この間、日本においても海外においても、多くの自然・環境保全活動が推進されてきましたが、大きな潮流として見れば環境問題は拡散し、また深刻化しつつあると言わざるを得ません。

私はこれまで、海外5か国で20年以上にわたって、さまざまな自然と、そこで暮らす人々と多くの接点を持ちました。そしてその中で、物質的な生活の豊かさを追求するあまり、健康や家族の絆、自然・環境といった、世界の誰もが慈しむ共通の価値を見失いつつある場面に出会うことも多く、大変残念なことだと感じています。

2050年に向け、世界の人口は95億人まで増え続けると予測されています。これまで先進国が突き進んできた経済優先の産業政策だけでは、地球への環境負荷は許容の限界点を超え、不可逆的な破壊に向かうこととなるでしょう。

この〝大きすぎる問題“を前に、個人の力はあまりに小さく感じられるかもしれません。ですが、人類の英知を結集し、問題を先送りせずに現実に向き合う勇気を持つとき、地球は私たちの反省と、改善に向けた必死の努力を、受け入れてくれると信じます。

日本は豊かな四季の中で自然の変化を慈しみ、受け入れて生きる知恵を持つ国です。その中で、WWFジャパンが日本の良さを活かした環境保全を展開し、グローバルに推進してゆくにはどうすべきか。私は行政や企業、個人の皆さまと直接お会いし、つながりを強めながら、ご意見やご提案をお聞かせ頂きたいと思います。

この地球に健やかな自然環境を取り戻してゆくために、皆さまのあたたかいご理解とご支援を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

WWFジャパン(財団法人世界自然保護基金ジャパン)事務局長 筒井隆司

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは世界約100か国で活動している
環境保全団体です。

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