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WWFの活動

活動トピック

地球温暖化対策の視点から見る!2010年・参院選

2010年の通常国会は、地球温暖化対策基本法案に関する結論を出すことができずに終了しました。基本法案の行方はどうなるか?そして、地球温暖化対策全般の行方はどうなるか?この重要な時期に実施されることになる7月11日の参議院議員選挙。各政党は、地球温暖化対策についてどのような主張を掲げているのでしょうか?WWFジャパンは、各政党のマニフェストの比較を行ないました。ぜひ投票前にチェックしてみてください。なお、この取り組みは、特定の政党を推すことを意図したものではありません。予めご了承ください。

地球温暖化対策は各党の公約の中でどのように扱われている?

2010年7月11日の参議院議員選挙は、国内の地球温暖化対策が重大な局面を迎えている時期に行なわれることになります。

先の通常国会では、民主党を中心とする連立与党が地球温暖化対策基本法案を提出しましたが、時間切れで廃案となってしまいました。

今回の選挙は、その基本法案の行方を含め、温暖化対策の政局に大きな影響を与えるものとなりそうです。

そこで、WWFジャパンは、2009年の衆議院議員選挙に引き続き、各政党が発表しているマニフェストについて比較を行ないました。

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比較したのは、民主党、自由民主党、公明党、日本共産党、社会民主党、国民新党、みんなの党、たちあがれ日本、新党改革の9つの党です。

比較は、WWFジャパンが重要と考える、9つのポイントについて行ないました。

  1. 気候変動(地球温暖化)政策についての基本法について
  2. 温室効果ガスの排出量削減目標について
  3. 排出量取引制度について
  4. 炭素税について
  5. 高速道路の無料化について
  6. 暫定税率の廃止について
  7. 再生可能エネルギーに関する目標及び固定価格買取制度について
  8. 原子力発電所について
  9. 国際枠組みの構築について

このポイントを比較した内容は、おおよそ以下のとおりです。 

主なポイントについての要約

気候変動(地球温暖化)政策についての基本法について

政権与党である民主党のマニフェストにおいて、自身が提案している地球温暖化対策基本法案に関する記述がないなど、地球温暖化対策に関する記述がやや少なく、また不明確なところがあります。これは、基本法案に書いてあるからよしとしたのかもしれませんが、他の問題については必ずしもそうした対応をしているわけではないので、今後の民主党の地球温暖化対策にブレが生じないか心配です。対案を出している野党(自民党や公明党)や元与党であった社民党が基本法の制定を明確に書いているのとは対照的です。

温室効果ガスの排出量削減目標について

温室効果ガスの排出量削減目標については、民主党、公明党、社民党、共産党、みんなの党が積極的な目標を掲げています、自民党やたちあがれ日本はやや消極的な数字を掲げています。

排出量取引制度および炭素税について

排出量取引制度や炭素税については、慎重な姿勢で「検討する」としたところも含めれば、比較的多くの政党が前向きです。公明党、社民党、共産党は排出量取引制度の導入を支持していますが、自民党は検討するという表現にとどまっています。ここでも、民主党は自身が基本法案の中に書き込んだ排出量取引制度について言及していません。炭素税については、社民党・共産党が導入を明示しており、前向きです。民主党・公明党・自民党はやや慎重に「検討」という言葉を使っています。

高速道路の無料化・暫定税率の廃止について

高速道路の無料化や暫定税率の廃止は、温暖化対策に逆行する政策です。これらについては、各党の立場が微妙に異なります。高速道路の無料化については、自民党・共産党・みんなの党・社民党が無料化を含まない見直しを掲げています。暫定税率については、社民党、みんなの党、たちあがれ日本が環境税への組み換えを掲げています。

再生可能エネルギーについて

再生可能エネルギーについては、自民党、公明党、共産党、社民党が、程度の差はあれども、明確な目標を掲げたり、固定価格買取制度を支持しています。

原子力発電所について

原子力発電所については、社民党や共産党が明確に脱原発の方針を示しています。国内ではっきりと原発を推進しているのは、自民党だけですが、その他の政党も、海外へのインフラ輸出のひとつとして原発を挙げている政党が多くあります。国内の原発だけでなく、こうした海外輸出も懸念事項として明らかになってきました。

国際枠組みの構築について

国際枠組みの構築については、合意の全体像や戦略について詳しく言及している政党はありませんでしたが、自民党、公明党が挙げている基金やアプローチの中には前向きな具体的提案があります。

 

全般的に、地球温暖化対策に関わる事項について、各政党のマニフェスト/政権公約できちんと言及されていることは歓迎すべきです。しかし、政権与党である民主党や、比較的近年になって結成された国民新党、みんなの党、たちあがれ日本、新党改革などの政党のマニフェストの中では、やや記述が少ない点が懸念材料としてあります。

各党のマニフェスト/政権公約の中身を見る限り、日本が温暖化対策をきちんと進めていくには、選挙後の議論の中で、各党の主張の良いところを組み合わせていくことが必要です。そのためにも、各党がマニフェスト/政権公約の中で地球温暖化対策について何を主張しているか、国民がしっかりとチェックして、「私たちは政策を見て選びます」ということを各政党・候補者に意識してもらうことが重要です。

WWFジャパンは、日本全体で温暖化対策を進め、「脱炭素社会」を達成するために必要な政策をまとめて、今年の3月に『脱炭素社会に向けたポリシーミックス提案』として発表しました。

http://www.wwf.or.jp/torihiki

温暖化政策として何が必要かを考える際に、皆さんの参考になれば幸いです。

 

  • 注意事項
  • 各政党のウェブサイトに掲載されているマニフェストを比較しました。
  • 一部の政党では、「マニフェスト」という用語の使用をあえて避けていますが、その場合は、それに相当するものを比較しています。
  • なお、今回の比較では便宜上、以下の要件を満たしている政党のみを比較対象としました。1)国会に議席を有している政党であること、2)政党助成法上の政党要件を満たしていること、3)2010年参院選向けのマニフェストがウェブサイトで公表されていること。

【ご注意】この取り組みは、特定の政党を推すことを意図したものではありません。

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