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2050年に自然エネルギー100%は可能 脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案を発表

記者発表資料 2011年11月18日

WWWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)は、本日『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案~最終報告 100%自然エネルギー~』を発表しました。

2011年2月にWWFインターナショナルが示した「2050年までに世界レベルで100%自然エネルギー」の可能性。この「100%自然エネルギー」の可能性を、日本について検討したのが、今回のシナリオ提案です。

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、日本のエネルギー政策の抜本的な見直しが迫られている今、「100%」という大胆で野心的な選択肢を真剣に検討すべき時に来ていると、WWFは考えます。

エネルギー問題の解決は、地球温暖化対策の取組でもあります。地球温暖化防止に向け、日本がどんなエネルギー社会を構築していく可能性があるか、具体的なシミュレーションを(株)システム技術研究所に委託し、その結果を受けて、めざすべき方向性と、実現のためのシナリオを提案しています。

2011年7月に発表した中間報告では、需要面の「省エネルギー」について検討。本シナリオは、供給面の「自然エネルギー(再生可能エネルギー)の導入」を含めた最終報告です。

本シナリオは、中間報告で示した「2050年のエネルギー需要は2008年比で48%に低下する」こと、つまり省エネルギーによって需要を大幅に絞ることから出発しています。

このエネルギー需要に対して、国内にある自然エネルギーで100%賄うことは可能かどうか、電力だけでなく、熱・燃料も含めた総合的なエネルギーの姿を検討しました。

自然エネルギーは、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマスを対象としています。それらの導入量は、環境省のポテンシャル調査等を参考にして、既存あるいはその延長線上にある技術を基に想定しています。

その結果、自然エネルギーによって日本のエネルギー需要を満たすことは、少なくとも技術的には十分可能であることを示しました。

電力と熱・燃料の総合的な姿として、2050年に自然エネルギー100%への移行を完了するには、2020年には20.0%、2030年には49.6%、2050年には76.6%に達していることが必要であることがわかりました(グラフ1)。

20111118a.gif

グラフ1(クリックすると拡大します)

そして別途、2050年の電力需要を、年間365日通じて満たせるのかについて、気象データを用いてダイナミック・シュミレーションによる検証を行ったことが、本シナリオの特色となっています。一日あるいは年間で変動する電力需要にあわせて、バッテリーに大きく頼ることなく、自然エネルギーを供給し続けることが可能であることを確認しました。

また本シナリオに基づけば、2020年のエネルギー起源CO2の排出量は1990年比で約25%削減、2030年には約58%削減となります。現在政府が掲げている「2020年までに1990年比で温室効果ガス排出量を25%削減」という目標は、射程範囲内にあると言えます。

このように、本シナリオは、エネルギー問題と地球温暖化問題の両方を解決し、持続可能な社会・脱炭素社会への道筋を示す内容となっています。その実現に必要な政策として、概要版では次の5項目を提言しています。

  1. 明確な省エネルギー目標と自然エネルギー目標の設定
  2. 自然エネルギーのポテンシャルを十分に活かすような推進政策
  3. 電力システム改革
  4. 自然エネルギーの熱活用と水素の有効活用
  5. 原発の着実な段階的廃止方針の選択

(詳細は概要版を参照)

以上は本シナリオ実現のために必要な条件のほんの一部ではありますが、同時に、これらなくして達成は不可能といえる重要な要素です。WWFジャパンでは、今後も、このシナリオが示すビジョンの実現のために必要な要素について、提言を続けていきます。

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