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7電力会社による再エネ接続可能量の算定結果を踏まえた固定価格買取制度改善の方向性についての意見

声明 2015年1月9日

自然エネルギーの大量導入を可能にする固定価格買取制度の改善を!

2014年6月より、資源エネルギー庁・総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会およびその下の系統ワーキンググループ(以下系統WGと呼ぶ)において、自然エネルギー(再生可能エネルギー)推進に関する課題、特に、固定価格買取制度のあり方や系統への接続のあり方などが議論されてきた。

その中で、同年12月に、九州電力をはじめとする電力会社7社が、経済産業省の新エネルギー小委員会・系統ワーキンググループ(以下系統WGと呼ぶ)において2014年12月に発表した、自然エネルギー(再生可能エネルギー)による発電設備の接続可能量の試算に基づいて、資源エネルギー庁から「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」が示された。今回のとりまとめは、あくまで現行制度内での運用改善の案として位置づけられているが、小委員会の議論では、今後、それらも含めた更なる大きな見直しの可能性が示唆されている。

現在、このとりまとめ内容を実際の省令等に落とし込む改正案についてパブリックコメントが募集されているが、WWFジャパンは、この機会に、今回の系統WGにおいて示された7電力会社の接続可能量の試算についての注意喚起を行うとともに、今後の固定価格買取制度全体の改善の方向性および自然エネルギー推進全体について、意見を述べたい。

(1)電力会社による「接続可能量」算定の特徴

今回の7電力会社の試算は、今まで原発のために運用されてきた揚水発電(夜に蓄電し、昼間に放電)を、これまでになく自然エネルギーのために最大限の活用をはかっており、さらに自然エネルギーが発電するときには、火力発電を最低出力まで抑制することを前提としている。火力発電の抑制が可能な量を、現場の電力会社として、LFC調整力(数分~20分程度の短周期の周波数変動に対する調整力)確保分も含めて、たとえば九州電力では、認可出力の約7.4%まで絞ることが可能であると真摯に示している(参考資料4 p.14からWWFジャパン計算)。これらの点は、WWFジャパンとしても大変高く評価するものである。

一方、今回示された接続可能量というものが、今のルールや前提(異なる電力会社間の地域間連系線は基本的に非常時以外には使わないことを前提とした利用ルールや、既存のすべての原発が稼働するという前提など)のままで試算されたものであり、その接続可能量の枠を超えた発電設備は、無制限に無補償の出力抑制を強いられる点には大きな懸念がある。そもそも接続可能量というものは、自然エネルギー先進国にはもはやない概念であり、特に日本の場合は、物理的な制約というよりは、9つに分かれた電力会社間の地域を越えた電力の融通の際の利用ルールの問題から発生している部分が大きい。

WWFジャパンでは、今回の問題の発端となった、九州電力管内に1260万kWの自然エネルギー(太陽光1180万kW、風力80万kW)が導入された場合の系統システムの定量的分析を、2014年11月システム技術研究所に研究委託し、研究報告書『検証:自然エネルギー接続保留に関する定量的分析』(参考資料1)(以下WWF分析と呼ぶ)として発表した。

これは、今回の系統WGにおいて電力会社が現在採用している検討方式よりもさらに踏み込んで、2013年度の実際の電力需要と、九州電力管内の気象データに基づく365日1時間ごとの太陽光、風力の発電電力量を8760時間にわたってシミュレーションしたもので、実際に九州電力管内で接続申し込みされている1260万kWが導入された場合に、どの時間帯に、どの程度の容量(kW:キロワット)が余剰となるのかをシミュレーションし、既存の系統システムで導入可能なのかどうかを検証したものである。その結果、既存の九州・中国間の地域間連系線の運用容量(259万kW)が使える前提ならば、1260万kW導入されても自然エネルギーの出力抑制はほとんど必要ないことがわかっている。

今回の系統WG下での算定された太陽光発電の接続可能量は、九州電力管内では、上記のWWF分析で試算した接続申込み量1260万kWに比べて、かなり少ない817万kWにすぎず、すでに接続申し込み量が、示された接続可能量を大幅に超過する状態となっている。その他の電力会社管内においても、接続申込み量に比べて、ほとんど新規の申し込みの余地はない接続可能量が発表された。

