海洋の保全
海や、世界各地の沿岸域では、汚染や資源の乱獲による環境の悪化が報告されています。WWFジャパンは、日本沿岸のサンゴ礁や干潟の保全をはじめ、漁業資源の持続的な利用を目指した社会的な仕組みの普及に取り組んでいます。
母なる海の環境保全
地球の表面の三分の二を覆う海。そこには、陸上の全ての生命を合わせたよりも、はるかに多くの生命が存在しています。とりわけ、多様な生き物が数多く集まる のが、サンゴ礁やマングローブ林といった、陸地に近く浅い海。これらの場所は、魚たちの産卵場所であり、稚魚が育つ「ゆりかご」の役割も果たしています。
また、南極や北極といった、一見何もいなさそうなところでも、海の中は生きものたちであふれています。
しかし、その海も今やさまざまな危機にさらされています。
沿岸地域では開発が進み、大洋でも過剰な漁業が海の生きものを危機に追い込んでいます。さまざまな廃棄物などが海を汚していることも大きな問題です。
最初の命が生まれた海という環境。それは、文字通り「生命の母」と呼ぶにふさわしい広さを持ち、豊かさと、恵みとを与えてくれます。 WWFはマングローブなどの沿岸の生態系やサンゴ礁の保全活動を始め、世界各地で漁業や海洋汚染、タンカー事故などによる油流出などの問題に取り組んでい ます。
海の恵みを守るために
日本の沿岸には、河口、干潟、藻場、磯、砂浜、サンゴ礁、マングローブなど、人間の生活と深いかかわりをもつ環境が広がっています。沿岸の自然環境は、陸域から流れ込む水を浄化したり、魚介類の生育場所となるなど、重要な役割を持っています。しかし、埋立や干拓、廃棄物捨て場、護岸、砂利の採集などが行われ、自然の海岸が失われてきました。
また、日本の海洋へのかかわりという点では、水産業も重要です。日本は世界最大の水産物消費国です。 2000 年に、日本は、世界の水産物輸入量の 13% 、輸入額の 26% を占め、数量金額ともに世界最大です。
一方、 FAO( 国際連合食糧農業機構 ) は、世界の水産資源の約 75% は過剰利用のレベルにあると報告しています。そのため、我が国の利用を適切に管理し、持続可能な利用が実現できれば、世界の水産資源に与える影響は少なくないとみられています。
WWFジャパンは現在、諫早湾、有明海、藤前干潟など多くの干潟で沿岸域の生態系を破壊するおそれのある開発計画に対してどのような損失が起きるかを訴え、見直しを求める活動を続けているほか、長距離を旅する渡り鳥である「シギ・チドリ類」をテーマに、日本の干潟の国際的な重要性にも、スポットをあてています。
さらに、日本が消費国として世界の海に大きなかかわりを持っている漁業についても、持続的な資源利用の推進に取り組んでいます。

(C) WWF-Japan
持続可能な漁業の推進
魚や貝などは、獲り尽くしたりしなければ、私たちはいつまでもその恵みを 受けることが出来ます。しかし、利用の仕方をひとたび誤れば、その自然の恵みも決して無限のものではなくなります。海の環境保全を実現する上で、今、海洋 資源の持続的な利用が大きな課題になっています。WWFではMSC(海洋管理協議会)による海洋管理制度の普及を通じた、適切な海洋資源の管理に取り組ん でいます。
干潟の環境保全
WWFジャパンは、多くの生物が息づき、豊かな漁業資源を育む干潟の保全に取り組んでいます。日本国内で、特に広大な干潟が残る有明海沿岸や、渡り鳥であるシギ・チドリ類が多く飛来する各地の干潟を中心に、地域の市民団体や行政と共に、保全と利用の取り組みを進めています。また、長崎県の諫早湾問題のように、環境破壊や漁業への悪影響を及ぼす事業に対し、見直しを求める活動を続けています。
サンゴ礁の保全活動
WWFは、多くの生き物の命を支えているサンゴ礁に注目し、世界のあちこちで保護活動を進めています。WWFジャパンは、沖縄県石垣島の白保海域を中心に活動しています。 2000年4月には、日本や世界のサンゴ礁保護を進める拠点となる施設「サンゴ礁保護研究センター(通称:しらほサンゴ村)」を、白保に設立。現場に根ざした保護活動と調査に加え、環境教育や、展示物による普及活動などを展開しています。



