マグロ、カツオ、サンマ、サケ、サバ、タコ、イワシ... 日常さまざまなところで目にし、耳にし、口にする海の幸。日常生活には欠かせないこれらの海産物は、私たちが世界で最も大量に消費している「野生生物」です。海産物は、文字通り「海の幸」。豊かな海の自然があってこその恵みに他なりません。
しかし、普段当たり前に食べている魚介類が、いつ、どこで、どのように獲られ、生産されているか、一般の消費者はほとんど知られていないのが現状です。 目の前で売られている海産物が、遠い海の環境に悪い影響を及ぼしながら生産されているとわかっていたら、私たちはそれを「海の幸」と呼ぶことができるでしょうか?
この海の環境と漁業の問題を、私たちの国、日本で最も人気のある魚の一つ、マグロに注目して考えてみましょう。
マグロ入門編
マグロという生物
種類によっては、2~3メートルにもなるマグロは、世界の海で見られる魚の中でも、特に大型になる肉食魚です。マグロの仲間にはいくつも種類があります。日本の食卓によくのぼる、大型のマグロ類には、クロマグロ、ミナミマグロ、キハダ、メバチ、ビンナガなどがあります。

マグロの漁獲量と消費量
スーパーで、お寿司屋さんで、和風、洋風さまざまなお店で、日本ではどこでも手に入り、食べることができるマグロ。日本のマグロの漁獲量と輸入量は、ともに世界最大です。

マグロが海から食卓に届くまで
北半球と南半球、それぞれ高緯度から赤道周辺まで、広大な海域を回遊するマグロは、各海域の漁場でさまざまな方法で漁獲されています。そのマグロは、遠い海から、どのようなルートで、私たちの町や食卓にやってくるのでしょうか?

マグロをめぐる問題
資源が減っているのに、安価なトロが今もあふれている日本。一般の消費者が資源の状況を実感するのは、とても難しい状況ですが、安くて大量のマグロが並ぶ背景には、実はさまざまな問題があります。

消費者はどうしたらいいの?
20年、30年後も、おいしいマグロを食べることのできる世界を作ることは、現代に生きる私たちの責任。さまざまな問題や情報に目を向け、環境にも配慮した海産物をお店や漁業者などに求めてゆくことは、消費者にできる、重要な取り組みの一つです。

出典
出典・参考資料
このサイトの制作に際して、主な参考にした書籍、資料は以下のとおりです。
- 「サバがトロより高くなる日」(2005) 井田徹治、講談社現代新書
- 「明日のマグロ漁業を拓く」(1996)宮路和明、盈進社
- 「マグロの生産から消費まで」(1998)小野征一郎、成山堂書店
- 「国際マグロ裁判」(2002)小松正之、遠藤久、岩波新書
- 「マグロは時速160キロで泳ぐ」(1996)中村幸昭、PHP
- 「魚河岸マグロ経済学」(2003)上田 武司、集英社新書
- 「日本におけるマグロの需要構造に関する研究」伊澤あらた、東京水産大学大学院博士論文、2003
- FAO FISHSTAT:Total production 1950-2004, FAO (Food and Agriculture Organization of the United Nations), 2006
- FAO FISHSTAT:Fisheries commodities production and trade 1976-2004, FAO (Food and Agriculture Organization of the United Nations), 2006
- 地中海におけるクロマグロ蓄養業:危機に瀕するクロマグロ資源, WWF地中海プログラムオフィス・WWFスペイン、2004
- 地中海におけるマグロ蓄養業の輸入餌魚使用が及ぼす地域の魚類資源量および生態系への影響、WWF地中海プログラムオフィス、2005
- Information Paper on Import of Atlantic Bigeye Caught By Large-Scale Tuna Longline Vessels、水産庁、2004
- はえ縄漁業における海鳥の偶発的捕獲を削減するための日本の国内行動計画、水産庁、2001
- 水産研究所ニュース No. 113. 2-5pp.、遠洋水産研究所、2003
- 財務省通関統計
写真協力:萬屋松風(東京・池袋)
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