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「企業の温暖化対策ランキング」第一弾を発表

猛暑、豪雨、台風の強大化、温暖化と共に深刻化するとみられる異常気象...2014年4月、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が発表した第5次評価報告書は、さらなる温暖化の進行と深刻な影響の予測を示しました。しかし日本では、京都議定書の第2約束期間には目標を掲げず、政府レベルの温暖化対策は停滞しています。その中で、日本の企業の取り組みは、どのように変化しているのでしょうか? 2014年8月5日、WWFジャパンは「企業の温暖化対策ランキング」の第一弾を発表しました。

日本企業50社の温暖化対策を評価

現在、日本の企業による地球温暖化対策に関する情報は、多くが環境報告書類などで開示されています。

しかし、温室効果ガスの削減目標の定め方や、削減対象となるガスの種類、開示データの範囲などは、企業によって異なっており、一般の消費者はもとより関心の高い人々でさえ、開示情報をもとに企業の取り組みを正しく理解し比較を行なうことが難しいのが現状です。

また、優れた取り組みを行なっている企業と、そうでない企業とを見分けることも容易ではありません。

そこで、WWFジャパンでは、各企業の取り組みレベルを同一の指標を用いて評価する「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトを開始。

環境報告書やCSR報告書などで公開されている情報に基づき、企業の温暖化対策の実効性を評価する試みを行なってきました。

そして2014年8月5日、その報告の第1弾として、「電気機器」に関連する日本企業50社を対象とした調査結果を発表しました。

▼ダウンロード(PDF:3.64MB)

用いられた評価指標と環境報告書

この評価に用いた同一の指標は、大きく下記の2つの側面からなっており、いずれにおいても、温暖化対策の実効性を重視している点が大きな特徴となっています。

  1. 温暖化対策の目標および実績に対する評価(計11指標)
  2. 情報開示についての評価(計10指標)

この中で、特に実効性の面で重視されたのは、以下の7つの指標です。

  • 長期的なビジョン
  • 削減量の単位
  • 省エネルギー目標
  • 再生可能エネルギー目標
  • 総量削減目標の難易度
  • ライフサイクル全体での排出量把握・開示
  • 第三者による評価

また、企業が行なう温暖化対策の内容を、横断的に評価するためのツールとして、これまでほとんど活用されてこなかった環境報告書類に注目した点も、新しい要素といえます。

評価を分けたポイント

今回、特に上位にランクされた企業は、いずれも7つの重要指標の中で、長期的なビジョンや、難易度の高い温室効果ガスの削減目標の設定、第三者の検証による信頼性の向上、企業活動全体での排出量の見える化などについて、高い点数を獲得しています。

また、全ての項目について高得点であった企業はなく、今回上位に入った企業についても、さらに取り組みを充実させられる可能性があることも示されました。

一方、今回の調査によって、2013年度以降の目標レベルを後退させている企業があることも明らかになりました。

これらの中には、以前掲げていた総量での削減目標を、原単位目標での削減に切り替えた企業や、削減目標を伴わない省エネ目標のみを提示するにとどめた企業、また2013年度以降の新たな目標を設定していない企業などが含まれます。

日本は、京都議定書の第2約束期間には目標を掲げておらず、政府レベルでは温暖化対策の取り組みが停滞していますが、こうした国レベルでの削減目標の不在は、産業界の取り組みが一部後退している実情にもつながっているとみられます。

国の政策が滞る中、WWFではこれからも、先を見据えたビジョンを持ち、着実に温暖化対策を進めている企業が、より高いリーダーシップを発揮することを期待し、それを後押しする評価と提言に取り組んでゆきます。

報告書

『企業の温暖化対策ランキング』
~実効性を重視した取り組み評価~ Vol.1『電気機器』編

  • 2014年8月20日、株式会社リコーからの指摘をもとに、上記報告書のデータおよびランキングの修正を行ないました。なお、下記の記者発表資料は修正以前の内容になります。修正点については、こちらの正誤表をご確認ください。

正誤表(PDF)

記者発表資料

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