しかし、これらの接続可能量という"枠"は、地域間連系線の利用ルールの変更や、原発の稼働の前提の置き方次第で、すぐに大幅な拡大が可能となるものであることを、WWF分析は示している。そもそもエネルギー基本計画では、原子力への依存度を減らすことを基本政策としているので、本来は自然エネルギーに対して原発の稼働はできるかぎり小さくするのが根底にあるべきである。

資源エネルギー庁 「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」 資料(2014年12月)

(2)電力会社の接続可能量の試算についての注意点

地域間連系線がほとんど使えない前提の試算であるため、接続可能量が低く見積もられている

今回の系統WGにおける九州電力の試算では、熱容量で556万kWある既存のインフラである九州と中国を結ぶ地域間連系線が、たった17万kWしか使えない前提であった。一方、WWF分析では、現状の熱容量である上記556万kWの半分の運用容量が使えれば、1260万kWの導入がわずかな出力抑制で可能なことを示している(参考資料1)。

片側一回線の運用容量でも199万kW(参考資料4)と発表されているものがここまで絞られる理由については、周波数維持などを考慮してとのことだが、この点はより詳細な検証が必要である。つまり、今回の接続可能量の低さは、物理的な制約というよりも、異なる電力会社間の地域間連系線を運用するルールや清算ルールなどの問題なのである。運用ルールを改善し、既存の地域間連系線をもっと活用できるようになれば、すぐに自然エネルギーの接続可能量は拡大可能であることが示されたと言える。

原発の再稼働・運転に関する非現実的な想定が次第自然エネルギーの導入量の制約となっていること

今回の系統WGにおける電力会社の試算において明示されたことは、原発の想定次第で自然エネルギーの導入量が大きく左右されることである。たとえば九州電力においては、最低負荷期(春の電力需要が最も低いとき)の788万kWに対して、原発は439万kW分想定されている。つまり、原発の想定が大きければ大きいほど、必然的に自然エネルギーの接続可能量は低くなるのである。

この際に問題なのは、再稼働の見込みに関わらず、すべての原発が稼働しているとの想定で、試算が行われたことである。たとえば九州電力においては、2015年に40年を迎える玄海1号機(55.9万kW)まで想定に入っているということになる。その他の電力会社においても、女川1号機(52.4万kW)や島根1号機(46.0万kW)など、欠陥が指摘されているマーク1型の原子炉までも含まれている(参考資料5 p.11)。

WWF分析では、九州電力管内では現実的に再稼働の可能性がある川内原発だけを試算に入れており、その分を入れても九州電力管内に1260万kWの自然エネルギーの導入がわずかな出力抑制で可能であることを示している(参考資料1)。

今回の電力会社の接続可能量の試算は、このような非現実的な原発の想定のもとに行われているため、再稼働の見込みを現実的に想定した試算では、直ちに"接続可能量"の大幅拡大が可能となろう。

自然エネルギーの発電出力が過大に見積もられる試算であること

今回の系統WGにおける電力会社の試算においては、2シグマ方式という手法を採用しており、構造的に自然エネルギーの発電出力を過大に見積もる計算方式であることに注意が必要である。2シグマ方式とは、自然エネルギーの出力量を各月ごとの24時間ごとに区切った上で、各時間においてその月の最も発電出力量が大きい値に近い値(上から5%の値)を採用するという方式である。いわば受験において偏差値70以上の優等生がいつでもクラスを代表するようなものである。雨や曇りの日は月の平均を採用しているが、結局、月の半分は優等生の出力、残り半分は平均の出力を想定するという、構造的に自然エネルギーの出力を過大に見積もる分析手法となっているのである。

一方WWFの手法は、九州にある104地点の拡張アメダス気象データ(1990~2000年の20年間の代表的な気象を再現したデータ)をもとに算出した発電電力量を、1時間ごとに365日計算しているため、より実際の発電状況に近い結果を示していると言える(参考資料1)。

つまり今回の電力会社の示した接続可能量は、実測の気象データに基づいた発電出力を試算したものではないため、実際にはもっと接続が可能だと予測される。

今回の系統WGにおける電力会社の接続可能量は、物理的なインフラによる制限量というよりも、試算の前提次第で変わるところが大きいもの。他電源の前提が変わったり、地域間連系線の運用ルールが変われば、物理的なインフラ拡張に頼ることなく、すぐに接続可能量は増えることになる。

