会長と事務局長からのご挨拶

会長挨拶

子どもたちのため、今こそ行動を

私たちは、美しい自然と、世界でも最も豊かな四季に恵まれた日本に育ち、長い年月をかけて、その自然に密着した素晴らしい固有の文化を育ててきました。すっかり自然界の動きから切り離されたように見える現代社会の中にいても、私たちの生活は、季節ごとの行事や祭り、旬の食べものなどを通じて、自然と季節の移り変わりに深くかかわっています。日本人の持っている驚くほど繊細な季節感は、世界のどこにもないので、私たちのとても大切な財産であると思います。

その美しい日本の自然、世界の自然そのものが、いま大きな曲がり角にきています。何億年もかけて地下に蓄積されてきた炭素が、石油、石炭、ガスなどの化石燃料を大量に燃やすことで、地上に温室効果ガスとして拡散され、地球全体の温暖化が急速に進行しています。そして、地球上の多くの生きものたちの生存が危険にさらされると共に、私たち人類の文明そのものが、近い将来に危機に瀕する可能性が高いことが、世界中の科学者によって明確に示されています。

私たちのあとに続く世代が、平和で豊かな生活を送れるように、私たちは何ができるか、何をしなければいけないか、ということが今一番大切な問題ですが、私たち一人ひとりの努力だけではできることに限界があり、なかなか世界全体を変えていくことはできません。しかし、同じ心を持つ多くの方々の声が一つになると、それは初めて大きな力となって、世界の流れを動かしていくことも可能になると思います。

最も信頼される環境保全団体として、世界的な活動を続けるWWFを支えているのは、世界中の自然を愛する方々のご支援です。私たちのWWFジャパンもその一員として日本と世界のプロジェクト推進に努力していますが、皆さまの声をもっと強いものにするためにも、さらに多くの方々のご賛同とご支援をいただくことを、心からお願いする次第です。

WWFジャパン(財団法人世界自然保護基金ジャパン) 会長 德川 恒孝

事務局長挨拶

「環境の世紀」の実現に向けて

WWFジャパンが1971年に創立されて以来、40年あまりが経ちました。
この間、日本においても海外においても、多くの自然・環境保全活動が推進されてきましたが、大きな潮流として見れば環境問題は拡散し、また深刻化しつつあると言わざるを得ません。

私はこれまで、海外5か国で20年以上にわたって、さまざまな自然と、そこで暮らす人々と多くの接点を持ちました。そしてその中で、物質的な生活の豊かさを追求するあまり、健康や家族の絆、自然・環境といった、世界の誰もが慈しむ共通の価値を見失いつつある場面に出会うことも多く、大変残念なことだと感じています。

2050年に向け、世界の人口は95億人まで増え続けると予測されています。これまで先進国が突き進んできた経済優先の産業政策だけでは、地球への環境負荷は許容の限界点を超え、不可逆的な破壊に向かうこととなるでしょう。

この〝大きすぎる問題“を前に、個人の力はあまりに小さく感じられるかもしれません。ですが、人類の英知を結集し、問題を先送りせずに現実に向き合う勇気を持つとき、地球は私たちの反省と、改善に向けた必死の努力を、受け入れてくれると信じます。

日本は豊かな四季の中で自然の変化を慈しみ、受け入れて生きる知恵を持つ国です。その中で、WWFジャパンが日本の良さを活かした環境保全を展開し、グローバルに推進してゆくにはどうすべきか。私は行政や企業、個人の皆さまと直接お会いし、つながりを強めながら、ご意見やご提案をお聞かせ頂きたいと思います。

この地球に健やかな自然環境を取り戻してゆくために、皆さまのあたたかいご理解とご支援を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

WWFジャパン(財団法人世界自然保護基金ジャパン)事務局長 筒井隆司