2010年9月7日から福岡県で、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の第6回北小委員会が開催されます。今回で焦点となるのは、日本近海を含めた、太平洋クロマグロの資源管理の体制について。この海域では近年、クロマグロの漁獲量の増加が指摘されています。今回の会議では、持続可能な形でクロマグロ資源を利用してゆくための勧告案に、関係各国が合意することが求められています。
日本近海のクロマグロ資源のゆくえ
「本マグロ」として、日本人に親しまれているクロマグロは、近年の世界的な漁獲量の増加により、資源の枯渇が心配されています。しかし、各国が協力した、中長期的な資源の管理体制はいまだに確立されていません。
クロマグロを獲り尽くすことなく、持続可能な形で資源を利用してゆくためには、各国が早急な漁業管理に取り組むことが必要です。
太平洋で水揚げされるクロマグロの7割を漁獲している日本では、水産庁が世界に先駆けて、国内の太平洋クロマグロの資源回復計画を策定。日本の太平洋クロマグロを対象とする漁業について、包括的な管理体制を導入することを、2010年5月に発表しました。
この発表を受け、太平洋クロマグロの漁獲不振によって打撃を受けている国内の小規模漁業者からは、資源回復を期待する声があがっています。
しかし、太平洋のクロマグロ資源を保全するためには、日本一国の取り組みだけでは不十分。実際に漁業を行なっている、アジア各国の協力による資源管理が欠かせません。
ところが、この太平洋クロマグロの漁業を管理する、国際的機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」では、今のところ、2011年以降の方針を決定できていません。
WCPFC北小委員会始まる
2010年9月7日から10日まで、福岡で、第6回目となる、WCPFCの北小委員会の会議が開催されます。
このWCPFC北小委員会は、北緯20度以北の水域に主に分布する、太平洋クロマグロ資源の保存・管理措置について合意し、WCPFC本委員会に勧告する役割を担う、重要な会議です。
今回の福岡会議では、近年クロマグロ漁業に参加し始め、しかも漁獲量を増している韓国やメキシコといった国々を含む、包括的で実効性のある漁業管理のあり方が検討されます。
これは、これからの持続可能な太平洋クロマグロ資源の利用を目指す上で、欠かせない一歩になるものです。
会議の開催に先立ち、WWFでは、この北小委員会に参加するWCPFC加盟国と協力国に対し、2つの要望を行ないました。
- 科学委員会(ISC)の保存管理勧告に従い、特に未成魚を中心に太平洋クロマグロの漁獲努力量を2002年-2004年の水準以下に削減可能な、実効性のある管理措置勧告案を合意すること
- 太平洋クロマグロを生産する全ての国が、過去の漁獲状況に関わらず北小委員会で合意した資源管理措置を例外なく導入すること
2010年8月3日に、WWFが東京で開催した「消費者と考える国際マグロシンポジウム」では、青森県大間や長崎県壱岐の一本釣り漁業者から、太平洋クロマグロの漁獲不振や、持続可能なクロマグロ漁業経営が困難となっている現状が報告されました。
このよう問題を解決してゆくためにも、WWFは、太平洋クロマグロの国際的な資源管理強化の必要性を訴え、北小委員会に参加する全ての国が、実効性の高い管理措置の勧告案を福岡で合意することを強く求めています。
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