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石炭火力の増加を招く東京電力の電力供給設備の入札

東京電力では、新しい電力供給設備の入札の募集を開始しようとしています。これは、東京電力の新しい発電所を建設する業者を選ぶものですが、その内容を見ると、事実上石炭による火力発電所の建設に、選択肢が絞られたものとなっています。これが実現すれば、日本の地球温暖化対策を大きく後退することになるでしょう。WWFジャパンでは、2013年2月1日、この東京電力の電力供給入札について問題点をまとめたペーパーを公開しました。

石炭火力発電所新設の布石

2012年11月、東京電力は、新しい電力供給設備の入札を募集する意志を表明しました。

入札の対象となるのは、2019~2021年に稼働開始する電力供給設備で、募集規模の合計は260万kWです。

入札の要項そのものには指定はありませんが、入札の上限価格(9.53円/kWh)を見る限り、この入札が「石炭火力発電所」を想定しているのは明らかです。

今回の入札で、新設が決まれば、この後にも石炭火力発電所の建設が続くと予想されています。

石炭は、地球温暖化の主な原因となる二酸化炭素(CO2)を、多く排出する燃料ですが、日本では1990年以降、発電における石炭の量・割合が、ともに大きく増加してきました。

1990年~2010年の石炭増加量をCO2排出量に換算すると、約1億5000万トンにもなります。これは、京都議定書基準年(1990年)の排出量の約12%に相当する膨大な量です。

仮にこの傾向が今後も加速されれば、温暖化対策の遅れがさらに深刻なものとなります。

「石炭」の抱える問題

石炭は、過去10年ほどは、安価かつ安定的な燃料として重宝され、需要が増加してきました。

実際、石炭はLNGよりも価格変動リスクが低いとの主張もありますが、ここ数年は、中国やインドなどの新興途上国が、急速に石炭の輸入量を増やしており、特に中国は2011年には日本を抜いて世界第1位の輸入国となっています。

この需要は国内外の専門機関ですら予測がつかないほどの伸びを示しており、この変化が石炭貿易市場に大きな影響を及ぼす可能性もあります。

これまで日本は、実質的に日本とオーストラリアの2国間で石炭価格を決めてきましたが、今後のこうした国際市場の変化は、従来のような価格交渉力と安定した価格の維持を困難にするものと予測されます。

石炭の輸出国が、需要の急増に対応できなければ、石炭不足と価格の上昇を引き起こす恐れがあるからです。

未来に向けたエネルギー社会の実現を

東京電力による入札の募集は、近々行なわれるものと予想されていますが、少なくとも、これまでに明らかにされている電力供給入札の内容には、以下のような問題点が見受けられます。

  1. 地球温暖化対策に逆行する
  2. 東電管内での電力需要の見積もりが過大あると考えられる
  3. 日本全体でも石炭火発の増加は想定されていない
  4. 環境影響評価の観点からも、地球温暖化対策との整合性をとらなければならない
  5. 石炭に頼れば確実に電気料金が安くなるとはいえない

石油や石炭などの化石燃料資源を自国で生産できないことは、日本にとって永年の課題であり、エネルギーの自給や安全保障につながる問題となってきました。

そしてその問題は、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故によって、さらに浮き彫りにされました。この試練から日本が選択するべき道は、地球環境を無視して石炭への依存を強めることではなく、省エネルギーの徹底によってエネルギー消費の無駄を省き、風力や太陽光を主軸とした「持続可能な再生可能エネルギー」を推進することです。

WWFジャパンでは、2013年2月1日、東京電力の電力供給入札について、上記の問題点をまとめたペーパーを作成し、公開しました。

 

 

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