したがって今回の電力会社の試算による接続可能量は、「いかにしてより多くの発電容量の接続を可能としていくかを探るプロセスにおける最初の通過点」に過ぎない。

(3)固定価格買取制度の改善および今後の自然エネルギー導入へ向けたWWF提案

電力会社による出力抑制の指令が、相応な理由によるものかを監視する仕組みの強化

今回の試算による接続可能量の試算を機に、7電力会社は「指定電気事業者制度」(無制限無補償での出力制御を行うことを条件とする代わりに、系統への受け入れを義務付けるもの)の下で指定電気事業者となって、今回示した接続可能量を超える申し込みについては、発電事業者が無制限無補償の出力制御を受け入れることを条件に接続が許可されることになる。発電事業者にとっては、無制限に出力抑制を受け入れる前提だと事業採算性に見通しがたたず、しかも抑制指示の際の事業者間の公平性がどのように確保されるかわからないため、不安があおられる形となっている。

しかし、実際には出力抑制をいたずらに恐れる必要はないとWWFジャパンは考える。すでに自然エネルギーが年間発電電力量の2~3割を超えるスペイン、ドイツにおいても、出力抑制は年間数%以下でおさまっている。WWF分析による九州電力管内に太陽光と風力が1940万kW導入されたケースにおいても、川内原発が稼働し、地域間連系線が全く使えない前提でも、年間の電力需要に対する抑制量は、3.47%に収まっている(参考資料1 p.15)。

今回の改正案では、30日抑制ルールを、時間制に移行して、太陽光360時間、風力720時間とすることになっているが、WWF分析によるならば、九州管内で年間発電電力量で2割程度の導入量まではこの範囲内で収まると考えられる。ましてや使える地域間連系線の容量が増加し、原発の再稼働を現実的に見るならば、今後はさらに自然エネルギーの導入余地が増えることはあっても減ることはないだろう。

肝心なのは、出力抑制指示の透明性である。もともと固定価格買取制度において、電力会社が出力抑制を指示するにあたっては、「火力発電の最低限までの抑制、揚水運転等の措置を講じた上で、それでも出力抑制を指示しなければならなかった合理的な理由を、指示後にすみやかに書面で示す」ということになっている。また出力抑制が行われたときには「抑制を行った日(時間帯)の抑制した出力の合計を翌月に公表」することになっている。

今後、30日抑制ルールを越えて無制限の出力抑制を発電事業者に強いるには、抑制を指示した理由が真に合理的なものであったか、事業者間の公平性はどのように確保されていたのかなどを、第3者機関が公正に検証し監視する仕組みをさらに設ける必要がある。また、出力抑制の見通しにくわえ、実績についても細かく情報開示していくべきである。ドイツのように独立した規制機関があり、電力会社による出力抑制についてもきちんと監視されるという保証があるならば、発電事業者の疑心暗鬼も解消の方向へ向かうのではないか。

接続可能量の定期的な見直しを実施すること

(1)で述べたように、今回の電力会社の示した接続可能量というのは、前提次第ですぐに拡大されうる枠である。2015年4月に発足する「広域的運営推進機関」においては、電力会社の枠を超えて電力を融通しあうことを推進することになっており、地域間連系線の運用ルールを直ちに改善していくことが期待される。また2016年には電力会社から送電会社が法的に分離されることになっており、送電網がもっとすべての発電事業者に公平にアクセスできる方向に話が進んでいる。

自然エネルギーの導入には、出力の変動を既存の電力会社の枠を超えた広い地域で吸収することが肝心である。たとえば東北エリアにおける自然エネルギーを、東北の3倍以上の電力需要がある関東エリアで受け入れるならば、その変動はもっと楽に吸収できるのである。最大限の導入をはかると定められている自然エネルギーの変動吸収を一つの大きな目的として、上記の二つの改革を強力に進めていけば、地域間連系線の運用可能容量が増えて、各エリアにおける接続可能量は拡大していくことになる。

また原発の現実に即した再稼働の見込みを考慮すれば、さらに接続可能量を増やすことができる。このように接続可能量というのは、前提や現況により変わるものであるため、定期的に見直す仕組みを組み込むことが肝心である。

そもそも自然エネルギー先進国においては、すでにこの接続可能量という概念は存在しない。変動する自然エネルギーを大量導入していく手法は数多くあり、どの手法から取り入れるのがコスト的に見合うか、という選択があるのみである。したがって今回の改正案にあたっては、少なくとも接続可能量は定期的に見直し、拡大していく、という前提で話を進めるべきである。

