沖縄県沖縄島の泡瀬干潟を埋立てる工事が、再開される可能性が出てきました。報道では、前原沖縄担当大臣が、東門沖縄市長に対し、新たな埋立て計画に同意した、としており、これが本当であれば、日本が世界に誇ることのできる貴重な自然が損なわれるばかりでなく、経済的にも赤字が濃厚な公共事業が、再び行なわれることになります。
新たな埋立て計画の問題
2010年8月4日の報道によると、前原誠司沖縄担当大臣は、東門美津子沖縄市長が7月30日に示した、新たな泡瀬干潟の埋立計画に対し、その場で、干潟が保全される、また、経済的合理性がある、として埋立の再開を認めたとされています。
しかし、この新たな埋立計画は、わずか10ページの内容で、環境に関する記述も、わずか3分の1ページに過ぎません。
浅海域を埋立て、人工島を作り出すことにより、残された干潟でも環境が悪化することは、先に行なわれた、中城湾港・新港地区での埋立てによる人工島造成の事例からも明らかです。
人工島の建設によって、海底の砂泥がどのように変化し、干潟にどのような影響が出るのか、この重要な問題は、過去の環境アセスメント(環境影響評価)でも触れられていません。
また、新たな埋立計画では、年間415万人の観光客が泡瀬を訪れる、としていますが、これは明らかに過大な予測です。
埋立地に作られるホテルなどの宿泊客や、商業施設の利用者数についても、同様に楽観が過ぎています。企業の進出数や利用者数、収益、そして、沖縄市の財政負担についての、これらの見通しは、第三者の専門家による検証を受けるべきものであり、それがなければ、経済的に合理性があるとはいえません。
沖縄県のレッドデータブックに掲載されている絶滅危機種で、泡瀬干潟で生息が確認されている野生生物の数は、トカゲハゼやウミヒルモをはじめ、実に121種。
採算性に疑問のあるこのような計画に税金を投じ、干潟からサンゴ礁にいたる、多様な景観を誇る泡瀬の自然を壊すことは、大きな問題です。
WWFジャパンは8月6日、泡瀬干潟の埋立て再開について、前原沖縄担当大臣と東門沖縄市長に対し、緊急の抗議声明を送りました。
情報公開や、住民が参加した合意形成のあり方についても、問題が指摘されている、泡瀬干潟の埋立て事業。
選挙の際に、「経済的合理性がないときは埋め立てを推進しない」と公言していた東門市長の言動と、「コンクリートから人へ」というマニフェストを掲げた民主党政権の政策が問われようとしています。
声明文
2010年8月6日
泡瀬干潟埋立再開の決定に対する抗議声明


第一期の工事が行なわれた泡瀬干潟の海

沖縄県が立てた埋立て計画の看板

それに反対する市民団体の横断幕
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