Doubling wild tigers!


※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。

WWFが世界で取り組むトラ保護プロジェクト「Doubling wild tigers」の2016年の報告書が届きました。

これは2010年に約3,200頭と推定された野生のトラの個体数を、2022年までの12年間で6,000頭以上、つまり倍にしよう!というプロジェクトです。

この目標は、2009年のプロジェクト開始以降、トラが生息する国々の政府にも支持され、トラ保護の国際会議「トラサミット」でも、公式の目標として合意されました。

 

今回届いた報告書は毎年発表されているもので、そこにはこの一年間に各国で行なわれた主な活動の概要が記されています。

たとえば、ブータンではトラの密猟をゼロに抑えられたことや、ロシアでは飼育個体を野生に戻す計画が着々と進められていること。

また「SMART」と呼ばれる新しい方法を用いた調査地点が一年間で30カ所増え、世界全体では140カ所になったことなど、前進といえる記述がいくつも見られました。

 

しかし一方で、マレーシアやインドネシアなどからは目立った報告が乏しく、現場の困難がうかがえます。

これらの国々のトラのすみかは、もともと調査の難しい熱帯林であり、しかもその森がなくなることでトラも減少する、という問題の連鎖も起きています。

特に、固有亜種スマトラトラが生息するインドネシアのスマトラ島では、日本にも輸出されるパーム油や紙を生産する植林(プランテーション)が大規模に造成され続けてきたため、広く森が失われてきました。

報告書でも「生息環境の保全」は大きなテーマの一つとしていますが、トラが生きる森は、他の多くの野生動物も息づくことのできる豊かな森。

トラを保護する上でも欠かせないこの森を守る取り組みを、私たちもインドネシアの仲間たちと共に、頑張ってゆきたいと思います。(広報担当 三間)

報告書の末尾に入っていたプロジェクトに携わる人たちの顔、顔、顔。各国の多くの人たちがかかわっていることがわかります。

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

森、海、気候、野生生物、さまざまな活動をサポートしています。

虫を追いかけ40年。鳥を追いかけ30年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの20年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと思っています。

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