合理的な出力抑制を可能とするシステムの構築

今回の改正案では、発電事業者に遠隔出力制御システムの導入が義務付けられることになったことをWWFは高く評価する。そもそも「前日に電話連絡で出力抑制を指示する」という前時代的なシステムでは、変動する自然エネルギーを効果的に大量導入していくことは不可能であった。自然エネルギー先進国のスペインでは、1万kW以上の発電設備には遠隔出力制御システムを備え付けることが早くから義務付けられており、中央給電指令所からリアルタイムで制御できる体制であることが急速な大量導入へとつながってきた(参考資料3)。

また、リアルタイムで発電設備の気象データや発電電力量が遠隔で掌握できることが、気象予測を使った出力予測システムの急速な改善につながる。変動する自然エネルギーの大量導入に欠かせない、中央給電指令所における出力予測システムの開発にも寄与する今回の遠隔出力制御システムの導入は、来る自然エネルギー時代の必然である。

しかし今回の義務付けは、今後新規に申し込む発電設備に適用されることになっている点に、WWFは一抹の懸念がある。すでに申し込まれている設備容量は、すべて稼働するならば、日本の発電電力量の2割に達する量である。法的には難しいかもしれないが、遡及的にすべての発電設備に、遠隔出力制御システムを導入していくことが、効果的な自然エネルギー制御に帰するうえ、大量導入への道をより早く開く。ドイツにおいても遡及的に制御システムの導入が促されたケースもあり、日本においても今後すべての大型設備には遡及的にも遠隔制御システムを備え付ける検討をするべきである。

そもそも現在申し込まれている自然エネルギー発電設備がすべて稼働するには(そのうち何割かは事業の断念もあるだろう)、今後数年かかることになる。その間に上記の遠隔制御システムが普及し、効果的に時間単位で出力抑制が実施できるようになっていけば、実際には出力抑制の回数及び抑制量が、事業採算性を圧迫するような量には達しないことが明らかになってくるだろう。

その間に、広域的運営推進機関や送電会社の法的分離によって、接続可能量がもっと拡大されていくならば、日本全体で自然エネルギーの大量導入への自信が生まれてくるはずだ。エネルギー安全保障にも大きく貢献する国産エネルギーである自然エネルギーの導入をはかるために、コスト的にも大きな負担とならない遠隔制御システムはすべての大型設備で取り入れていくべきである。

各発電設備に蓄電池などを推奨する前に、コスト最適性を考えた手法を採用していくべき

今回の改正案では、「出力制御を行う場合と同等の措置(蓄電池の充電など)を行うことによって、この出力制御を代替することが可能」とされており、蓄電池を発電設備に備え付けることをことさら推奨しているように見える点に、WWFは懸念を抱いている。変動する自然エネルギーの各発電設備に高コストな蓄電池をつけていくことは非常に非効率的な手法であり、決して一番最初に進めるべき手法ではない。

変動する自然エネルギーを制御するには、IEA(国際エネルギー機関)によると大きく分けて4つの手法がある。

  1. 調整できる発電設備(火力発電や水力発電)
  2. 蓄電システム(IEAの想定しているのは主に揚水発電)
  3. 国や地域を越える連系線
  4. 需要側の対策(デマンドレスポンス)

これらをコスト的に最も見合う手法から活用していくのが経済合理的である。それには既存のインフラの活用から始めることが最も経済的であることは言うまでもない。日本には調整できる火力発電や水力発電、揚水発電、また地域間連系線がすでに大量にある。これらの既存のインフラの活用を妨げている社会的ルールを解きほぐして、自然エネルギーの変動吸収のために活用できるようにすることが最重要課題である。

WWFジャパンの2050年に向けたエネルギーシナリオ(参考資料2)でも、蓄電池の設置や水素による貯蔵は提案しているが、それはあくまでも自然エネルギーが5割を超えるようなレベルになった時の想定である。現時点で最優先するべき改善策は、系統運用の改善であり、少なくともまだ自然エネルギーが発電電力量の2%にすぎない日本において、わざわざ非効率で高コストな手法を最初に推奨する必要はない。

(4)おしまいに

今回の系統WGにおける電力会社の接続可能量の発表は、まだまだ課題が多いとはいえ、今までの姿勢からは考えられないような画期的な前提を置いた取り組みであったとWWFジャパンは評価している。自然エネルギーの導入があまりにも世界に比べて周回遅れとなっている日本において、今最も欠けているのは自信である。海外で行われている先進事例から学びながら、今回の検討のように、一つ一つステップを踏んで進めていくならば、技術大国日本において、変動する自然エネルギーを制御しながら大量導入してくことが不可能であるはずがない。

