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WWFの活動

海の危機

海の自然は、陸上と異なり、その変化や悪化の状況を調べるのが難しい環境です。しかし今、世界の各地からは、明らかな、漁業資源の減少や枯渇、沿岸域の自然破壊、深海や北極、南極にまで及ぶ汚染など、深刻な現状が報告されています。

母なる海の危機

WWFは、世界の海に生息する、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類あわせて341種の野生生物の個体数が、1970年から2005年の間に、平均でどれくらい変化したかを調べ、指数として計算しました。

この海の「生きている地球指数」は、この35年間で、約14パーセントの減少を示しています。

何千年、何万年にもわたり、人類やさまざまな野生生物に、豊かな恵みを与え続けてくれていた、世界各地の海の環境が、このわずかな期間の間に、著しく悪化しているのです。

海の生物の4種に1種が生息していると言われるサンゴ礁の自然も、既に3割が失われてしまったともいわれています。

このような、海の環境の悪化は、海水温の上昇や、破壊的な漁業、そして汚染などの環境破壊が原因です。最近の研究では、世界の海の40%が、人間のさまざまな活動により、深刻な影響を受けていることを指摘しています。

 

枯渇する資源

海の環境悪化を引き起こしている、大きな要因の一つに、漁業の拡大と、資源の乱獲が挙げられます。

世界で漁獲の対象となっている、主な魚類の200種について、FAO(国連食糧農業機関)は1996年に「漁業資源の25%は枯渇し、35%が乱獲されている。全体の60%は(乱獲と枯渇を防ぐため)緊急に管理が必要である」という警告を発しました。

漁獲量が拡大している理由は、消費活動が活発になり、自分の国が消費する分が増えただけでなく、海外に売るための漁獲量が大幅に増えていることに原因があります。現在のまま、水産資源の乱獲が続けば、これまで当たり前だったさまざまな魚介類が、私たちの食卓から姿を消してしまうことにも、なりかねません。

網などで海底の自然や、サンゴ礁を破壊したり、そもそも獲る必要のない、他の生きものを一緒に漁獲してしまう「混獲」の問題も深刻です。

海鳥やウミガメ、漁獲する必要の無い魚が、過って網に掛かり、死亡する、この「混獲」の量は、年間で500~600万トンとも言われていますが、正確な被害の規模はわかっていません。いずれにせよ、過剰な漁業のあり方が、世界の海の自然を圧迫していること、そして、さらにその負担が大きくなろうとしていることは、間違いありません。

 

かけがえのない恵みを守るために

私たち人類は、海からの恵み無くして生きることは出来ません。
近年は養殖などの技術も発達してきましたが、それも健全な海があってこそ、成り立つものです。私たちは自分たちの力を過信することなく、生きる上で、自然の力を必要としていることを、忘れるべきではないでしょう。

海の環境を保全しながら、水産資源を持続可能な形で利用してゆくためには、人類が海洋にかけている、さまざまな負担を減らし、海の生産力に見合った資源利用を行なう必要があります。
そして、海の生産力を担っている、貴重な沿岸域の環境、たとえば干潟や、マングローブ、サンゴ礁などの自然を、破壊から守り、長く保全してゆくことが、欠かせません。

遠洋で行なわれる漁業についても、資源の管理に十分な注意を払い、世界中の国々で通用する国際的な基準に基づいた、持続可能な漁業のルールを作り、それを各国が守ってゆくことが求められています。養殖や蓄養といった漁業についても、自然の海を利用して行なわれるものである以上、環境への徹底した配慮が必要です。

また、近年問題が指摘されるようになってきた、海水温の上昇についても、注意を向ける必要があります。

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2009/9/14

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