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WWFの活動

日本のエネルギーは50%削減可能!省エネ・シナリオを発表

エネルギー需給に注目が集まっている2011年の夏。日本でこれからどのようなエネルギー社会を、どのような手段で構築していくべきなのか。WWFジャパンでは、その具体的なシミュレーションをまとめたレポート『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案 中間報告<省エネルギー>』を発表しました。この中でWWFは、2050年に2008年比でエネルギー需要を50.6%削減できる可能性を指摘しています。

新しいエネルギー社会のあり方を提案

今、日本では、東日本大震災と、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、夏の電力需給が大きな焦点になっています。

そしてこの問題は、この夏に限られた課題ではなく、原発に頼らない、これからの日本のエネルギー社会のあり方を問うものとしても、広く認識され始めました。

同時に、未来のために達成してゆかねばならない地球温暖化の防止という視点を含めて、日本に今後どのようなエネルギー社会を構築していく可能性があるのか。

WWFジャパンは2011年7月22日、その具体的なシミュレーションのまとめを発表し、その結果を基に、日本がこれからめざすべきエネルギー政策の方向性と、実現のためのシナリオを提案する『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案 中間報告<省エネルギー>』を公開。

東京港区の航空会館でその発表を行ないました(このページの末尾でUstream でのオンライン中継のアーカイブをご覧いただけます)。

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7月22日に開かれたシナリオの発表会

既存技術で実現可能!「省エネルギー」の可能性を徹底追及

このレポートは、WWFが株式会社システム技術研究所に研究を委託し、制作したもので、WWFが温暖化防止のために必要な2大条件として掲げている、需要面の「省エネルギー」と供給面の「再生可能エネルギーの導入」のうち、前半の内容をまとめた中間報告です。

この報告では、2020年、2030年、2050年の、それぞれの時期までに、普及する可能性が高いと考えられる省エネ技術の導入や、ライフスタイルの変化を想定した、エネルギー需要と二酸化炭素(CO2)排出量の変化を検討しています。

その具体的内容は、LED照明の導入や、高性能断熱住宅についての基準づくり、効率のよいヒートポンプの導入、都市の緑化、鉄鋼リサイクル率の向上、さらにカーシェアリングや、エコドライブ、電気自動車や燃料電池車といった運輸部門での改善に重点を置いたものになっています。

特筆すべきは、これらが、新たなエネルギーや新技術の開発に大きく依存したものではなく、今の時点で既に存在している技術を軸に、現実的な省エネを実践する手段を、幅広く検証し、シナリオとしている点です。

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株式会社システム技術研究所の槌屋治紀さん

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東京都環境局長の大野輝之さん。
シナリオ発表会にて

2050年にはエネルギー需要を50%削減、また2020年までの「25%削減」目標達成も視野に

こうした技術の導入と社会変革の結果をふまえ、シナリオで計算を行なったところ、2050年には、日本の最終用途エネルギー需要は、BAU (Business As Usual) シナリオと比較して38.8%の減少、1990年との比較では48.2%の減少、2008年との比較では50.6%の減少となる結果が出ました。

CO2排出量は、BAUシナリオと比較すると、7億1200万トンから4億3500万トンへ61.1%に減少(減少幅は38.9%)させることが可能。これは1990年と比較すると41.1%の減少(減少幅は58.9%)になります。

また、2020年までのシナリオでも、1990年に比べて、最終用途エネルギー需要が83.4%になります。CO2排出量は78.5%に減少(削減幅21.5%*注)します。

  • 注:今回の中間報告ではエネルギーの供給側の数字が確定していないため、BAUシナリオの原単位(エネルギー当たりのCO2排出量)を使用して、CO2排出量を計算しています。このため、この数字はあくまで暫定値となります。

この一連の省エネの成果に加えて「再生可能エネルギーの導入」の要素が加われば、日本政府が公約している「25%目標」(2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で25%削減)も、達成の可能性が十分に見えてきます。充分に達成が可能であることが示されたといえます。

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震災と原発の問題を超えてゆくために

省エネルギーは、決して「ガマンする」だけの、後ろ向きの対策ではなく、無駄に使っていたエネルギーを削減して必要なところで使えるエネルギーを生み出し、地球温暖化を防止しながら、快適な社会を作っていく基礎であるとWWFは考えます。

現在、新しいエネルギー社会への道を選択できるかどうかの岐路にあって、日本では電力の不足を理由に、「25%目標」を取り下げるべきとの意見も出ていますが、震災と原発の問題を乗り越え、新しいエネルギー社会を作ってゆくことこそが今、検討しなくてはならないことです。

温暖化から未来を守り、原発を段階的に廃止してゆくためにも、可能な限りの省エネと、風力や太陽光などさまざまな自然エネルギーの普及を進めて「再生可能エネルギー100%」の実現を目指してゆかねばなりません。
WWFでは今回、そのための手段を提言するものとしてこのシナリオの制作と発表を行ないました。これに続く「再生可能エネルギー編」については、11月に発表の予定です。

報告書『脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案 中間報告<省エネルギー>』全文

PDF形式

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記者発表資料 2011年7月22日

関連情報『エネルギー・レポート~2050年までに再生可能エネルギー100%』

WWFインターナショナルは、2011年2月、世界において、2050年までに再生可能エネルギー100%の社会は実現可能だとするレポートを発表しました。大幅な省エネルギーと再生可能エネルギーの導入を進め、原発を段階的に廃止するシナリオが示されています。

>>> 日本での自然エネルギー100%は可能 エネルギーシナリオを発表

WWF省エネルギーシナリオ発表会 開催概要

日時 2011年7月22日(金)14:00~16:30
内容
  1. 新しいエネルギー社会へ向けた省エネルギーの役割
    山岸尚之(WWFジャパン 気候変動・エネルギーグループ リーダー)
    プレゼン資料はこちら
  2. WWF委託研究:省エネルギー・シナリオ
    槌屋治紀(株式会社システム技術研究所 所長)
    プレゼン資料はこちら
  3. 東京都の節電・省エネルギーに関する取り組み
    大野輝之(東京都環境局長 )
    プレゼン資料はこちら
  4. 質疑応答
場所 航空会館 501+502会議室(東京都港区新橋 1-18-1)
参加費 無料(要申込)
主催 WWF ジャパン
参加者数 約120名


Video streaming by Ustream

2011/7/22

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