WWFは温暖化防止にかかわる国際会議に、必ずスタッフを送り込み、国際ネットワークを活かしたロビー活動を展開しているほか、温暖化に苦しむ途上国の人々の声を代弁し、世界に向けてその被害の実情を訴えています。WWFジャパンもこのネットワークの一員として、日本をはじめとする世界各国の動向を見守り、世界のNGOの仲間たちと協力して政府にはたらきかけを行なっています。
求められている世界の取り組み
欠かせない国際的な協力
地球温暖化問題は、一つの国の取り組みだけで解決できる問題ではありません。地球の大気は全てつながっており、その温度が変化することによって引き起こされる気候の大規模な変動は、国境に関係なく重大な被害をもたらすからです。
実際、温暖化の主な原因である二酸化炭素が、その大半が先進国の国々によって排出されている一方で、その被害を強く受けているのは、二酸化炭素をほとんど排出していない、貧しい途上国の人々です。
このような問題に、世界規模で取り組み、解決してゆくためには、各国がそれぞれの国内で、それぞれの事情に合わせて省エネなどを目指すだけでは、不十分です。
地球全体の、あらゆる自然環境や人類全体の問題として、世界のリーダーたちが認識を深め、協力して温室効果ガスの削減に、取り組んでゆかねばなりません。

(C)WWF-Canon/Michel GUNTER
国際条約と国際会議
現在、世界には、加盟している先進各国に温室効果ガスの排出削減を義務付けた「京都議定書」、およびその母体である「気候変動枠組み条約」という、温暖化の防止を目的とした2つの国際条約があります。
条約に加盟している国々は、毎年世界のどこかで締約国会議と呼ばれる国際会議を実施し、国際社会がどのような形で、どれくらい温室効果ガスを削減するかを話し合い、取り決めるための話し合いを行なっています。
このような国際会議は、その内容が報道されても、なかなか理解するのが難しく、通常の日常的な暮らしとはかけ離れた、遠い世界の問題と思われるかもしれません。
しかし実際には、これら会議で取り決められた「国際法」が、それぞれの国の「国内法」に反映され、その国の方針を決める、大きな鍵となっています。
条約の加盟国には、条約の条文や理念に沿った形で、新たな法律や制度を作り、個別の企業ではなく産業界全体を対象とした政策のあり方を決めることが、求められるからです。
国際交渉の意義とNGOの働き
国際条約に基づき、国という大きなレベルで行なわれる温暖化防止活動は、個人々々が日々の暮らしの中で行なう省エネ活動よりも、はるかに効率よく、大量の温室効果ガスの削減を実現できる可能性をもった取り組みです。
従って、国際会議でどれだけ、温暖化の防止に向けた、前向きな取り決めや約束を、各国が交わすことができるかは、地球全体の未来を決める上でも、非常に重要なことなのです。
しかし、実際の会議では、それぞれの国々の利害や、抱えている産業界の都合、また外交上の都合などによって、偏った決議がなされ、温暖化の防止をむしろ後退させてしまうようなことも珍しくありません。アメリカ南部の石油産業を支援母体に持つアメリカのブッシュ大統領が、石油エネルギーからの脱却を求められる温暖化防止に終始後ろ向きな姿勢を貫き、「京都議定書」への批准を拒絶してきたことは、その最たる例といえます。

(C)WWF-Canon/www.martinbeaulieu.ca
そのような国際交渉において、本来の目的である「温暖化の被害を最小限におさえること」がなおざりにされることなく、より積極的な取り決めがされるようにするため、各国のNGO(民間の非政府組織)は、各国の政府代表に働きかけるロビー活動を展開し、国境を越えた立場からの発言や提言を行なっています。
これらのNGOは基本的に会議ではオブザーバー(非正規の参加者)でしかなく、公的な発言権もありませんが、特定の業界や国の権益に利することなく、地球全体の未来を考えた決議を採択するよう、会議の流れを正しい方向へと導いてゆくのが、その役割です。
国際交渉の舞台で
WWFも温暖化防止のための重要な会議には必ずスタッフを送り、国際ネットワークを活かしたロビー活動を日夜展開しているほか、温暖化に苦しむ途上国の人々の声を代弁し、世界に向けてその被害の実情を訴えています。WWFジャパンもこのネットワークの一員として、日本をはじめとする世界各国の動向を見守り、世界のNGOの仲間たちと協力して政府にはたらきかけを行なっています。
京都議定書
京都議定書とは、温暖化防止のための国際会議(気候変動枠組条約締約国会議)で取り決められた世界で初めての国際協定です。 1997年に京都で会議が開かれたときに、その大枠が決まったため、「京都」の文字が冠されることになりました。この取り決めに基づき、日本政府も1990年比で6%の温室効果ガスの排出削減を義務付けられました。

(C)WWF-Canon/www.martinbeaulieu.ca
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