世界一美しいカタツムリ


今年もいよいよ終わりに近づいてきました。

この一年、さまざまなニュースがありましたが、その中には、新種発見や絶滅したと思われていた種の再発見の話題もたくさんありました。

最近のニュースで個人的にとても気になったのは、高知県で発見されたサルダアツブタムシオイガイです。

これまで化石のみが知られていたというサルダアツブタムシオイガイは、ムシオイガイ科の軟体動物で陸生の巻貝、すなわちカタツムリの一種。

WWFも今年、インドシナ半島での新種発見の報告をまとめて発表しました

大きさは4ミリほど!ということですが、カタツムリはどんなに小さくても、ちゃんと殻を背負っているようです。

私も子どもの頃にカタツムリを飼っていたのですが、シリカゲルに似た小さな卵から、ほんの1~2mmしかない、殻を背負った仔カタツムリが出て来て感動しました。

同じような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな大きさも模様も魅力もさまざまなカタツムリですが、今年もう一つ、カタツムリのニュースがありました。

6種が知られるコダママイマイ。すべてキューバの固有種です。キューバ政府は1943年から輸出を禁止していますが、近年も違法取引が続いています。

世界一美しいと言われるカタツムリ「コダママイマイ(Polymita.sp)」の話題です。

このカタツムリ、その殻を狙った乱獲と違法取引により、絶滅が心配されてきました。

そこで、今年のワシントン条約の第17回締約国会議(CITES COP17)で、6種のコダママイマイを全種、附属書Ⅰに掲載することが決まったのです。

附属書Ⅰに掲載されると商業目的の国際取引は原則禁止されます。

コダママイマイがすむキューバを代表する山並み、マエストラ山脈

さらに日本では今月、「種の保存法」の国際希少野生動植物種に、このコダママイマイが指定され、国内取引も原則禁止されることが決まりました。

日本でも売買されているこのコダママイマイ。

まかり間違っても、日本での取引がこのカタツムリを、絶滅に追い込むようなことが無いようにしたいものです。(トラフィック 若尾)

こちらもキューバ固有のカタツムリ。カタツムリなどの軟体動物は小さく種類も多いので、これからもっと新種が見つかる可能性があります。

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自然保護室(野生生物)、TRAFFIC
若尾 慶子

修士(筑波大学大学院・環境科学)
一級小型船舶操縦免許、知的財産管理技能士2級、高圧ガス販売主任者、登録販売者。
医療機器商社、海外青年協力隊を経て2014年入局。
TRAFFICでペット取引される両生類・爬虫類の調査や政策提言を実施。淡水プロジェクトのコミュニケーション、助成金担当を行い、2021年より野生生物グループ及びTRAFFICでペットプロジェクトを担当。
「南西諸島固有の両生類・爬虫類のペット取引(TRAFFIC、2018)」「SDGsと環境教育(学文社、2017)」

子供の頃から生き物に興味があり、大人になってからは動物園でドーセントのボランティアをしていました。生き物に関わる仕事を本業にしたいと医療機器業界からWWFへ転身!ヒトと自然が調和できる世界を本気で目指す賛同者を増やしたいと願う酒&猫好きです。今、もっとも気がかりな動物はオガサワラカワラヒワ。

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