純粋な国産エネルギーであり、安全なエネルギー源である自然エネルギーを急速に拡大していくことは日本の国益であり、将来世代への温暖化のリスクやエネルギー安全保障上のリスクを減じていく最も有効な手段の一つである。コストに配慮して導入を推進することはもちろんであるが、そのコストについては、化石燃料の価格高騰リスクと、温暖化のリスクを軽減することの経済的価値を考慮した検討が肝心である。

自然エネルギーを最大限拡大していく取り組みのコストを考えるにあたって、最も考えるべきことは、自然エネルギーの変動を制御する手法のコスト最適性を考えた導入である。手法はたくさんある。既存の制度や既得権を守ることに腐心するのではなく、新たな脱炭素社会へ向けて、社会の変革に意識を転換して大胆に取り組んでいくことが今最も求められている。日本にはその力があり、世界へ貢献できる道が開けるとWWFジャパンは信じている。


参考資料

その他

参考資料1:
WWF「脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案」〈電力系統編〉 補論
検証:自然エネルギー接続保留に関する定量的分析(2014年11月発表)

参考資料2:
WWF脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案(2011年~2013年発表)

第1部 省エネルギー編
第2部 自然エネルギー編
第3部 費用算定編
第4部 電力系統編

参考資料3:
ドイツとスペインの系統運用視察報告(日本風力発電協会「JWPA」)

参考資料4:
九州電力株式会社 再生可能エネルギー接続可能量の算定結果について(平成26年12月16日)

参考資料5:
系統WGにおける各社接続可能量の算定結果について(平成26年12月18日)

参考

WWF検証 自然エネルギー接続保留に関する定量的分析(参考資料1)でわかったこと

九州電力に、1260万kWの自然エネルギー(太陽光1180万kW、風力80万kW)が導入されると、九州電力における年間の全電力量に占める太陽光と風力の発電電力量は、17.3%となり、水力などのその他の自然エネルギーと合わせると23%となる(2013年実績での年間発電量に対するシミュレートされた自然エネルギー電力割合)。

既存の蓄電システムである揚水発電を自然エネルギーのために活用する前提とし、太陽光・風力以外の電源に保守的な想定を置いたうえで、九州・中国間の地域間連系線の利用有無や原発の再稼働についてケースを分けて試算した。その結果、以下のことが分かった。

  • 原発の再稼働を見込んだうえ、九州・中国間の地域間連系線を使わない前提でも、余剰が発生するのは、全発電電力量の3.24%以下にすぎない。
  • 九州・中国間の地域間連系線を利用できるならば、自然エネルギーの余剰が発生する日数(抑制日数および時間数)はゼロか、現状の補償なしの30日以内に収まる。
  • 自然エネルギーの発電量の抑制日数(時間数)と抑制量は、原発の有無で大きく変わる(今回のWWF検証では、川内原発がある場合とない場合を想定)。
  • 原発なしの場合には、抑制日数は、25日(88 時間)、地域間連系線の運用容量259万kWが利用できるならば、抑制日数1日(1時間)のみとなる。熱容量の限度まで(556万kW)使えるならば、余剰が発生するのはゼロとなる。
  • 原発ありの場合には、抑制日数は、94日(369 時間)、地域間連系線の運用容量259万kWを利用できるならば、抑制日数16日(46時間)となって、現状の補償なしで抑制できる30日以内となる。熱容量の限度まで(556万kW)使えるならば、原発ありでも余剰が発生するのはゼロとなる。
  • いずれ、接続検討分の680万kWを加えた1940万kW (太陽光1840万kW、風力100万kW)がすべて導入されたとしても、熱容量の限度の連系線が使えるならば、抑制日数は、原発ありの場合で29日(90時間)、原発なしの場合で10日(26時間)となる。既存の連系線が日常的に活用されるならば、この規模の自然エネルギーが利用できることが確かめられたと言えるのではないか。
  • 余剰が発生する期間は、いずれも主に4月、5月、9月、10月の電力需要が小さいときであり、特にゴールデンウィークに集中している。電力が余るときの予見性が高いため、対策が立てやすい。発電設備の近辺に、時間に縛られない電力需要の産業を興すことなどが考えられる。

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